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クロスボーダー送金コストの決定要因

2020年7月3日
日本銀行決済機構局

要旨

金融の技術革新は決済サービスの利便性やコスト効率性の改善をもたらしている。クロスボーダー送金においては、より速く、より安く、より透明性が高く、そしてより多くの人々が利用可能なサービスの提供に向けて、銀行やノンバンク決済事業者が競い合いながら改善に努めてきている。こうしたもと、クロスボーダー送金コストは低下していきているが、そのコスト水準は国際社会が目標とするレベルからはまだ大きく乖離しており、クロスボーダー送金の利用者に十分な恩恵が行き届いているとは言えない状況にある。このため、2020年2月に開催されたG20サミットでは、グローバルなクロスボーダー決済の改善をG20の優先事項として取組みを強化していくことを決めた。

クロスボーダー送金のコストの更なる引き下げには、コストの決定要因を的確に把握することが不可欠である。こうした問題意識のもと、本稿は、世界銀行の国際送金のデータベースを用いて、送金コストの定量分析を行った。

本稿の分析によれば、クロスボーダー送金コストは、各国の決済制度や慣行、システム接続上の問題に加え、市場の競争構造に左右され、これらの要因がコストに及ぼす影響度合は国によってまちまちである。日本のクロスボーダー送金市場は、事業者間の競争は激しいが、わが国固有の決済制度やビジネス慣行などに起因する要因がコスト高につながっている可能性が考えられる。

グローバルベースでみると、これまで、送金時間の短縮やアクセスポイントの改善、銀行と送金専門事業者間の競争等が送金コストの低下に寄与してきたが、今後、コストの更なる低下を促していくうえでは、各国が直面している構造要因を特定化し、国際的な協調による課題対応も含めて、適切な解決策を見出していく必要がある。

日本銀行から

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照会先

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