金融政策

ホーム > 金融政策 > 金融政策決定会合の運営 > 金融政策決定会合議事要旨 2002年 > 金融政策決定会合議事要旨 (2002年 4月30日開催分)

金融政策決定会合議事要旨

(2002年 4月30日開催分) *

  • 本議事要旨は、日本銀行法第20条第1項に定める「議事の概要を記載した書類」として、2002年6月11、12日開催の政策委員会・金融政策決定会合で承認されたものである。

2002年 6月17日
日本銀行

開催要領

1.開催日時
2002年 4月30日(9:00〜12:57)
2.場所
日本銀行本店
3.出席委員
  • 議長 速水 優 (総裁)
  • 藤原作弥 (副総裁)
  • 山口 泰 (  副総裁  )
  • 植田和男 (審議委員)
  • 田谷禎三 (  審議委員  )
  • 須田美矢子(  審議委員  )
  • 中原 眞 (  審議委員  )
  • 春 英彦 (  審議委員  )
  • 福間年勝 (  審議委員  )
4.政府からの出席者
  • 財務省 谷口 隆義 財務副大臣
  • 内閣府 小林 勇造 内閣府審議官

(執行部からの報告者)

  • 理事松島正之
  • 理事増渕 稔
  • 理事永田俊一
  • 企画室審議役白川方明
  • 企画室参事役雨宮正佳
  • 金融市場局長山本謙三
  • 調査統計局長早川英男
  • 調査統計局企画役門間一夫
  • 国際局長平野英治

(事務局)

  • 政策委員会室長橋本泰久
  • 政策委員会室審議役中山泰男
  • 政策委員会室調査役斧渕裕史
  • 企画室調査役衛藤公洋
  • 企画室調査役長井滋人

I.金融経済情勢等に関する執行部からの報告の概要

1.最近の金融市場調節の運営実績

 金融市場調節については、前回会合(4月10、11日)で決定された方針1にしたがって運営した。

 すなわち、大手行のシステム障害の影響を背景に予備的資金需要が増大したことを踏まえ、「なお書き」にしたがって、「10〜15兆円程度」という当座預金残高目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行った。この結果、当座預金残高は一時22兆円を上回った後、最近では18兆円程度で推移している。こうした調節のもとで、無担保コールレート翌日物(加重平均値)は0.001〜0.002%で安定的に推移した。

  1. 「日本銀行当座預金残高が10〜15兆円程度となるよう金融市場調節を行う。なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。」

2.金融・為替市場動向

 前回会合以降、短期金利は、日本銀行による大量の資金供給を背景に、落ち着いて推移している。

 長期金利は1.4%を挟んだ動きが続いている。株価は、米国株価の軟調にもかかわらず、(1)わが国企業の業績改善期待、(2)海外投資家による日本株買い戻しに関する思惑等を背景に、底固く推移している。

 円の対ドル相場は、月央にかけて一時軟化した後、強含みに転じている。これは、米国株価の不冴えや中東問題の早期解決期待の後退等を背景に、ドルが主要通貨に対して全般的に軟化したことを映じている。

 この間、社債や銀行発行債のクレジット・スプレッド(これらの債券の流通利回りと国債流通利回りの格差)については、国内景気の底入れ期待等を背景に、機関投資家による社債投資が徐々に回復していることを反映して、総じて縮小気味となっている。ただし、低格付債のスプレッドは大きい状態が続いており、信用リスクに対する市場参加者の警戒感は依然根強い。

3.海外金融経済情勢

 米国では、足許における景気回復が明確化する一方で、先行きの回復力については、なお不透明な状況が続いている。本年第1四半期のGDPは高い伸びとなったが、在庫投資による高い寄与を除くと、設備投資が落ち込むなど、最終需要の寄与は前期よりむしろ低下している。

 金融市場では、堅調な経済指標にもかかわらず、企業収益に関する見方は慎重であり、これを映じて、株価は軟調に推移している。また、FF先物金利をみても、年央にかけての利上げ予想は後退しつつある。最近のドル安もこうした市場心理を反映したものとみられる。

