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デジタル時代の金融サービスにおける相互運用性と標準化

2022年3月30日
日本銀行決済機構局

要旨

金融サービス分野では、資金決済、証券決済、デリバティブ取引など、分野全般にわたるデータ交換に用いられるフォーマットの国際標準ISO 20022がある。ISO 20022は、(1)汎用性・柔軟性の高いフォーマットを採用している、(2)フォーマットに加え、その前提となる業務の流れや、データ項目の種類・定義・条件なども標準化対象としている、(3)これらの標準化された内容がデータベースに登録され、ウェブサイトで誰でもアクセスできる、といった特徴を持つ。こうした優れた特徴もあって、2004年の制定以来、欧米主要国の決済システムなど、世界中の幅広い金融サービスにおいてデータ交換の相互運用性を確保するための国際標準として導入されてきている。

この間、近年のデジタル化の進行などを背景に、金融サービス分野においても、(1)金融機能のアンバンドリング化や金融業務のサービス化、(2)金融商品における商品性の多様化、(3)分散型金融の発達、(4)サイバー・フィジカル・システムの潮流、といった相互運用性を巡る環境変化が生じてきている。

こうした環境変化を踏まえると、ISO 20022による標準化がデジタル時代の金融サービスにふさわしい相互運用性を確保する役割を引き続き果たしていくためには、(1)新たな関係者・有識者の標準化活動への参画、(2)金融サービスの機能に着目したフォーマット開発、(3)モデル重視の標準化活動、(4)メタデータの可視化・構造化、といった対応が重要となる。

今回考察したISO 20022は、民間主体が発行するデジタルマネーや中央銀行デジタル通貨(CBDC)などのデジタル通貨の相互運用性にも資する標準である。民間の決済サービス事業者や中央銀行など関係者が協調しながら策定する標準化プロセスにおいても、ISO 20022の標準化活動で蓄積されている様々なノウハウは有用である。

日本銀行から

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照会先

決済機構局決済システム課

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