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わが国企業の物流機能の強化に向けた取り組み

2014年6月2日
日本銀行調査統計局
佐野哲也※1
井上陽介※2
長田安代※3
鳩貝淳一郎※4

要旨

近年、物流事業者および荷主企業の双方における、物流機能強化に向けた取り組みが積極化している。この背景としては、第一に、「物流の需要面における変化」、すなわち、高齢化の進展やネット通販市場の拡大などによる消費者の購買スタイルの変化に伴い、小口・多頻度の輸送ニーズが高まっていることが挙げられる。第二に、「物流の供給面における変化」、具体的には、物流関連テクノロジーの高度化や、圏央道など都市圏における道路網のさらなる整備進捗などが、物流機能強化を促している側面がある。第三に、REITやファンドを通じた「金融面の後押し」がある。

機能強化に向けた具体的な取り組みとして、物流事業者は、輸配送・保管サービスの高度化、国際運輸需要の獲得積極化、流通加工機能の強化などを進めているほか、小売業などの荷主企業も、店舗網の拡大や店舗運営の効率性向上のため、商品保管機能や輸配送機能の高度化を進めている。

こうした物流機能強化の動きは、わが国の物流不動産市場を活性化させるだけでなく、物流施設の建設投資や関連する機械投資などを増加させる。また、今後、高齢者や共働き・単身世帯の増加といった変化に対応した新たなサービスが提供されることで、国内消費の拡大が促されるとの期待が高いほか、国際物流需要の取り込みや、海外における日本の製商品需要の喚起にもつながるとみられている。

  • ※1E-mail : tetsuya.sano@boj.or.jp
  • ※2E-mail : yousuke.inoue@boj.or.jp
  • ※3E-mail : yasuyo.nagata@boj.or.jp
  • ※4E-mail : junichirou.hatogai@boj.or.jp

本稿の作成にあたっては、亀田制作、清水佳充、前田栄治の各氏及び日本銀行調査統計局のスタッフから有益なコメントを頂いた。分析にあたっては、企業からの聞き取り調査を参考にさせて頂いた。記して感謝の意を表したい。残された誤りは全て筆者に属する。本稿中の意見・解釈にあたる部分は全て筆者に属するものであり、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではない。

日本銀行から

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