日本銀行本店

「代理店の設置等に関する基本要領」の制定について

2000年 6月30日
日本銀行




 日本銀行では、本日開催した政策委員会において、国庫金を取扱う代理店の設置等の基準を定めた「代理店の設置等に関する基本要領」を別紙のとおり制定し、平成12年8月1日から実施する決定を行いましたので、お知らせします。


以 上

本件に関する照会先
   日本銀行業務局総務課
    水 上 03−3277−2502(直通)
    小 室 03−3279−1111(内線 6078)






別 紙

「代理店の設置等に関する基本要領」

1.趣旨

 この基本要領は、日本銀行業務方法書(以下「業務方法書」という。)第27条に規定する代理店および業務方法書第28条に規定する歳入代理店の設置ならびに業務方法書第30条に規定する歳入金等の受入れの事務の復託の許諾に関する基本的事項を定めるものとする。


2.代理店の設置基準

 代理店は、次の条件をすべて満たす金融機関(日本銀行法(平成9年法律第89号)第37条第1項に規定する金融機関をいう。以下同じ。)の店舗に設置する。

(1)代理店の事務の委任を受ける金融機関が、次の条件をすべて満たすこと。

イ、  歳入代理店の事務を取扱う金融機関であって、代理店の事務の取扱いを希望する旨申出ていること。

ロ、  歳入代理店の事務の取扱状況が良好であると認められること。

ハ、  当該金融機関に適用される法令に基づいて算出された連結および単体自己資本比率(ただし、外国銀行については、その母国において「自己資本の測定と基準に関する国際的統一化」(1988年7月バーゼル銀行監督委員会)に基づき定められた規制により算出された自己資本比率とする。以下同じ。)が、イ、の申出の直前の決算期末(中間決算期末を含む。以下同じ。)において、国際統一基準適用先(外国銀行を含む。)にあっては8%以上、国内基準適用先にあっては4%以上であること。また、国際統一基準適用先または国内基準適用先の何れにも該当しない先は、業務内容等に照らし、自己資本の充実の状況が適当であると認められること。

ニ、  当該金融機関の経営の内容(直前の決算期末以降の状況変化を含む。)に照らして、上記ハ、の自己資本比率の維持が困難と認められる事情がないこと。

ホ、  事務水準および事務処理体制に問題がないこと。

へ、  法令違反がないなど業務の内容に問題がないこと。

(2)代理店の事務の取扱いを希望する店舗において同事務を正確かつ迅速に処理し得ると認められること。

(3)代理店の事務の取扱いを希望する店舗の立地状況ならびに予想される取引官庁数および代理店の事務の取扱量に照らし、当該店舗に代理店を設置することが国民および官庁の利便に資すると認められること。


3.歳入代理店の設置基準

 歳入代理店は、次の条件をすべて満たす金融機関の店舗に設置する。

(1)歳入代理店の事務の委任を受ける金融機関が、次の条件をすべて満たすこと。

イ、  日本銀行の当座預金取引の相手方であって、歳入代理店の事務の取扱いを希望する旨申出ていること。

ロ、  当該金融機関に適用される法令に基づいて算出された連結および単体自己資本比率が、イ、の申出の直前の決算期末において、国際統一基準適用先(外国銀行を含む。)にあっては8%以上、国内基準適用先にあっては4%以上であること。また、国際統一基準適用先または国内基準適用先の何れにも該当しない先は、業務内容等に照らし、自己資本の充実の状況が適当であると認められること。

ハ、  当該金融機関の経営の内容(直前の決算期末以降の状況変化を含む。)に照らして、上記ロ、の自己資本比率の維持が困難と認められる事情がないこと。

ニ、  事務水準および事務処理体制に問題がないこと。

ホ、  法令違反がないなど業務の内容に問題がないこと。

へ、  当該金融機関に歳入代理店の事務を新たに委任する場合には、その金融機関において予想される歳入代理店事務の取扱量に照らし、当該金融機関に歳入代理店の事務を取扱わせることが効率的な国庫金事務の取扱いの観点から問題ないと認められること。

