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わが国金融機関の流動性リスク管理に関するアンケート調査結果

2010年10月14日
日本銀行金融機構局

要旨

本稿は、2010年7月に公表した「国際金融危機を踏まえた金融機関の流動性リスク管理のあり方」の中で示した「流動性リスク管理のチェック・ポイント」に沿って実施したアンケート調査結果を取りまとめたものである。同ペーパーで述べたとおり、わが国金融機関は、今回の国際的な金融危機に際しても深刻な流動性危機を回避することができたものの、流動性ストレス局面での対応力の強化、グローバルな流動性リスク管理体制の充実などの面でなお課題がある。

今般、日本銀行の取引先金融機関512先を対象に幅広くアンケート調査(基準時点:2010年6月末)を実施し、わが国金融機関の流動性リスク管理体制の整備状況を改めて体系的に把握することに努めた。後述するとおり、業態別に流動性リスク管理の整備状況に特徴がみられ、業態によって今後取り組むべき課題が異なることが窺われる。また、各金融機関は、自行・社・庫の流動性リスク管理状況を全体の傾向と比較することにより、リスク管理改善に向けた課題の発見につなげることが期待される。考査やオフサイト・モニタリングの場においても、今回のアンケート結果を有効に活用しながら、各金融機関と流動性リスク管理に関する議論を深め、一層の体制整備を促していく考えである。日本銀行では、今後、こうした流動性リスク管理に関するアンケート調査を定期的に実施していく予定である。

日本銀行から

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金融機構局までご相談ください。
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照会先

金融機構局金融モニタリング課大手金融グループ

齊藤 徹、山田 哲也
Tel : 03-3277-2024