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2008年秋以降の金融危機局面において日本銀行が講じた政策

概要

国際金融資本市場の動揺が深刻化した2008年秋以降、日本銀行は、金融政策面や金融システム面において様々な措置を講じた。

金融政策面での措置

まず、金融政策面では、政策金利の引き下げ、金融市場の安定確保、そして企業金融円滑化の支援という3つの柱を中心に、様々な措置を実施した。

  1. 政策金利の引き下げ
  2. 金融市場の安定確保のための措置
  3. 企業金融円滑化の支援のための措置

このうち、「3. 企業金融円滑化の支援のための措置」に含まれる「企業金融に係る金融商品の買入れ」は、個別企業の信用リスクを負担するものであり、中央銀行としては異例の措置であることを踏まえ、基本的な考え方(企業金融に係る金融商品の買入れを行うことについての基本的な考え方 [PDF 147KB])を整理した上で実施した。

2009年10月30日には、危機対応の一環として導入した各種の時限措置に関する扱いを決定した(当面の金融政策運営について [PDF 97KB])。金融市場の安定を確保し、それを通じて企業金融の円滑化を支援していく上では、金融市場の状況変化に即応した、もっとも効果的な金融調節手法を採用することが必要との観点に基づき、担保要件の緩和措置や補完当座預金制度の延長を決定する一方で、CP・社債買入れを予定通り完了することとした。また、企業金融支援特別オペについては、09年度末まで延長した上で完了し、その後はより広範な担保を利用できる共通担保オペ等を用いて潤沢な資金供給を行う態勢に移行することとした。

金融システム安定のための措置

また、金融システムの安定確保を図る観点から、金融機関からの株式の買入れを再開するとともに、金融機関向け劣後特約付貸付の供与を行った。

日本銀行のバランスシートへの影響

上記の各種措置の実施に伴い、日本銀行のバランスシートや担保の金額や構成も影響を受けた。日本銀行のバランスシートにおける主な変化は、日本銀行のバランスシートの変化と担保の受入れ状況で確認することができる。

金融政策面での措置

1. 政策金利の引き下げ

決定日 無担保コールレート
(オーバーナイト物)
誘導目標
基準貸付利率 補完当座預金
制度適用利率
公表文
2007年 2月21日 0.5%前後 0.75% -- [PDF 18KB]
2008年10月31日 0.3%前後 0.5% 0.1% [PDF 194KB]
2008年12月19日 0.1%前後 0.3% 0.1% [PDF 188KB]

2. 金融市場の安定確保のための措置


関連する主な公表文(公表日)
国債補完供給の拡充 2008年 9月16日 [PDF 17KB]
2008年10月14日 [PDF 75KB]
2009年 2月19日 [PDF 94KB]
2010年 8月 2日 [PDF 97KB]
米ドル資金供給オペの導入、拡充
*2010年2月1日をもって完了
導入:2008年 9月18日 [PDF 11KB]
拡充:2008年 9月29日 [PDF 70KB]
拡充:2008年10月14日 [PDF 75KB]
2010年 1月28日 [PDF 50KB]
米ドル資金供給オペの再開 2010年 5月10日 [PDF 59KB]
2010年 5月10日 [PDF 8KB]
国債買現先オペの拡充 2008年10月14日 [PDF 75KB]
補完当座預金制度導入 2008年10月31日 [PDF 194KB]
長期国債買入れの増額 年間16.8兆円ペースに増額:2008年12月19日 [PDF 188KB]
年間21.6兆円ペースに増額:2009年 3月18日 [PDF 121KB]
長期国債買入れ対象の拡大 2008年12月19日 [PDF 188KB]
2009年 1月22日 [PDF 132KB]
長期国債買入れの残存期間別実施 2008年12月19日 [PDF 188KB]
2009年 1月22日 [PDF 132KB]
CP買現先オペ等の対象先への日本政策投資銀行の追加 実施:2008年12月19日 [PDF 188KB]
拡充:2009年 7月15日 [PDF 75KB]
不動産投資法人債等の適格担保 2009年 1月22日 [PDF 61KB]
政府保証付短期債券の適格担保 2009年 2月19日 [PDF 107KB]
公的部門に対する証書貸付債権の適格担保範囲の拡大 2009年 4月 7日 [PDF 108KB]
米国債、英国債、ドイツ国債、フランス国債の適格担保化 2009年 5月22日 [PDF 113KB]
年末越え資金の積極的な供給 2008年10月14日 [PDF 75KB]
年度末越え資金の積極的な供給

3. 企業金融円滑化の支援のための措置


関連する主な公表文 (公表日)
CP買現先オペの積極的活用 2008年10月14日 [PDF 75KB]
資産担保CPの適格担保要件緩和
*2010年末をもって完了
2008年10月14日 [PDF 75KB]
企業金融支援特別オペの導入・拡充
*2010年3月末をもって完了
公表:2008年12月 2日 [PDF 31KB]
導入:2008年12月19日 [PDF 188KB]
拡充:2009年 2月19日 [PDF 65KB]
2009年10月30日 [PDF 97KB]
民間企業債務の適格担保要件緩和
*2010年末をもって完了
2008年12月 2日 [PDF 31KB]
CP等買入れ
*2009年末をもって完了
公表:2008年12月19日 [PDF 188KB]
導入:2009年 1月22日 [PDF 147KB]
2009年10月30日 [PDF 97KB]
社債買入れ
*2009年末をもって完了
公表:2009年 1月22日 [PDF 147KB]
導入:2009年 2月19日 [PDF 88KB]
2009年10月30日 [PDF 97KB]

