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EMEAPメンバー中央銀行によるアジア・ボンド・ファンド2の開始について

2004年12月16日
EMEAP

日本銀行仮訳

EMEAPプレス・ステートメント

 EMEAP1Executives' Meeting of East-Asia and Pacific Central Banks)(外部サイトへのリンク)メンバー中央銀行は、アジア・ボンド・ファンド・イニシアティブの第二段階(Asian Bond Fund Initiative、以下ABF2)の開始を発表する。2003年6月に創設されたアジア・ボンド・ファンドの第一段階(ABF1)は、EMEAP地域(日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く8ヶ国・地域)の米ドル建てソブリンおよび準ソブリン債を投資対象としたが、その成功に続いてABF2は、同地域における現地通貨建てのソブリンおよび準ソブリン債に投資を行う。

  1. 正式名称は、東アジア・オセアニア中央銀行役員会議。オーストラリア、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイの11ヶ国・地域の中央銀行・通貨当局から構成される。

ABF2の開始は、アジア・オセアニア地域の中央銀行間協力の歴史に残る一里塚を築くものである。EMEAPは、ABF2がアジアにおける債券市場の発展のために、大きな恩恵をもたらすものと確信している。ABF2は、新しいプロダクトの創出を促進し、市場インフラの整備に貢献し、規制のハードルを低くするといった面で触媒的な役割を果たすことで、各国内および域内の債券市場を拡大・深化させ、長期的には、アジアにおけるより効率的な資金仲介の実現に繋がるであろう。

2004年4月に公表した通り、ABF2は、二つのコンポーネント、すなわち、汎アジア債券インデックス・ファンド(Pan-Asian Bond Index Fund、PAIF)およびファンド・オブ・ファンズ(Fund of Bond Funds、FoBF)から構成される。PAIFは、EMEAP8ヶ国・地域の現地通貨建てソブリン債および準ソブリン債に投資する単独の債券ファンドである。FoBFは、親ファンドが、EMEAP8ヶ国・地域に設立された8つのサブファンド(それぞれの現地通貨建てソブリン債および準ソブリン債で運用)に投資する二重構造を採る。PAIFおよび8つのサブファンドは、民間セクターのファンドマネージャーにより、各々、汎アジア債券インデックスおよびEMEAP8ヶ国・地域それぞれのローカル債券インデックスに対し、パッシブに運用される。(ABF2の全体構造はAnnex I、PAIFおよびFoBFサブファンドの概要はAnnex IIを参照。)

EMEAPメンバー中央銀行のABF2への投資は、約20億米ドルとする方針であり、うち半分はPAIFに、残りの半分はFoBFに配分される予定である。EMEAPはABF2への投資規模を決定するうえで、民間セクターの投資家をクラウド・アウトするほど大規模にはならないよう、かつABF2の開始に向けた基盤を整えるうえで、小規模過ぎて規模の経済の利益が享受できないことがないように十分に考慮した。

第1フェーズでは、PAIFおよび8つのサブファンドへの投資は、EMEAPメンバー中央銀行のみに限定される。しかし、第2フェーズにおいて、これらのファンドは他の投資家に対しても開放される。関係当局の承認が前提となるが、PAIFは、シンガポールで登録され、当初香港で上場される予定である。PAIFの香港以外での上場は、各国の市場整備状況および香港での上場の経験を踏まえて決定される。8つのサブファンドは、それぞれの国で登録され、準備が整った国から、適当であれば上場される予定である。

ABF2は、パッシブ運用の債券ファンドという、革新的で低コストかつ効率的な商品を提供することにより、アジアにおける債券に対する投資家の認知度を向上させることに貢献するものである。更に、ABF2は、域内全体および各国のレベルで、市場・規制改革を加速させることで、域内の潜在的な発行体および投資家に利益をもたらしている。例えば、EMEAP地域内では、クロスボーダー投資を促進するために、税制や規制等を見直す動きが見られている。また、幾つかの国では、機関投資家と個人投資家の双方をターゲットとした、革新的で低コストな商品である債券ETFを導入できるよう、関連法規の整備が進んでいる。