 ユーロエリアでは、個人消費など内需面では引き続き弱さが残っているが、米国向け輸出の増加や在庫調整の進捗から、輸出や生産は下げ止まり傾向にある。

 東アジア諸国では、引き続き輸出や生産の持ち直しを示す指標が増加している。中国では、財政支出増大や対内直接投資流入等に伴う内需の好調に加えて、輸出の回復がみられたことから、第1四半期のGDPは伸びを高めた。

4.国内金融経済情勢

(1)実体経済

 輸出は、海外景気の回復の動きが一層はっきりとする中で、米国、アジア向けを中心に増加に転じている。一方、国内では、設備投資の減少が続いており、個人消費についても、指標によってバラツキがあるものの、全体としては引き続き弱めの動きとなっている。公共投資は減少しており、住宅投資も低調に推移している。

 このように、最終需要全体としては弱い状態が続いているが、輸出の増加や在庫調整の進捗を反映して、生産の下げ止まりが明らかになってきている。4、5月の生産の予測指数も高い伸びを示している。この間、設備廃棄の進捗もあり、稼働率が上昇してきている。

 雇用・所得環境をみると、賃金の低下傾向が続くなど、基調としては悪化傾向が続いている。ただし、製造業の新規求人が増加するといった限界的な変化もみられている。

 物価面をみると、国内卸売物価は、輸入物価の上昇や在庫調整の進捗を背景に、下落幅が縮小している。一方、消費者物価(全国・除く生鮮食品)は、前年比1%弱の下落が続いている。今後、賃金の動向が物価に与える影響が注目されるが、これまでのところ、賃金の下落により消費者物価のマイナス幅が拡大している様子は窺われない。

(2)金融環境

 銀行貸出は前年比2%程度の減少が続いている。社債やCPなど市場を通じた資金調達は、前年を上回る水準で推移しているが、伸び率は鈍化している。この間、年度末を越えて発行環境が幾分好転したことを受けて、低格付けCPの発行ウエイトが幾分上昇した。

 量的金融指標の動きをみると、4月のマネタリーベースは、期明け後も日銀当座預金が高水準を維持したことに加え、銀行券も伸びを高めたことから、3月(+32.6%)を上回る伸びとなる見通しである。マネーサプライは、3%台後半の伸びが続いている。

 企業の資金調達コストをみると、CP、社債の発行金利は、4月入り後低下に転じている。一方、一部アンケート調査において、銀行の貸出態度の更なる慎重化や貸出条件の厳格化を示唆する指標が出ている点に留意が必要である。

II.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要

1.景気の現状

 景気の現状について、委員は、(1)輸出の持ち直しと在庫調整の進捗を背景に製造業の活動が下げ止まりつつある一方で、(2)個人消費、設備投資など内需の弱さに大きな変化は出ていないとの認識を概ね共有した。

 まず、米国経済の動向について、多くの委員が、個人消費関連など実体経済指標の堅調が目立つ一方で、(1)株価軟調やドル安といった動きがみられるほか、(2)設備投資の先行指標の改善も遅れていること等を懸念材料として挙げた。

 国内経済のうち、企業部門については、海外経済の回復を背景に、輸出と生産の回復がより明確になったことを殆どの委員が指摘した。一方で、設備投資については、先行指標の落ち込み等からみて、引き続き調整局面にあるとの認識が多くの委員から示された。

 複数の委員が、過剰債務の削減といった構造調整は大企業製造業では進んでいるものの、非製造業と中小企業ではなお途半ばであり、これが景気の自律的回復を制約していることを指摘した。

 ある委員は、中国経済のダイナミズムが日本を含むアジア地域全体に与える影響が高まっており、最近の中国経済の発展は日本の輸出環境という点ではプラスであるが、国内設備投資という面ではマイナスに働く可能性があると述べた。

 家計を取り巻く雇用・所得環境については、何人かの委員が、失業率の低下、新規求人倍率の上昇、短観における雇用判断の持ち直しなど、限界的には労働需給面で改善の動きがみられることに言及した。同時にこれらの委員は、多くの企業では雇用過剰感が強く残存していることや、賃金下落の動きが続いていることも指摘した。このため、雇用・所得環境の改善にはなお時間がかかるとの見方が多く示された。

