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対外債務統計の公表について

2003年 8月 8日
日本銀行国際局

 以下には、(はじめに)を掲載しています。全文は、こちら (ron0308b.pdf 50KB) から入手できます。

はじめに

 財務省・日本銀行は、今般新たに対外債務統計(External Debt Statistics)を2003年9月から公表することとした。わが国国際収支関連統計は、国際通貨基金(International Monetary Fund、以下IMF)が定めた『国際収支マニュアル第5版』(Balance of Payments Manual, fifth edition)に準拠して作成されており、統計の公表についてもIMFによる国際基準である、特別データ公表基準(Special Data Dissemination Standard、以下SDDS)1を採用している。対外債務統計の作成・公表は、SDDSに新たに同統計の作成・公表が盛り込まれたことに対応したものである。IMFの『国際収支マニュアル第5版』に準拠して作成する統計としては、国際収支統計(Balance of Payments statistics、フロー統計)、対外資産負債残高(International Investment Position、残高統計)に次ぐ第3の国際収支関連統計ということになる。

 対外債務統計は、一国の対外債務の状況を四半期の頻度で部門別、期間別、借入手段別にブレイクダウンして作成するものであり、残高統計(負債サイド)に比べて、(1)作成頻度・速報性に優れるほか、(2)対外債務負担や流動性などの切り口から、残高統計にない情報も提供するという特長がある。本統計作成の意義は、特に純債務国において大きいといえるが、わが国のような純債権国にとっても、本統計により常時対外債務の状況を把握し、外的ショックに対して脆弱な部分はないかをチェックしていくことは重要と思われる。以下では、本統計の概要や計上方法などを解説し、統計利用者の利便に供することとしたい。

  1. IMFが、国際金融市場から資金を調達する加盟国にとってどのような金融経済統計を公表することが望ましいか、という観点から作成した統計の公表に関するガイドライン。SDDSは、国民経済計算(National Accounts)や国際収支(Balance of Payments)等の18の統計カテゴリーについて、計上範囲、公表頻度および公表時期を定めており(1996年4月発効)、採用するかどうかは各国の自由意志によるが、一旦採用すると遵守する義務を負う。