(2)歳入代理店の事務の取扱いを希望する店舗において同事務を正確かつ迅速に処理し得ると認められること。

(3)歳入代理店の事務の取扱いを希望する店舗の立地状況および予想される歳入代理店事務の取扱量に照らし、当該店舗に歳入代理店を設置することが国民の利便に資すると認められること。


4.歳入金等の受入れの事務の復託許諾基準

 歳入金等の受入れの事務の復託の許諾は、次の条件をすべて満たす復託について行う。

(1)復託を受ける金融機関が、次の条件をすべて満たすこと。

イ、  「日本銀行の当座預金取引、手形貸付取引または手形割引取引の相手方に関する選定基準」2.柱書に規定する日本銀行の当座預金取引の相手方の当面の具体的な範囲に含まれない金融機関(ただし、すでに当座預金取引の相手方となっている金融機関を除く。)であること。

ロ、  当該金融機関に適用される法令に基づいて算出された連結および単体自己資本比率が、復託の申出の直前の決算期末において4%以上であること。

ハ、  当該金融機関の経営の内容(直前の決算期末以降の状況変化を含む。)に照らして、上記ロ、の自己資本比率の維持が困難と認められる事情がないこと。

ニ、  事務水準および事務処理体制に問題がないこと。

ホ、  法令違反がないなど業務の内容に問題がないこと。

へ、  当該金融機関への復託を新たに許諾する場合には、その金融機関において予想される歳入金等の受入れの事務の取扱量に照らし、当該金融機関に歳入金等の受入れの事務を取扱わせることが効率的な国庫金事務の取扱いの観点から問題ないと認められること。

(2)復託を受ける金融機関の店舗が、次の条件をすべて満たすこと。

イ、  当該店舗において歳入金等の受入れの事務を正確かつ迅速に処理し得ると認められること。

ロ、  当該店舗の立地状況および予想される歳入金等の受入れの事務の取扱量に照らし、当該店舗において歳入金等の受入れの事務を取扱うことが国民の利便に資すると認められること。

(3)歳入金等の受入れの事務を復託する金融機関が、次の条件をすべて満たすこと。

イ、  歳入金等の受入れの事務の復託を希望する旨申出ていること。

ロ、  歳入代理店の事務の取扱状況が良好であると認められること。

ハ、  復託を受ける金融機関の事務を指導し、かつ、その金融機関の業務および経営の内容を把握し得ること。

ニ、  歳入金等の受入れの事務を復託することに伴って生ずる復託を受ける金融機関についての信用リスクを適切に管理し、復託を行うことにより自己の経営に過大な影響を及ぼす惧れがないこと。


5.設置または許諾の時期

 代理店および歳入代理店の設置ならびに歳入金等の受入れの事務の復託の許諾は、原則として年2回行うこととする。


6.設置または許諾店舗の制限

 代理店もしくは歳入代理店の事務を新たに委任する金融機関または歳入金等の受入れの事務の復託を新たに許諾する金融機関に対し、当初設置する代理店もしくは歳入代理店の店舗数または許諾する店舗数は1か店とする。


7.合併または営業もしくは事業の譲渡の取扱い

 代理店もしくは歳入代理店の事務を取扱う金融機関または歳入金等の受入れの事務の復託を受けて同事務を取扱う金融機関(以下「代理店等金融機関」という。)が合併により解散し、または営業もしくは事業を譲渡する場合であって、合併に伴い存続もしくは新設される金融機関または営業もしくは事業の譲渡を受ける金融機関(以下「存続等金融機関」という。)が、当該代理店等金融機関の店舗において、代理店もしくは歳入代理店の事務または代理店等金融機関が復託を受けた歳入金等の受入れの事務(以下「代理店等事務」という。)の取扱いを希望するときは、存続等金融機関が行うその店舗における代理店等事務の取扱いが、当該代理店等金融機関による代理店等事務の取扱いの継続と同視できると認められる場合に限り、上記2.から4.までの基準を満たしているものとして取扱い、上記6.については適用しないものとする。


