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ホーム > 調査・研究 > 日本銀行レポート・調査論文 > 調査論文 2018年 > (論文)資金循環統計からみた最近のわが国の資金フロー
2018年5月25日
日本銀行調査統計局
金田規靖*1
佐藤嘉子*2
藤原裕行*3
鈴木純一*4
資金循環統計を用いて最近のわが国の資金フローをみると、2000年度以降、家計と事業法人では資金余剰、政府と海外では資金不足になる状況が続いている。もっとも、仔細にみると、2000年代前半は、1990年代から続くバランスシート調整により、家計、事業法人とも金融負債の削減が進行していたが、最近の資金余剰は、低金利環境とその下での景気回復が続く中、家計、事業法人とも、金融負債の拡大を伴っている。
また、事業法人の資金余剰については、資金循環統計で「金融資産」に計上されている対外直接投資を「海外への実物投資」とみなして除いてみると、2000年代よりも2010年代の方が縮小した形になる。企業における国内での成長期待が海外と比べ低位にとどまる中、大企業を中心に海外投資を積極化する姿が窺われる。
家計や事業法人等での資金余剰が海外に振り向けられた結果、対外直接投資・証券投資残高は1999年度末の153兆円から2016年度末には705兆円に増加しており、国内非金融部門の金融資産3,628兆円の約2割に達している。
本稿の執筆に当たっては、関根敏隆、肥後雅博、中山興、一上響、二宮拓人、吉羽要直、守屋邦子、桜健一、木全友則、紺野佐也子、寺本藍の各氏および日本銀行のスタッフから有益な助言やコメントを頂いた。記して感謝の意を表したい。ただし、残された誤りは全て筆者らに帰する。なお、本稿の内容と意見は筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。
本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行調査統計局までご相談ください。
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