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【参考2】新しい金融調節方式Q&A

2001年3月19日
日本銀行

  • 問1:日本銀行当座預金を金融調節の主たる操作目標とするとはどういうことですか。
  • 答 :日本銀行は、これまで、政策委員会・金融政策決定会合でコールレートの誘導目標を決定し、それを達成するように、債券や手形の売買(オペレーション)を行ってきました。今後は、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで、日本銀行当座預金という「資金量」の目標を金融政策決定会合で決定し、オペレーションを通じてそれを実現するよう努めることとなります。
  • 問2:市場金利はどのようになりますか。
  • 答 :これまで、日本銀行当座預金4兆円程度のもとで、コールレートは0.15%前後で推移していました。この資金量を、当面、5兆円程度に増やすのですから、コールレートはゼロ%近辺まで低下する日が多くなると考えられます。また、こうした方法が「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで継続する」こととなるので、より長めの金利を低下させる効果もあると考えられます(いわゆる時間軸効果)。
  • 問3:「ゼロ金利政策」に戻ったということですか。
  • 答 :「ゼロ金利政策」は、コールレートをゼロ%近辺に固定するように資金量を調節する政策でしたが、新しい金融調節方式は、資金供給量を主たる操作目標とし、コールレートの変動は市場に委ねる政策です。上述したとおり、「日本銀行当座預金5兆円程度」のもとでは、コールレートがゼロ%近辺となる日が多くなると予想されますが、資金需給が逼迫する際にはある程度上昇したり、信用リスクの差が金利に反映される余地も広がります。いわば、市場メカニズムをできるだけ損なわないように配慮しつつ、「ゼロ金利政策」の有する金融緩和効果を実現することを狙った政策です。
  • 問4:コールレートの変動は大きくなるのですか。
  • 答 :本年2月に導入を決定した「ロンバート型貸出制度」により、公定歩合(0.25%)がコールレートの上限を画することになるので、それ以上にコールレートが上昇することはありません。
  • 問5:マネタリーベースを操作目標としないのはなぜですか。
  • 答 :マネタリーベースは、日本銀行当座預金と現金から構成されていますが、このうち9割を占める現金の発行量は家計や企業のニーズで決まってくるもので、日本銀行が短期的にコントロールすることは困難です。一方、日本銀行当座預金であれば、日本銀行が日々のオペレーションを通じて、ある程度コントロールすることが可能です。なお、最近の銀行券の伸び(前年比6%)を前提とすると、日本銀行当座預金を5兆円程度に増やすことにより、マネタリーベースの前年比伸び率は、最近の約3%(2月)から、半年後には7%程度に高まるものと見込まれます。
  • 問6:日本銀行はこれまで、長期国債買い切りオペの増額に反対してきたのではないですか。
  • 答 :今回、新しい金融調節方式の実施にあたり、長期国債買い切りオペを増額するのは、あくまで、資金供給オペの未達(いわゆる「札割れ」)が多発するケースなど、所要の資金供給を円滑に実施するうえで必要と判断される場合です。したがって、今後も、国債価格の買い支えや財政ファイナンスを目的として長期国債買い切りオペを増やすということは考えていません。このような趣旨を明らかにするため、今回、これまでの「長期国債買い切りオペは銀行券に対応させる」という考え方を守り、銀行券発行残高を長期国債保有残高の上限とする明確な歯止めも用意しました。
  • 問7:インフレーション・ターゲティングを採用したということですか。
  • 答 :通常、インフレーション・ターゲティングと呼ばれる手法は、(1)中長期的に望ましい物価上昇率を目標として設定し、(2)先行きの物価上昇率が望ましい物価上昇率から乖離すると予想される場合に政策変更を行う、という方法です。日本銀行は、現在の日本では、中長期的に望ましい物価上昇率を数値で示すことは難しいと考えており、インフレーション・ターゲティングについては、引き続き検討事項として位置付けています。今回の措置は、あくまで、通常は行われないような政策を、現実の消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで続けることをコミットしたものです。その意味で、いわゆるインフレーション・ターゲティングではありませんが、物価が継続的に下落することを防止し、持続的な経済成長のための基盤を整備するという日本銀行の断固たる決意を示したものです。