 個人消費については、引き続き強弱双方の指標が見受けられるものの、全体としては弱含みの動きが続いている、との認識がほぼ共有された。ただし、ある委員は、いくつかの消費者コンフィデンス指標が改善し始めていることを好材料として挙げた。

 物価動向に関しては、多くの委員が、国内卸売物価が前月比で下げ止まり、前年比マイナス幅も縮小し始めていることを指摘した。ただし、こうした動きについては、複数の委員が、原油・為替要因、在庫調整一巡による市況の回復といった短期的なインパクトが強く働いている可能性があり、今後なお見極めが必要であるとの見方を示した。

 何人かの委員は、消費者物価について、前年比1%弱のマイナスが続いているものの、下落幅が拡大していくリスクは小さくなっているとの見方を述べた。その背景としては、(1)これまでのところ、賃金の低下がサービス価格の下落に繋がる動きはみられていないこと、(2)外食料金や衣料価格の下げ止まり、パソコンの値上げなど企業の価格設定行動に変化がみられること、(3)関連調査によれば消費者の物価下落予想が幾分後退していることなどが指摘された。

 ただし、物価全般をめぐる環境については、複数の委員が、経済のグローバル化の影響など供給要因からの物価低下圧力が根強いこと、当面、需要面から物価上昇圧力が高まるとはみられないこと、などの留意点を指摘した。

 金融面の動向については、複数の委員が、4月入り後に社債などのクレジット・スプレッドが幾分縮小する傾向がみられている点に言及した。ただし、これらの委員は、スプレッドの水準自体は引き続き高めであり、投資家は信用リスクに対して慎重な姿勢を維持しているように窺われると付け加えた。

 何人かの委員は、4月の「主要銀行貸出動向アンケート調査」に言及し、利鞘設定などの貸出条件や貸出姿勢が厳格化される方向にあることを指摘した。これらの委員は、こうした動きについて、金融機関が不良債権問題を克服する過程で避けられないものであり、産業の構造調整を加速させるという面があるものの、一方で、国内民需の自律回復を制約するおそれがある点にも言及した。

2.経済・物価の将来展望とリスク評価

 当会合において「経済・物価の将来展望とリスク評価」を決定し、公表することを踏まえ、委員は、本年度(2002年度)から来年度(2003年度)初めにかけての経済・物価の展望や、標準的な見通しに影響を与え得るリスク要因についても、議論を行った。

 まず、先行きの標準的なシナリオとしては、(1)輸出の増加や在庫調整の一巡から生産が回復に転じ、これが製造業を中心とする企業収益の改善や設備投資の持ち直しに繋がっていくものの、(2)雇用・賃金に対する調整圧力が根強くかかり続ける中で、製造業における輸出・生産面での回復が、非製造業や中小企業、さらに家計も含めた経済全体に波及していくには、かなりの時間を要する、(3)このため、景気は今年度下期にかけて下げ止まるものの、自律的な回復力に乏しい展開が続く、との認識が委員の間で概ね共有された。

 こうした実体経済の動向を反映して、物価は、需要・供給両面から低下圧力が働き、なお緩やかな下落傾向が続く、との認識が委員の間で概ね共有された。

 次に、標準的な見通しに対して、下振れないし上振れとなる可能性(リスク要因)について議論が行われた。まず、国内民間需要の回復力について、複数の委員が、内閣府の企業行動に関するアンケート調査の結果を引用しつつ、非製造業は需要の見通しが厳しいうえ、過剰債務の削減も進んでいないことを指摘した。このため、製造業の回復傾向が非製造業に波及していくには時間がかかるとの見方を示した。また、個人消費についても、複数の委員が、企業における労働分配率が引き続き高いことから、賃金・雇用面での調整圧力が今後も作用し続ける可能性が高い点を懸念材料として挙げた。また、ひとりの委員は、家計のセンチメントは株価や金融システムの動向に大きく左右されやすい点を指摘した。これらの議論を踏まえ、何人かの委員は、国内民間需要の回復力に関しては、上振れリスクより下振れリスクの方が大きいのではないかとの認識を示した。

