公表資料・広報活動

ホーム > 公表資料・広報活動 > 公表資料 > 公表資料 2001年 > 金融市場調節方式の変更と一段の金融緩和措置について

金融市場調節方式の変更と一段の金融緩和措置について

2001年3月19日
日本銀行

  1. 日本経済の状況をみると、昨年末以降、海外経済の急激な減速の影響などから景気回復テンポが鈍化し、このところ足踏み状態となっている。物価は弱含みの動きを続けており、今後、需要の弱さを反映した物価低下圧力が強まる懸念がある。
  2. 顧みると、わが国では、過去10年間にわたり、金融・財政の両面から大規模な政策対応が採られてきた。財政面からは、度重なる景気支援策が講じられた一方、日本銀行は、内外の中央銀行の歴史に例のない低金利政策を継続し、潤沢な資金供給を行ってきた。それにもかかわらず、日本経済は持続的な成長軌道に復するに至らず、ここにきて、再び経済情勢の悪化に見舞われるという困難な局面に立ち至った。
  3. こうした状況に鑑み、日本銀行は、通常では行われないような、思いきった金融緩和に踏み切ることが必要と判断し、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下の措置を講ずることを決定した。
    1. (1)金融市場調節の操作目標の変更
      金融市場調節に当たり、主たる操作目標を、これまでの無担保コールレート(オーバーナイト物)から、日本銀行当座預金残高に変更する。この結果、無担保コールレート(オーバーナイト物)の変動は、日本銀行による潤沢な資金供給と補完貸付制度による金利上限のもとで、市場に委ねられることになる。
    2. (2)実施期間の目処として消費者物価を採用
      新しい金融市場調節方式は、消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで、継続することとする。
    3. (3)日本銀行当座預金残高の増額と市場金利の一段の低下
      当面、日本銀行当座預金残高を、5兆円程度に増額する(最近の残高4兆円強から1兆円程度積み増し<別添>)。この結果、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、これまでの誘導目標である0.15%からさらに大きく低下し、通常はゼロ%近辺で推移するものと予想される。
    4. (4)長期国債の買い入れ増額
      日本銀行当座預金を円滑に供給するうえで必要と判断される場合には、現在、月4千億円ペースで行っている長期国債の買い入れを増額する。ただし、日本銀行が保有する長期国債の残高(支配玉<現先売買を調整した実質保有分>ベース)は、銀行券発行残高を上限とする。
  4. 上記措置は、日本銀行として、物価が継続的に下落することを防止し、持続的な経済成長のための基盤を整備する観点から、断固たる決意をもって実施に踏み切るものである。
  5. 今回の措置が持つ金融緩和効果が十分に発揮され、そのことを通じて日本経済の持続的な成長軌道への復帰が実現されるためには、不良債権問題の解決を始め、金融システム面や経済・産業面での構造改革の進展が不可欠の条件である。もとより、構造改革は痛みの伴うプロセスであるが、そうした痛みを乗り越えて改革を進めない限り、生産性の向上と持続的な経済成長の確保は期し難い。日本銀行としては、構造改革に向けた国民の明確な意思と政府の強力なリーダーシップの下で、各方面における抜本的な取り組みが速やかに進展することを強く期待している。

以上

別添

平成13年3月19日
日本銀行

当面の金融政策運営について

日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(賛成多数)。

日本銀行当座預金残高が5兆円程度となるよう金融市場調節を行う。

なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。

以上

参考

開催時間
9:01 ~ 17:27
出席委員
議長 速水 優(総裁)
藤原 作弥(副総裁)(注)
山口 泰 (副総裁)
武富 将 (審議委員)
三木 利夫(審議委員)
中原 伸之(審議委員)
篠塚 英子(審議委員)
植田 和男(審議委員)
田谷 禎三(審議委員)
  • 藤原委員は、国会出席のため、9:27~10:55の間、会議を欠席した。

上記のほか、
村上誠一郎財務副大臣( 9:01~)
岩田一政内閣府政策統括官(経済財政−景気判断・政策分析担当)( 9:01~12:12)
坂井隆憲内閣府副大臣(13:01~)
が出席。

金融経済月報の公表日時
2001年 3月21日(水)14:00
議事要旨の公表日時
2001年 5月 1日(火)14:00

以上