以 上






(参考)国庫金を取扱う日本銀行の代理店について


1.代理店の種類と事務内容

  •  日本銀行は、わが国の中央銀行として、国税の受入や年金の支払など、国の資金の受払の事務(国庫金の出納事務)を取り扱っています。
     国庫金の出納は件数が膨大なうえ、多数の関係者が全国に分散しているため、日本銀行本店および支店(34か店)でこれを取り扱うだけでなく、国民および官庁の利便を図り、あわせて国庫金の出納事務の円滑な運営を期する目的から、日本銀行は、全国の民間金融機関の店舗に代理店を設置し、国庫金の出納事務を委任しています。
  •  国庫金を取扱う代理店は次のとおりです。
 (1)一般代理店
   国庫金の受入・支払や政府有価証券の取扱いのほか、国債の元利金の支払など広範な事務を取扱う代理店で、その事務内容・機能は日本銀行の支店におけるものとほぼ同様です。日本銀行の当座預金取引先金融機関に委嘱します(現在全国に588か店)。

 (2)歳入代理店
   国庫金の受入のみを専門に取扱う代理店です。日本銀行の当座預金取引先金融機関に委嘱します(現在全国に22,936か店)。

 (3)歳入復代理店
   (2)の歳入代理店事務を取扱う金融機関(復託元)から復託を受けて国庫金の受入れの事務を取扱う代理店です。日本銀行の当座預金取引先の当面の具体的な選定範囲に含まれない金融機関について復託を許諾します(現在全国に562か店)。


2.代理店の設置等に係る諸手続

  •  代理店の設置等に当っては、金融機関から代理店事務の取扱いを希望する旨の申出(歳入復代理店の場合は、歳入代理店事務の復託を希望する旨の申出)を受け、今回制定・公表した「代理店の設置等に関する基本要領」に定める基準を満たすと判断した場合、日本銀行は大蔵省令に基づき大蔵大臣への認可申請を行います。
     大蔵大臣の認可を受けたときには、日本銀行は当該金融機関との間で代理店事務の委任に関する契約(歳入復代理店の場合は、復託の許諾に関する契約)を締結したうえ、個別店舗に代理店を設置します。
  •  なお、代理店の設置等は、原則として年2回(直近の本決算ないし中間決算の内容をベースに審査)とし、特に必要があるときは随時行います。

3.代理店設置基準の概要

  •  代理店の仕事として、国民から受入れた国庫金を確実に日本銀行へ払込むこと、および国庫金の受入を記録した書類を正しく整理し日本銀行および官庁に提出することが必須です。
     このため、日本銀行では、代理店の設置等に当り、代理店事務の取扱いを希望する金融機関およびその店舗について、適切な設置基準を定めて選定事務を行うことにより、日本銀行資産の保全や国庫金事務の適正かつ効率的な運営に努めることとしています。
     そうした設置基準について取りまとめたものが、今回制定・公表した「代理店の設置等に関する基本要領」です。
  •  要領に定める設置基準について、各種の代理店に共通する基本要件と、代理店の種類別に特有な付加要件とに分けて整理すると、次のとおりです。

     まず、各種の代理店に共通する基本要件として、
イ、  代理店事務の取扱いを希望する金融機関について、経営の内容に問題がないこと(自己資本の充実度により判断)、ならびに事務水準、事務処理体制および業務の内容に問題がないこと、を定め、更に、

ロ、  具体的な代理店を設置する店舗について、正確かつ迅速な事務処理が可能であるほか、立地状況や予想事務量等に照らし、官庁や国民の利便に資すること、

   を定めています。

    次に、代理店の種類別に特有な付加要件として、

イ、  一般代理店について、複雑・高度な事務取扱いに対応し得る能力を備えていること(歳入代理店事務の取扱い状況により判断)、

ロ、  歳入代理店および歳入復代理店について、効率的な国庫金事務の取扱いの観点から、ある程度の取扱事務量が見込める金融機関の店舗であること、

ハ、  歳入復代理店について、復託元が歳入復代理店についてのリスクを適切に管理し得ること、

   などを定めています。

以 上

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