公表資料・広報活動

ホーム > 公表資料・広報活動 > 講演・記者会見 > 講演・挨拶等 2010年 > 支店長会議総裁開会挨拶要旨(2010年10月)

支店長会議総裁開会挨拶要旨(2010年10月)

2010年10月15日
日本銀行

(1)わが国の景気は、緩やかに回復しつつあるものの、海外経済の減速や為替円高による企業マインド面への影響などを背景に、改善の動きが弱まっている。輸出や生産は、このところ増加ペースが鈍化している。企業収益や企業の業況感は引き続き改善しており、設備投資は持ち直しに転じつつある。雇用・所得環境は引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる。そうした状況のもとで、個人消費は持ち直し基調を続けている。

(2)先行きは、需要刺激策の効果の減衰などから景気改善テンポの鈍化した状況がしばらく続いた後、海外経済の改善などを背景に、緩やかな回復経路に復していくとみられる。こうした経済の姿を7月中間評価で示した見通しと比べると、成長率は下振れて推移する可能性が高い。また、米国経済を中心とする不確実性の強い状況が続くもとで、景気の下振れリスクには、なお注意が必要である。

(3)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比の下落幅は縮小傾向を維持しているものの、今後、景気の下振れなど実体経済活動の動きが物価面に影響を与える可能性には、注意が必要である。

(4)以上を踏まえると、わが国経済が物価安定のもとでの持続的成長経路に復する時期は、後ずれする可能性が強まっている。

(5)このため、日本銀行は、金融緩和を一段と強力に推進することが必要と判断し、「包括的な金融緩和政策」を実施することを決定した。日本銀行は、今後とも、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、中央銀行として、適切に政策対応を行っていく方針である。

(6)この間、わが国金融システムは、全体として安定性を維持している。もっとも、金融機関の基礎的な収益力が低下する中で、貸出債権の質の低下もみられている。このため、信用リスクの状況をはじめ、金融システムの動向については、引き続き注意深くみていく必要がある。

以上