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金融政策決定会合における主な意見
(2020年12月17、18日開催分)1

2020年12月28日
日本銀行

1.金融経済情勢に関する意見

経済情勢

  • わが国の景気は、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが、持ち直している。
  • わが国経済は、引き続き厳しい状態にあるが、持ち直している。もっとも、感染症拡大の影響などから回復ペースが一段と下押しされるリスクがある。
  • わが国経済は、感染症の影響が続く中で厳しい状態にあるが、全体として改善基調を維持している。もっとも、足もとの感染症拡大から対面型サービス業などで先行き不透明感が強まっており、先行きの動向を慎重に点検する必要がある。
  • 世界経済は、感染症の再拡大により対面型サービス業の業況悪化が懸念される一方、製造業の業況は総じて堅調に持ち直している。足もとの感染再拡大は、世界経済全体に対する大きな下押し圧力というより、国・地域や産業に不均一な影響をもたらしていることに留意する必要がある。
  • 先行きの経済は、改善基調を辿るとみられるが、感染症への警戒感が続くなかで、そのペースは緩やかなものにとどまる。
  • わが国経済は回復途上であり、当面は政策効果が支えとなる。
  • ワクチン開発の明るい話題も聞かれるが、人々に広く行き渡るまでは、感染症が経済に与える影響を巡る不透明感がきわめて高い状況が続く。
  • わが国経済には、先行き、設備投資や雇用の調整圧力が残る中、内外の感染再拡大が公衆衛生措置の強化や家計マインドの悪化を通じて景気下振れにつながるリスクがあり、注意を要する。

物価

  • 消費者物価の前年比は、当面、マイナスで推移したあとは、一時的な下押し要因が剥落し、経済が改善していくもとで、プラスに転じ、徐々に上昇率を高めていく。
  • 消費者物価は、Go Toトラベル事業の影響などもあって、当面はマイナスで推移するものの、特定部門における一時的な価格変動を除いてみると、価格引き下げの動きが拡がっている状況にはない。
  • 先行きの消費者物価は、緩やかに上昇していくとみられるが、感染症による経済の下押しが当面続くことを考えると、2%の実現には、かなりの時間がかかることを覚悟する必要がある。
  • 現段階では、再びデフレ的な状況になっているとは判断していないが、先行き、企業や家計の物価観が改善していくかどうかは全く予断を許さない。
  • 現在の物価は一時的要因でマイナスに転じているが、中長期のインフレ予想も弱含んでおり、デフレ再燃のリスクは相応に残っている。為替をはじめとする金融市場急変のリスクにも引き続き注意が必要である。

2.金融政策運営に関する意見

新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの延長等

  • 3月以降の金融緩和措置は効果を発揮しており、引き続き、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていくことが重要である。
  • 既往の政策対応は所期の効果を発揮しているが、一部業種の先行き不透明感を踏まえると、政府の新たな経済対策が策定されたこの機会にあわせて、資金繰り支援策の延長について、その利便性向上といった内容面の拡充を含め、検討すべきである。
  • これまでのところ企業の倒産や失業の急速な増加は回避されているが、感染再拡大の影響が懸念される中、政府とも歩調を合わせ、企業の資金繰り支援策の期限延長等を検討することが適切である。
  • 感染症の拡大に歯止めがかからず、不確実性が依然として高い状況下、特別プログラム延長の方針をできるだけ早く示すことは、企業経営者を取り巻いている不確実性を一つ取り除くことにもなり、将来の成長に必要なリスクテイクも含めた企業マインドの維持に資する。
  • 新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの期間延長を早めに決定し、企業の先行き不安を和らげることが重要である。