更にABF2は、透明性、信頼性を備え、複製が容易である債券インデックスを、市場の重要なインフラの一つとしてアジアに導入するうえで、触媒的な役割を果すものである。EMEAPは、International Index Company(旧称iBoxx)と協力して、複数の市場参加者から得られた価格情報を用いることで公平性と信頼性を向上させたインデックスの組成に取り組んでいる。本インデックスの組成ルールは、その詳細が公表される予定であり、民間セクターのファンドマネージャーが、自分達が提供する債券商品のベンチマークとして、それらを容易にそのまま利用したり、カスタマイズすることが出来ることとなる。そして、これらのインデックスを用いたデリバティブ商品の組成も可能となる。

国際決済銀行(BIS、Bank for International Settlements)は、EMEAPによる投資の管理者(Fund Administrator)となる予定である。EMEAPは現在、ファンドマネージャーやカストディアンなど、PAIFおよびサブファンドに関連するサービスの提供者の最終選考を行っている。

以上

ANNEX I

ABF2の構造

Annex II

ABF2概要

汎アジア債券インデックス・ファンド (PAIF)
開始時のファンド規模:
  • 約10億米ドル
ファンド構造:
  • 第1フェーズ:非上場オープンエンド・ファンド
  • 第2フェーズ:上場オープンエンド・ファンド
投資家:
  • 第1フェーズ:EMEAPメンバー 中央銀行のみ
  • 第2フェーズ:EMEAP メンバー中央銀行およびその他の公的・民間セクターの投資家
運用対象:
  • EMEAP8ヶ国・地域(中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)の発行体による現地通貨建てソブリンおよび準ソブリン債
表示通貨:
  • 米ドル
運用スタイル:
  • ベンチマークに定めるインデックスをトラックする形でパッシブ運用
  • ファンドマネージャーは、インデックスを構成する債券や国毎の配分の変更に併せて、定期的にポートフォリオのリバランシングを行う
ベンチマーク・インデックス:
  • 汎アジア債券インデックスは、International Index Company(旧称iBoxx)が提供予定
登録地:
  • シンガポール
上場地:
  • 香港証券取引所(他の証券取引所への上場は、将来検討される予定)
ファンド・オブ・ファンズ (FoBF) サブファンド
開始時のファンド規模:
  • 総額約10億米ドルを8つのサブファンドに配分
第2フェーズにおけるファンドの構造:
  • 中国サブファンド:上場オープンエンド・ファンド(適当と判断されれば)
  • 香港サブファンド:債券ETF
  • インドネシアサブファンド:上場オープンエンド・ファンド(適当と判断されれば)
  • 韓国サブファンド:上場オープンエンド・ファンド、債券ETFの可能性も有り
  • マレーシアサブファンド:上場オープンエンド・ファンド、債券ETFの可能性も有り
  • フィリピンサブファンド:上場オープンエンド・ファンド
  • シンガポールサブファンド:債券ETF
  • タイサブファンド:上場オープンエンド・ファンド、債券ETFの可能性も有り
投資家:
  • 第1フェーズ:EMEAPメンバー中央銀行のみ
  • 第2フェーズ:EMEAPメンバー中央銀行およびその他の公的・民間セクターの投資家
運用対象:
  • EMEAP8ヶ国・地域(中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)の発行体による現地通貨建てソブリンおよび準ソブリン債
表示通貨:
  • サブファンド所在各国の現地通貨
運用スタイル:
  • ベンチマークに定めるインデックスをトラックする形でパッシブ運用
  • ファンドマネージャーは、インデックスを構成する債券の変更に併せて、定期的にポートフォリオのリバランシングを行う
ベンチマーク・インデックス:
  • EMEAP8ヶ国・地域それぞれのインデックスを、International Index Company(旧称 iBoxx)が提供予定
登録地:
  • 各国
上場地:
  • 各国