 海外経済の回復力と持続性についても、多くの委員が言及した。ひとりの委員は、米国経済について、生産性の高い伸びが持続している点を好材料として挙げる一方で、バブル的な拡大を数年続けたことの反動が今後表面化するリスクが残ると分析した。別の委員も、堅調な住宅価格が米国の個人消費を支えている点に関連して、日本の過去の経験によれば、不動産価格にバブル崩壊の影響がはっきりと現われるのにはかなりのラグがあったことを指摘した。

 別のある委員は、企業収益が今後の米国経済の回復力を左右する鍵であるとしたうえで、足許の企業収益改善はコスト削減による面が大きく、今後の企業収益の動向には留意が必要であるとの見方を示した。また、この委員を含む複数の委員が、大手エネルギー会社の破綻以降、企業収益に関する会計情報やアナリストなどの分析について市場のコンフィデンスが失われている点を懸念材料として指摘した。

 複数の委員が、米国の経常収支ファイナンスの持続性について問題提起をしたうえで、国際資本フローの動きやそれに伴う為替レートの変化も重要なリスク要因であるとした。また、何人かの委員は、原油価格の動向や中東情勢の展開もリスク要因として言及した。

 不良債権処理の動向とその影響も、多くの委員によってリスク要因として挙げられた。ある委員は、標準シナリオで想定するような回復力に乏しい展開を踏まえると、今後、不良債権の新規発生が減少するかどうか予断を許さないと分析した。別の委員も、銀行の収益力強化とリスク削減方針を背景に企業の淘汰が進み、不良債権が増加する可能性を指摘した。複数の委員は、4月から流動性預金を除いてペイオフ凍結が解除されたなかで、不良債権処理の遅れなどから金融システムへの信認が低下した場合に、金融市場や銀行の信用仲介機能にどのような影響があるか、従来以上に留意する必要があるとした。

 資産価格と長期金利の動向については、ひとりの委員が、足許の金融資本市場は総じて安定的に推移しているが、今後の景気展開や不良債権処理等の帰趨をにらんでの様子見という色彩もあるため、注意は怠れないと述べた。別の委員は、国債の格付け引き下げの動きに触れ、これまでのところは市場はほとんど反応していないが、引き続きその影響については留意していく必要があると述べた。一方、ある委員は、株式市場のプラス材料として、(1)減損会計導入を前に悪材料を前倒しで処理しようとする決算が目立ってきており、こうした先では今後の増益が期待できること、(2)株価の二極化が進む中で、良い先の株は買えば儲かるという成功体験が徐々に投資家に浸透してきている、といった点を挙げた。

 経済構造改革の進展とその影響についても、多くの委員が重要なリスク要因として指摘した。ひとりの委員は、構造改革や不良債権処理の影響、国内民間需要の回復力、資産価格の動向、といった諸リスク要因はいずれも密接に関連したものであるとしたうえで、これらのリスクが顕現化する際には、同時に作用する可能性が高いことを指摘した。

III.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要

 上記のような経済金融情勢の判断を踏まえ、当面の金融政策運営について、委員は、日銀当座預金残高の目標を10〜15兆円程度とする現在の調節方針を維持することが適当との見解を共有した。そのうえで、大手行のシステム障害の影響から当座預金需要が不安定な状態が続くことが予想されるため、当面は「なお書き」を活用することで機動的に資金を供給し、市場の落ち着き具合をみながら、時間をかけて10〜15兆円程度という目標に収めていくべきとの方針についても、概ね意見が一致した。

 ある委員は、こうした「なお書き」による調節を続けること自体に問題はないものの、目標以上に資金を供給している中で、システム障害による資金需要への影響が明らかでなく、市場の不安感台頭を招くおそれがあることから、短期金融市場の実態について適切に説明していくことが重要であると述べた。