金融システム安定のための措置

金融機関保有株式買入れ


関連する主な公表文(公表日)
取引所市場における売却の停止 2008年10月14日 [PDF 15KB]
金融機関保有株式買入れの再開
*2010年4月末をもって完了
2009年2月3日 [PDF 244KB]

金融機関向け劣後特約付貸付


関連する主な公表文(公表日)
金融機関向け劣後特約付貸付
*2010年3月末をもって完了
2009年 3月17日
2009年4月10日 [PDF 160KB]
2009年5月8日 [PDF 15KB]

日本銀行のバランスシートの変化と担保の受入れ状況

2008年秋以降、日本銀行は既存のオペレーション手段を通じて積極的な資金供給を続けつつ、新しい資金供給手段を導入、拡充した。それらの動向は、日本銀行のバランスシートの変化に反映されている。日本銀行のバランスシートは、様々な措置の実施に伴い、2008年度末にかけて拡大した。もっとも、バランスシートの拡大・縮小と金融緩和の程度は、必ずしも一対一に対応するものではない。例えば、CP買入れ額の減少が、CP市場の機能改善に伴い、日本銀行に対する売却の必要性が低下することによって生じているような場合、CP買入れ残高の減少は、金融引締めを示唆するものではない。このように、バランスシート全体、あるいは、個別の構成項目の変化については、金融市場の状況とあわせて、総合的に分析・判断していく必要がある。

日本銀行の資産残高をみると、積極的な資金供給に伴い、増加した(図表1)。

資金供給手段ごとの動向をみると、2008年秋以降、国債買現先オペや民間企業債務を活用したオペが、2008年度末にかけて顕著に増加した(図表2)。このうち、民間企業債務を活用したオペの内訳をみると、当初、CP買現先オペが大幅に増加した後、企業金融支援特別オペの導入に伴い同オペの残高が増加した(図表3)。こうした中、2009年入り後に導入されたCP買入れや社債買入れの残高は、2008年度末にかけて増加した(図表4)。また、2008年9月に導入し、その後拡充した米ドル資金供給オペについては、2008年末にかけて残高が増加した後、米ドル資金市場の環境改善を受けて、減少した(図表5)。

なお、日本銀行のバランスシートには現れないが、日本銀行が受け入れている担保も増加した(図表6)。特に、民間企業債務を活用したオペの導入・拡充や、民間企業債務に関する担保適格基準の緩和措置に伴い、企業向け証書貸付債権を中心に、担保として受け入れている民間企業債務が増加した(図表7)。

一方、日本銀行の負債・純資産の動向をみると、積極的な資金供給に伴い、「当座預金」が増加した(図表8)。なお、日本銀行は、米ドル資金供給オペを行う際、ドルの原資を、米国ニューヨーク連銀との為替スワップにより調達している。その際、米ドル資金との交換で、円資金を米国ニューヨーク連銀に提供している。この円資金が、米国ニューヨーク連銀が日本銀行に保有している口座に振り込まれ、「その他預金」として計上される。

関連する統計

バランスシートや担保残高の詳細について

統計名 内容
営業毎旬報告 旬末のバランスシート
日本銀行勘定 毎月末のバランスシート項目の残高
日本銀行が受入れている担保の残高 毎月末時点で受け入れている担保の残高

各種オペレーションの実施額、残高の詳細について

統計名 内容
オペレーション(日時公表分) 日々のオペレーションの実施状況および結果
オペレーション(月時公表分) 月ごとのオペレーションの一覧
マネタリーベースと日本銀行の取引 月ごとの資金供給の内訳とマネタリーベースの変化
日銀当座預金増減要因と金融調節 月ごとの日銀当座預金の変化と金融調節の動き

図表

日本銀行の資産

(図表1)日本銀行の資産内訳の推移
図1

(資料)日本銀行「日本銀行勘定」

短期オペレーション残高

(図表2)短期オペレーション残高
図2

(資料)日本銀行「マネタリーベースと日本銀行の取引」

(図表3)民間企業債務を活用したオペレーション残高
図3

(注) 但し、共通担保資金供給オペについても、民間企業債務を用いて資金供給を受けることができる。民間企業債務の担保としての受け入れについては図表7を参照。
(資料)日本銀行「マネタリーベースと日本銀行の取引」

(図表4)民間企業債務の買入れ残高
図4

(資料)日本銀行「マネタリーベースと日本銀行の取引」

(図表5)米ドル資金供給オペレーション残高
図5

(資料)日本銀行「日銀当座預金増減要因と金融調節(実績)」

日本銀行が受け入れている担保

(図表6)担保受入総額
図6

(注) 「民間企業債務」は、企業金融支援特別オペで利用可能な担保の合計。
(資料)日本銀行「日本銀行が受入れている担保の残高」

(図表7)民間企業債務の担保受入額
図7

(注) CPは、ABCPおよび不動産投資法人CPを除く。
(資料)日本銀行「日本銀行が受入れている担保の残高」

日本銀行の負債・純資産

(図表8)日本銀行の負債・純資産内訳の推移
図8

(資料)日本銀行「日本銀行勘定」

図表のバックデータ

掲載日 内容
2010年12月15日 図表1〜図表8のバックデータ[CSV 14KB]
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