日本銀行本店

公表資料

ホーム > 対外説明・広報 > 公表資料 1998年 > 銀行組織における内部管理体制のフレームワーク(日本銀行仮訳)

ENGLISH

銀行組織における内部管理体制のフレームワーク

(日本銀行仮訳)

1998年 9月22日
バーゼル銀行監督委員会



(日本銀行から)

 全文は、こちら(bis9809c.lzh 48KB [MS-Word])から入手できます。


プレス・ステートメント

バーゼル委員会が「銀行組織における内部管理体制のフレームワーク」を公表

 銀行による健全なリスク管理の実践を促進するための継続的な作業の一環として、本日、バーゼル銀行監督委員会は、銀行における内部管理体制のフレームワークに関するペーパーを公表した。本ペーパーでは、健全な内部管理体制に不可欠な13の原則が定められており、以下の内容を網羅している。

  • 経営陣による監視と管理重視の企業風土
  • リスクの認識および評価
  • 管理業務と職責の分離
  • 情報とコミュニケーション
  • モニタリング業務と問題点の是正
  • 監督当局による内部管理体制の評価

当諸原則は、広く一般的に適用されることを意図したものであり、バーゼル委員会は、各国の監督当局が銀行の内部管理体制の構築方法をモニタリングするための自らの監督手続きを評価する際、当諸原則を活用するよう推奨する。

 バーゼル委員会議長であるニューヨーク連邦準備銀行総裁William J. McDonough氏は、「バーゼル委員会は、世界中の銀行にとって、内部管理の欠陥が重大な問題や多額の損失の原因になり続けることを踏まえ、銀行の内部管理の強化方法に焦点を当ててきた。このフレームワークは、内部管理手続きを強化する上で、銀行と銀行監督当局双方の手助けとなることを意図したものである」と述べている。

 当ガイダンスを作成したのは、バーゼル委員会のリスク管理小委員会であり、連邦準備制度理事会のアソシエイト・ディレクターであるRoger Cole氏およびニューヨーク連邦準備銀行のシニア・ヴァイス・プレジデントであるChristine Cumming女史が同小委の共同議長を務めている。本ペーパーは、1998年1月に市中協議に付すため公表された後、今回、各国の銀行監督当局および銀行業界からのコメントが織り込まれたものである。

 Cole氏は、個々の監督当局による実際のアプローチは、オンサイトおよびオフサイトにおける監督手法等の様々な要素に依存することを認めつつも、「これらの原則は内部管理体制における重要な構成要素をカバーしており、銀行監督当局が個々の銀行組織における内部管理体制の適正性および有効性を評価するうえで利用すべきである」と述べている。また、同氏は、過去にいくつかの主要な銀行組織において生じた問題を分析した結果、もし銀行が有効な内部管理体制を維持していれば、そうした問題は回避できたかもしれないことが判明したと述べ、「諸原則の作成に当たり、委員会は、個々のメンバー国における問題銀行の事例から得られた教訓を参考にした」と強調している。

 本ペーパーの公表は、有効な銀行監督および健全な銀行制度を促進するというバーゼル委員会の作業の一環である。ここにおけるガイダンスは、各国における有効な監督体制に必要な最低基準を示したバーゼル・コア・プリンシプル(1997年9月バーゼル委員会公表)を補完するものである。

 さらに、McDonough議長は、「本ペーパーは、脆弱な内部管理体制による個別銀行の苦痛を伴う経験から得られた教訓の集大成である。私は、本ペーパーの諸原則は、世界中の銀行および監督当局が内部管理基準を改善し、管理の不備に伴う問題を削減する上で役立つであろうことを確信している」と付言している。


