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ホーム > 調査・研究 > 日本銀行レポート・調査論文 > 調査論文 2021年 > (論文)近年の消費行動の変化を踏まえた消費活動指数の推計方法の見直しについて
2021年7月7日
日本銀行調査統計局
高橋優豊*1
近藤卓司*2
宗像晃*3
大久保友博*4
岩崎雄斗*5
日本銀行調査統計局は、個人消費の動向を、いち早く、かつ正確に把握するために、消費活動指数を作成・公表している。今般、Eコマースの拡大や新型コロナウイルス感染症の流行といった近年の消費行動を巡る環境変化を踏まえ、消費実勢をより的確に把握する観点から、消費活動指数の推計方法の見直しを行うこととした。第1に、消費活動指数の形態別・品目別ウエイトについて、2020年12月のGDP統計の基準改定と整合的となるように変更するとともに、感染症の影響を大きく受ける外食や宿泊等について、業種内のばらつきをきめ細かく反映するよう、基礎統計の変更なども行った。これらの結果、GDP統計・年次推計の個人消費との相関や予測力という観点からみた消費活動指数のパフォーマンスは高まった。第2に、オンライン消費について、「オルタナティブデータ」の一種であるクレジットカードの決済データを活用することで、消費活動指数+(プラス)の捕捉力の向上を図った。消費活動指数+とは、利用できる基礎統計の少なさなどから時系列は短いが、新たに登場した財・サービスを柔軟に取り込み、最近の消費動向の変化を迅速に捉えることを目的に作成している補助系列である。オンライン消費は、感染症流行を契機に増加トレンドが一段と明確になったが、今後もデジタル化の進展を背景に、実店舗からEコマースへのシフトは続くと予想される。今後は、消費活動指数の本系列だけでなく、消費活動指数+もバランスよくモニターしていく必要がある。
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Tel : 03-3279-1111(代表)