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わが国対内直接投資の現状と課題

2013年7月31日
日本銀行調査統計局
本田大和※1
尾島麻由実※2
鈴木信一※3
岩崎雄斗※4

要旨

対内直接投資は、有形・無形の経営資源の流入を通じ、投資受入国の生産性にプラスの効果をもたらしうる。国際資本移動の活発化を反映し、世界全体の直接投資残高が大きく増加するなかで、わが国の対内直接投資残高も、2000年頃から、明確に増加してきた。しかし、近年では、こうした傾向に一服感がみられている。また、他の主要国との比較では、金額でみても、対GDP比率でみても、きわめて低い水準で推移している。

企業が直接投資先を決定する要因としては、(1)投資先の市場規模、(2)研究開発に係るインフラ、(3)ビジネスコスト、(4)地理的・歴史的要因、が挙げられる。各種アンケート調査からは、投資先としてのわが国の特徴について、市場規模が大きく、研究開発に適した環境が整備されているといった魅力を有することが確認される。外国企業の多くは、わが国を販売拠点や研究開発拠点などに適した魅力ある投資先として認識しており、対内直接投資が拡大するポテンシャルは決して低くない。もっとも、わが国の事業環境について、ビジネスコストが高く、グローバル人材が不足しているといった課題も指摘されている。今後、ビジネスコストやグローバル人材確保などの面での前向きな取り組みが進展するなかで、わが国対内直接投資の一層の拡大が期待される。

  • ※1現・総務人事局
  • ※2E-mail : mayumi.ojima@boj.or.jp
  • ※3E-mail : shinichi.suzuki@boj.or.jp
  • ※4現・総務人事局

本稿の作成にあたっては、亀田制作、桜健一、篠潤之介、清水佳充、前田栄治及び日本銀行調査統計局のスタッフから有益なコメントを頂いたほか、中村篤志から計表作成で協力を得た。分析にあたっては、企業及び関係団体からの聞き取り調査を参考にさせて頂いた。記して感謝の意を表したい。残された誤りは全て筆者に属する。本稿中の意見・解釈にあたる部分は全て筆者に属するものであり、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではない。

日本銀行から

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