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銀行・信用金庫におけるデジタライゼーションへの対応状況― アンケート調査結果から ―

2019年5月24日
日本銀行金融機構局

要旨

近年、わが国においても、デジタライゼーションの動きが急速に広がりつつある。こうした動きは、金融サービスのあり方や競争環境を大きく変えていく可能性がある。これを受けて、わが国金融機関では、デジタル技術を活用し、新しい顧客サービスの提供や業務改革等を行う動きが本格化してきている。日本銀行では、こうしたデジタライゼーションの現状や課題を把握することを目的に、取引先金融機関のうち銀行・信用金庫378先を対象としたアンケート調査を実施した。本別冊のポイントは、以下の4点である。

第1に、デジタライゼーションの目的や狙いについては、大手行等は新サービス提供等による新規顧客のシェア獲得に積極的な一方、地域金融機関はコスト削減を優先する先が多い。今後、経営資源や技術力の差は、デジタル技術の活用度合い、金融サービス提供力の差につながっていく可能性がある。

第2に、APIによる外部との接続や金融機関内の複数システムの連動、ビッグデータやクラウドサービスの活用等、デジタライゼーションへの取り組みにあたっては、特に地域金融機関で人材・ノウハウの不足とシステム面の制約が強く意識されている。これらは、金融サービス提供力の向上に向けて、顧客データを有効活用していくうえでも課題となっている。

第3に、今後、デジタル技術の実装が進んでいくと、サイバーセキュリティや情報管理の重要性がより増していくとみられ、こうした点を金融機関も強く意識している。

第4に、デジタライゼーション推進に向けた体制整備やガバナンスをみると、投資計画の策定、投資効果の評価、専門人材の育成・確保等の面で課題を抱えている先が多い。特に地域金融機関では、勘定系システムを共同で開発・運営する動きが広がるなか、経営陣の主体的な関与のもとで、中長期的な経営戦略と整合的なかたちでデジタライゼーションのための経営資源を確保し、管理の枠組みや組織・体制を着実に整備していくことが重要である。

日本銀行から

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照会先

金融機構局考査企画課

E-mail : csrbcm@boj.or.jp