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ROE分析からみた銀行収益の改善状況

2006年12月8日
金融機構局
井出 穣治 服部 正純 宮明 靖夫

要旨

銀行の収益はここ数年、大幅に増加している。すなわち、銀行の当期純利益は、2004年度に大手行では4年振り、地域銀行では10年振りに黒字化した後、2005年度には一段と増加し、大手行・地域銀行ともに過去最高益を記録した。もっとも、2005年度決算においては、過年度に計上した貸倒引当金の戻入れにより、信用コストが大きく減少するなど、一時的な要因の影響が大きいことも事実である。そこで、本稿では、信用コストや有価証券関連損益等の変動要因を除いた収益指標(基礎収益ROE)を考案し、銀行の経営努力によりコアとなる収益性がどの程度改善しているかを分析する。その結果からは、(1)大手行では基礎収益ROEは向上しているが、その度合いは限定的であること、(2)地域銀行では基礎収益ROEの改善がみられず、大手行と比べ低水準にとどまっていることが示される。銀行の収益性強化に向けては、信用リスクの管理を高度化させ、信用コストの大幅な上昇を抑止していく必要がある。また同時に、貸出利鞘の確保、手数料ビジネスの強化等を通じて、基礎的な収益性を向上させていくことが重要と考えられる。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するものです。
ただし、レポートで示された意見や解釈に当たる部分は、執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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