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銀行券発行残高の伸び率低下の背景

2004年 9月10日
企画局
齋藤克仁*
高田英樹

  • 現調査統計局

日本銀行から

 日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するものです。ただし、レポートで示された意見や解釈に当たる部分は、執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

 内容に関するご質問は、日本銀行企画局 加藤までお寄せ下さい。

 以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (rev04j05.pdf 161KB) から入手できます。

要旨

 最近の銀行券発行残高の動向をみると、ペイオフの部分解禁が行われた2002年4月にかけて急速に伸びを高めたが、その後は伸び率が鈍化し、足許では前年比1%程度の低い伸びとなっている。銀行券に対する需要は、(1)取引需要、(2)銀行券保有の機会費用、(3)金融システムの安定性、(4)銀行券の引き出し・預け入れのコスト等によって左右される。最近の伸び率低下は、このうち、超低金利が長く続くなかで機会費用の低下による銀行券需要の押し上げ効果が徐々に減衰していることや、金融システムが安定性を取り戻しつつあることによる面が大きいと考えられる。こうしたもとで、銀行券発行残高の伸び率は、緩やかな低下傾向を辿るとみられる。