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銀行の住宅ローンを巡る最近の動向とリスク管理上の課題

:マクロ的視点からの検討

2008年12月24日
金融機構局
戸坂凡展 三尾仁志

要旨

わが国では、バブル経済の崩壊以降、企業の資金需要が伸び悩む中で、銀行は住宅ローンへの取り組みを積極化させてきた。もっとも、わが国の住宅ローン市場全体の規模は、2000年度以降ほぼ横ばいで推移しており、競争激化による採算性の悪化を懸念する声も聞かれている。そこで、ここ数年の銀行の住宅ローンの採算性を試算したところ、金利優遇幅の拡大につれて、採算性が大幅に悪化していることがわかった。また、都道府県間の住宅ローン金利のばらつきが拡大している一方で、住宅ローン金利の低下幅が大きい県を中心に、地域内ではばらつきが縮小している様子が窺え、特に地域銀行にとっては、同じ地域を営業基盤とする他行との金利競争が激化していることが浮き彫りとなった。住宅ローン貸出に積極的に取り組む銀行は、景気低迷や金利上昇といった将来のマクロ経済環境の変化が、借り手のデフォルト率を高めたり、低金利の普通預金による資金調達をより難しくする可能性があることを念頭に、中長期的視点に立ったリスク管理を行い、借り手の返済能力に見合った貸出が実行されるための工夫を重ねていく必要がある。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。
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