 同じ委員は、高水準の当座預金供給を続けている結果、市場参加者間の取引が細るなど、短期金融市場の仲介機能が低下していることに加え、ペイオフ解禁を契機に市場参加者が信用リスクに慎重になることで、当座預金残高が高止まってしまう可能性があるのではないかとの指摘を行った。これに対して、ある委員は、超低金利のもとで市場機能の低下という副作用が発生しているが、同時にそれが量的緩和を可能にしている面もあり、全体としての評価は難しいと述べた。そのうえでこの委員は、そうした副作用が非常に大きな問題になっている訳ではないため、当面は現在の対応を続け、不安定な当座預金需要の推移を見守っていくことが適当であると述べた。

 この間、ひとりの委員は、大手行のシステム障害が収束した後の調節方針について触れ、その場合でも目標レンジのできるだけ上の方を目指す調節を続けるべきであると述べた。その際、必要であれば、適格担保の拡大やオペ手段の見直し等の検討も必要であると指摘した。これに対し別のある委員は、新たな調節手段を検討する際には、その副作用などの問題点も慎重に検討する必要があると述べた。

IV.政府からの出席者の発言

 会合の中では、財務省の出席者から、以下のような趣旨の発言があった。

  •  わが国経済は、輸出と生産が下げ止まってきているなど、景気は底入れに向けた動きがみられ、政府と日本銀行は概ね同様の景気認識を共有しているものと思われる。しかしながら、物価に関しては、本日の「経済・物価の将来展望とリスク評価」の議論でも、今後暫くは下落が続くものと予想されており、依然としてデフレ阻止に向けて大胆な金融政策運営が求められている。
  •  日本銀行におかれては、資金供給について今後とも経済・市場動向や金融情勢を十分注視しつつ、万全の対応をお願いしたい。また、金融政策に当たり更なる工夫を講じること等により、継続的な物価の下落を阻止し物価を安定させていくとともに、経済がデフレ・スパイラルに陥らないよう幅広くご検討頂き、思い切った対応が採られるようお願いしたい。

 内閣府からの出席者からは、以下のような趣旨の発言があった。

  •  政府としては、平成13年度第2次補正予算や平成14年度予算の実施などによる政策効果の発現、米国経済の回復や在庫調整の進展により、わが国経済は今年度後半には引き続き厳しいながらも低迷を脱し、民需中心の回復に向けて緩やかに動きだすことを期待している。
  •  政府としては、経済財政諮問会議等において経済の活性化戦略や税制のあり方等について議論を深め、6月頃を目途に基本方針を取り纏める予定である。デフレ問題への取り組みとしては、金融庁の特別検査の結果公表後も、引き続き不良債権処理の一層の促進とより強固な金融システムの構築に向けた議論を続け、日本銀行と一致協力してデフレ阻止に向けて強い決意で臨むこととしている。
  •  金融政策においては、日本銀行のコミットメントがその効果の発現において重要な役割を果たすことから、日本銀行におかれても、デフレ阻止に向けて引き続き思い切った実効性のある金融政策の検討・実施をお願いしたい。

V.採決

 以上のような議論を踏まえ、会合では、現状の金融市場調節方針を維持することが適当である、との考え方が共有された。

 これを受け、議長から以下の議案が提出された。

議案(議長案)

  次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとおりとし、別添のとおり公表すること。

 日本銀行当座預金残高が10〜15兆円程度となるよう金融市場調節を行う。

 なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。

採決の結果

  • 賛成:速水委員、藤原委員、山口委員、植田委員、田谷委員、須田委員、中原委員、春委員、福間委員
  • 反対:なし

VI.「経済・物価の将来展望とリスク評価」の決定

 次に、「経済・物価の将来展望とリスク評価」の文案が検討され、採決に付された。採決の結果、全員一致で決定され、即日、公表することとされた。

採決の結果

  • 賛成:速水委員、藤原委員、山口委員、植田委員、田谷委員、須田委員、中原委員、春委員、福間委員
  • 反対:なし

VII.議事要旨の承認

 前々回会合(3月19、20日)の議事要旨が全員一致で承認され、5月7日に公表することとされた。

以上


(別添)

平成14年4月30日
日本銀行

当面の金融政策運営について

 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致)。

 日本銀行当座預金残高が10〜15兆円程度となるよう金融市場調節を行う。

 なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。

以上