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生産変動の安定化と産業間の連動性低下

2007年11月6日
調査統計局
長田充弘 川本卓司

要旨

わが国の製造業の生産変動は、長期的にみて安定化してきており、近年はその傾向が目立っている。今次景気拡大局面においては、産業間の連動性が低下し、個別産業の変動が互いに打ち消し合うかたちで、生産全体の変動が小幅化している点に大きな特徴がある。こうした生産変動の連動性低下には、(1)BRICsなど新興諸国の台頭を背景に、世界経済の成長エンジンが多極化し、需要が拡大している財の多様化が進んでいること、(2)国際分業の進展に伴い、国内産業間の相互連関が弱まった結果、ある産業に発生したショックが国内他産業に伝播しにくくなっていること、などが影響しているとみられる。このような変化は、基本的には、わが国の生産が単一の負のショックだけでは崩れにくくなっている可能性を示唆するものである。ただ、世界的な共変動をもたらすような大きなショックが生じた場合には、わが国の生産も、産業間の連動性を高めつつ、変動が大きくなる可能性に注意が必要である。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するものです。
ただし、レポートで示された意見や解釈に当たる部分は、執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません

内容に関するご質問は、日本銀行調査統計局 飯島浩太(E-mail:kouta.iijima@boj.or.jp)までお寄せ下さい。