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支店長会議総裁開会挨拶要旨(2012年4月)

2012年4月12日
日本銀行

(1)世界経済は全体としてなお減速した状態から脱していないが、米国経済では緩やかな改善の動きが続いているほか、欧州経済も停滞感の強まりに歯止めがかかっている。

(2)わが国の経済は、なお横ばい圏内にあるが、持ち直しに向かう動きがみられている。輸出は、これまでのところ横ばい圏内にとどまっている。国内需要をみると、設備投資は、被災した設備の修復などから、緩やかな増加基調にある。個人消費は、自動車に対する需要刺激策の効果もあって、底堅さを増しているほか、住宅投資も持ち直し傾向にある。公共投資も、ここにきて増加に転じている。以上の内外需要を反映して、生産は、なお横ばい圏内にあるが、持ち直しに向かう動きがみられている。こうしたもとで、企業の業況感をみると、輸出関連業種に慎重さが残っている一方、内需関連業種は、復興関連の需要や、個人消費の底堅さなどを反映して、改善を続けており、全体としてみれば概ね横ばいとなっている。

(3)先行きのわが国経済については、新興国・資源国に牽引されるかたちで海外経済の成長率が再び高まり、また、震災復興関連の需要が徐々に強まっていくにつれて、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。

(4)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、概ねゼロ%となっており、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる。

(5)景気のリスク要因をみると、欧州債務問題の今後の展開、国際商品市況の動向、新興国・資源国の物価安定と成長の両立の可能性など、世界経済を巡る不確実性が引き続き大きい。
 物価面では、国際商品市況や中長期的な予想物価上昇率の動向などに、注視する必要がある。

(6)わが国の金融システムは、全体として安定性を維持している。そうしたもとで、金融環境は、緩和の動きが続いている。わが国の金融システムを取り巻く環境をみると、国際金融資本市場は総じて落ち着いているものの、欧州債務問題が金融資本市場の連関等を通じてわが国に波及するリスクなどには、今後とも十分な注意が必要である。

(7)日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することがきわめて重要な課題であると認識している。デフレからの脱却は、成長力強化の努力と金融面からの後押しの双方を通じて実現されていくものである。そのためには、民間企業、金融機関、政府および日本銀行がそれぞれの役割に則して、日本経済の課題克服に積極的かつ強力に取り組むことが重要である。こうした認識のもと、日本銀行としては、強力に金融緩和を推進していくとともに、成長基盤強化を支援するための資金供給を通じて、日本経済の成長基盤強化に向けた民間金融機関による取り組みを支援していく。