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わが国における個人企業の動向とその背景

2008年11月12日
調査統計局
高川泉 亀田制作

要旨

わが国経済、とりわけ労働市場において、個人企業のプレゼンスは決して小さくない。本稿は、個人企業の実態について、各種センサス統計等を用いて分析したものである。まず、個人企業数の長期的な推移をみると、60〜70年代には増加傾向にあったが、80年代入り後は減少の一途をたどっている。業種別にみると、80年代から小売業や製造業が一貫して減少を続ける中で、90年代後半以降、特に2000年代入り後は飲食店やサービス業の減少も明確となっている。次に、個人企業数が減少している背景を探ると、一つには高齢化の著しい進行が挙げられる。特に若中年層の新規参入の乏しさと、高齢のまま働き続ける層の厚さが目立つ。この結果、個人企業からの離職者の多くは65歳以上の高齢者であり、その相当部分が労働市場から退出しているとみられる。また、規制緩和などを背景に法人企業との競合が激化していることも、個人企業数の減少要因と考えられる。個人企業における従業者1人当たりの所得は長期的に低下傾向にあり、最近ではパート労働者1人当たりの賃金と大きく異ならない水準となっている。このため、若中年層を中心に、事業の見通し悪化や倒産等を受けて、個人企業から離職し法人企業で雇用される動きが観察される。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。
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