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中国の窓口指導の有効性と金融環境

日本の金融自由化とバブル期の経験を踏まえて

2010年6月29日
国際局
福本智之・木村武・稲村保成・東将人

要旨

中国の政策当局は、窓口指導を金融政策の重要な一手段として位置づけている。2009年中頃からは、景気拡大と不動産価格の上昇などを受け窓口指導を強化しており、その影響もあって貸出の増勢は鈍化してきている。中国では、窓口指導の対象にならない信用仲介ルートが余り大きくないことなどから窓口指導が相応に機能しているとみられる。日本でも、過去、窓口指導が金融政策の手段として用いられていたが、その有効性は、1980年代に金融自由化が進み窓口指導の対象にならない信用仲介ルートが拡大するにつれ低下していった。また、1980年代後半、当時の政策金利である公定歩合を長期にわたって低位に据え置いたことも、窓口指導の有効性を低下させる一因になった。今後、中国では、金融市場の整備や金融自由化が徐々に進展していくものと考えられる。その際の日本の教訓は、「金融自由化が進めば、窓口指導の有効性が徐々に低下するため、金利政策をより活用していくことが望ましい」ということではないかと思われる。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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