2%を実現するためのより効果的で持続的な金融緩和の点検

  • 感染症の影響もあり、2%の「物価安定の目標」の実現には一層時間がかかる可能性が高い。このため、緩和のさらなる長期化を踏まえ、2%を実現する観点からより効果的で持続的な金融緩和を実施するための点検を行うことが重要である。
  • 今回の点検では、現在の枠組みのもとで実施している政策の運営面に焦点を当てることが適当であり、来年3月会合までの期間を念頭に作業するのが良い。
  • 感染症の抑制と経済活動の両立というウィズ・コロナのもとでの状況を踏まえ、2%の物価安定目標をどのように実現していくかについて、議論を整理していく必要がある。
  • 「物価安定の目標」達成に向けてどのような戦略をとるべきか、改めて総合的に検討することが必要である。
  • 「物価安定の目標」を実現し、デフレに戻らないために、戦略、手段、コミュニケーションを点検すべきである。バブル崩壊以後、日本経済は回復の兆しが見えるたびに頓挫することを何度も繰り返してきた。再びデフレに陥ると、雇用の増加といった経済の前向きの動きは後退し、日本経済が浮上する機会は失われる。デフレに決して戻さないという決意のもとで、点検作業をすべきである。
  • 「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みはうまく機能しているので、これを見直す必要はない。2%の「物価安定の目標」をはじめ、我々がコミットしている点も維持すべきである。
  • 資産買入れを含めた金融緩和策の効果と副作用を点検し、必要に応じて持続性や効果を高める改善を図るべきである。
  • ETFについては、当面積極的な買入れを維持するとともに、金融緩和が長期化する中、財務の安定性にも配意し、市場の状況に応じた柔軟な調整の余地を探るべきである。
  • イールドカーブ・コントロールやETF等の資産買入れについて、柔軟な運営により持続性を高めつつ、起こり得る経済・物価・金融情勢の変化に対して、効果的に対応できるよう備えておくことが必要である。
  • イールドカーブ・コントロールの運営については、国債増発に伴い市中における金利リスク量の増加と需給の緩みが生じ得ることを踏まえる必要がある一方で、イールドカーブの緩やかなペースでのスティープ化は金融緩和の長期化と金融システムの安定の両立の観点から望ましい面もある。こうした中、より丁寧できめ細かなコントロールが必要になっていく。

その他

  • 今後も政府と中央銀行、および主要中央銀行間の情報共有および協力を堅持して、金融市場、金融システムの安定性確保に十分留意しつつ、迅速かつ効果的な政策対応を行うことが重要である。
  • 日本経済が力強い成長軌道に復するためには、コロナ後を見据えた前向きな企業行動を金融面から支援することが重要である。金融政策では、長短金利の引き下げとコミットメントの強化によって対応することが適当である。
  • 成長資金が企業に届くよう、厚みのある社債市場の整備をはじめとした直接金融の強化・整備が重要であり、企業の持続的な成長に向けた活動を後押しすべきである。

3.政府の意見

財務省

  • 日本銀行が、企業金融の円滑確保等に万全を期するとともに、物価安定目標の実現に向けた点検を適切に進めることを期待する。
  • 政府は、今般策定した経済対策の実施のため、第3次補正予算を編成した。また、来年度予算の作業を進めている。10日には、税制改正大綱が与党にて取りまとめられた。
  • 経済対策に基づき、政府は、日本銀行と適切なポリシーミックスの下で緊密に連携する。日本銀行には、適切な金融政策運営を期待する。

内閣府

  • 先般決定した総合経済対策は、実質GDPを3.6%、雇用を60万人下支え・創出する効果があり、速やかな実行により、民需主導の成長を実現する。
  • 今回の特別プログラム等に関する決定は、政府の経済対策に呼応し、企業の資金繰りに万全を期すもので、時宜を得たものと認識している。
  • 日本銀行には、引き続き政府と緊密に連携し、感染症の経済への影響や金融資本市場の動向を十分注視し、適切な金融政策運営を行うことを期待する。

以上


  1. 「金融政策決定会合における主な意見」は、(1)各政策委員および政府出席者が、金融政策決定会合で表明した意見について、発言者自身で一定の文字数以内に要約し、議長である総裁に提出する、(2)議長はこれを自身の責任において項目ごとに編集する、というプロセスで作成したものである。 本文に戻る