バーゼル銀行監督委員会(The Basle Committee on Banking Supervision)
 バーゼル銀行監督委員会は、1975年にG10諸国の中央銀行総裁会議により設立された銀行監督当局の委員会である。同委員会は、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ルクセンブルグ、オランダ、スェーデン、スイス、英国および米国の銀行監督当局ならびに中央銀行の上席代表により構成される。現在の議長は、ニューヨーク連邦準備銀行のWilliam J. McDonough総裁である。委員会は通常、常設事務局が設けられているバーゼルの国際決済銀行(BIS)において開催される。

リスク管理小委員会(The Risk Management Sub-group)
 リスク管理小委員会は、リスク管理と内部管理の幅広い分野における、銀行監督者向けのガイダンスの作成や、銀行業界における健全な業務促進を目的として、1996年にバーゼル銀行監督委員会により設立された。同小委は、問題を認識し、ガイダンスを作成することで、こうした使命を遂行している。また、同小委の作業は、適宜、銀行監督者だけでなく銀行業界の健全なプラクティスとして位置付けられる。同小委は、バーゼル委員会のメンバーにおけるリスク管理および内部管理に関する監督上の専門家により構成されている。同小委の共同議長を務めるのは、米国連邦準備制度理事会のアソシエイト・ディレクターであるRoger Cole氏と、ニューヨーク連邦準備銀行のシニア・ヴァイス・プレジデントであるChristine Cumming女史である。

内部管理(Internal controls)
 有効な内部管理体制は、銀行経営にとって、必須の要素であり、また銀行組織の安全かつ健全な業務のための基盤となるものである。本ペーパーで、内部管理とは、銀行の取締役会、上級管理職および全ての行員によって実行されるプロセスであると説明されている。つまり、内部管理とは、単にある時点において実行される手続きや方針ではなく、むしろ、銀行のあらゆるレベルにおいて継続的に運営されるものである。取締役会および上級管理職は、有効な内部管理プロセスを機能させる適切な企業風土を確立し、その有効性を継続的にモニタリングする責任を担っている。但し、銀行内の全ての職員はこのプロセスに関与しなければならない。

内部管理に関するガイダンス(Internal control recommendations)
 当ガイダンスは、銀行および連結ベースでの銀行グループ全体のオンおよびオフバランスの業務に関する内部管理を評価する際に、バーゼル委員会が推奨する監督当局向けのフレームワークをまとめている。本ペーパーでは、健全な内部管理体制に不可欠な13の原則が定められており、以下の内容を網羅している。

  • 経営陣による監視と管理重視の企業風土
  • リスクの認識および評価
  • 管理業務と職責の分離
  • 情報とコミュニケーション
  • モニタリング業務と問題点の是正
  • 監督当局による内部管理体制の評価

本レポートは誰にとって有用なものか?(To whom is the report useful?)
 本稿は、銀行にとって、銀行監督者が銀行の内部管理体制について要求する内容を示したものとして役立つであろう。また、銀行監督者は、個別の銀行組織の内部管理体制の適正性と有効性を評価するうえで、当諸原則を利用することが可能である。他の国際的な機関で、内部管理に関して協議している先にとっても、本稿は有用であろう。

本レポートの全文をどこで入手できるか?(Where can I obtain the full report?)
 「銀行組織における内部管理体制のフレームワーク」のテキストは、9月22日の英国標準時の12時(正午)より、インターネット上のBIS Web Siteのhttp://www.bis.orgから入手することができる。また、バーゼル委員会の事務局やバーゼル委員会のメンバーである銀行監督当局および中央銀行からも入手可能である。


目 次


はじめに

I. 背景

II. 内部管理のフレームワークの目的と役割

III. 内部管理プロセスの主な要素

A. 経営陣による監視と管理重視の企業風土 1. 取締役会 2. 上級管理職 3. 管理重視の企業風土


B. リスクの認識および評価

C. 管理業務と職責の分離

D. 情報とコミュニケーション

E. モニタリング業務と問題点の是正

IV. 監督当局による内部管理体制の評価

V. 外部監査人の役割と責任

補論I. 参考文献

補論II. 内部管理の不備事例から得られた監督上の教訓


ページ先頭に戻る