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2010年度銀行決算の概要

2011年8月1日
日本銀行金融機構局

要旨

2010年度銀行決算をみると、当期純利益は、地域銀行でほぼ前年並み、大手行では、信用コストの減少や債券売却益の増加を主因に約6割の大幅な増益となった。この結果、2010年度末における自己資本比率は、前年度末から上昇した。

もっとも、銀行の基礎的な収益であるコア業務純益に目を向けると、貸出利鞘の縮小傾向が続くなか、大手行では国際部門資金利益の減少、地域銀行では経費の増加等を主因に、ともに減益となった。

不良債権処理に伴う信用コストは前年度対比で減少したほか、不良債権比率は前年度末からほぼ横ばいの水準となった。ただし、2010年度下期の信用コストは上期対比で増加している。また、貸出債権の内訳を勘案した場合、最近の信用コストや不良債権比率の推移が示す以上に貸出全体の質が低下しており、今後の信用コストの増加圧力が高まっている可能性がある点には留意が必要である。

先行きの収益見通しについては、地域銀行で概ね2010年度並みの水準が見込まれている一方で、大手行では減益を見込む先が多くなっている。こうした背景としては、(1)信用コストの低下余地が限定的であること、(2)2010年度並みの債券売却益の確保が難しいと見込まれていること等があげられる(2010年度の増益に寄与した要因の剥落)。

なお、東日本大震災による2010年度決算への影響としては、(1)大手行を中心に保有株式の償却損が拡大したほか、(2)被災地域銀行のみの合計では、信用コストの増加から、当期純利益が赤字に転化した。

日本銀行から

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照会先

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