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システミック・リスクの発生・伝播メカニズムについて

中央銀行共催リサーチ・コンファレンスの概要

2002年 6月27日
馬場直彦

日本銀行から

マーケット・レビューは、金融市場に関する理解を深めるための材料提供を目的として、日本銀行金融市場局が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問は、日本銀行金融市場局 清水までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kmr02j06.pdf 40KB) から入手できます。

要旨

 金融市場の発展とグローバル化の進展によって、金融危機の発生・伝播メカニズムも変化しつつある。金融市場は、資産価格変動を媒介として、銀行システム内で生じたショックを実体経済に伝播させるにとどまらない。一方向に偏った市場参加者行動により、金融市場内部で発生した価格変化が増幅され、広範な市場に伝播し得る。さらに資産価格の下落、ボラティリティの高まりが長期にわたる場合には、信用仲介機能の阻害等を通じて、実体経済に持続的な影響を及ぼす可能性がある。こうした金融危機の発生・伝播メカニズムの変化とともに、システミック・リスクに関する研究の方向性も変化しつつある。中でも、市場の取引システムの相違に起因する影響等を勘案しつつ、市場参加者間の戦略的な相互作用を重視した研究に注目が集まってきている。市場参加者行動に着目するこうしたアプローチは、ストレスに対する金融システム全体としての脆弱性の軽減に向けた具体的な方策を考えていく上で、重要な示唆を与える。BISグローバル金融システム委員会が取り組んでいるストレス・センサスはそうした試みのひとつである。