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金融経済月報(基本的見解1)(1998年 2月)

  1. 本「基本的見解」は、2月13日に開催された政策委員会・金融政策決定会合において、金融政策判断の基礎となる経済及び金融の情勢に関する基本的見解として了承されたものである。

1998年 2月17日
日本銀行

日本銀行から

 以下には、基本的見解の部分を掲載しています。図表を含む全文は、こちら(gp9802.pdf 472KB)から入手できます。


 最近のわが国経済をみると、家計支出を中心とする内需減速の影響が、生産面や雇用・所得面に及んでおり、企業マインドも悪化している。このように、景気は停滞を続けている。

 最終需要面をみると、純輸出が引き続き増加基調にあって経済活動を下支えしているが、これまで増勢を維持してきた設備投資には、このところ頭打ちの様相が窺われる。個人消費については、家計マインドが慎重化していることなどを背景に、低迷が長引いている。また、住宅投資が落ち込んだ状態を続けているほか、公共投資も減少傾向にある。こうした最終需要動向を背景として、在庫調整の動きが本格化しており、鉱工業生産は弱含み基調となっている。この結果、雇用・所得の改善テンポも、鈍化を続けており、生産・所得・支出を巡る前向きの循環は停滞している。

 先行きについては、外需の下支え効果や、家計支出に対する特別減税の好影響などが期待されるが、在庫調整圧力が強まっている中で、最終需要の目立った回復が見込めないことから、今暫くは停滞色の強い展開が続くものとみられる。また、これまでの景気減速によって、わが国経済の追加的なショックに対する耐久力は低下してきているものとみられる。このため、今後、アジア経済の調整がわが国の輸出等に与える影響や、後述するような金融面の動向が実体経済に及ぼす影響などには、十分な注意を払っていく必要がある。

 この間、物価面をみると、財市場における需給の緩和を反映して、卸売物価が軟化しているが、消費者物価は消費税率引き上げ等の制度変更要因を除いても、前年を若干上回る水準で推移しており、全体としては、これまでのところ安定した動きを示している。今後についても当面、物価全般は総じて安定的な推移を辿るとみられるが、国内需給ギャップの縮小を見込みにくい状況の下にあって、アジアにおける需給の緩和などを背景に国際商品市況が下落しており、物価の潜在的な下押し圧力は増してきているものとみられる。

 金融面をみると、短期金融市場では、1月中旬にかけて一旦やや低下したターム物金利が、1月後半には再び上昇するなど、3月期末を控え、流動性リスクや信用リスクに対する市場の懸念が強い状況が続いている。この間、景気対策や金融システム安定化策の具体化等を背景に、株価が反発しているほか、長期国債利回りが幾分上昇し、為替相場も円高方向の動きとなっている。ただ、市場の景況感が明確に改善したとは言い難い。

 民間金融機関貸出やマネーサプライ等の量的金融指標には、全体として大きな変化はみられない。また、株価や円相場の反発、金融システム安定化策への期待等により、金融機関貸出に対する自己資本面からの制約は、一頃に比べれば幾分緩和していると考えられる。しかし、基本的には、金融機関の融資姿勢は引き続き慎重であるほか、企業の資金調達コストは、銀行借入、社債ともに、若干上昇してきている。したがって、金融機関の融資姿勢や直接金融市場の動向、それらの企業金融に与える影響については、引き続き注意深く点検していく必要がある。

以上