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政府部門と銀行部門のリスク連関

日本・米国・欧州の比較

2010年10月4日
金融市場局
岡崎陽介

要旨

2008年秋のリーマン・ショック後、銀行のCDSプレミアムは世界的に上昇した。その後、先進国では、政府が金融機関の支援や救済に当たるとともに、民間部門のデレバレッジがマクロ経済の急激な縮小をもたらさないよう、様々な政策対応を行った結果、政府部門のバランス・シートが拡大した。この結果、いわゆる、「民間から政府へのリスク移転」と呼ばれる現象を通じて、ソブリンCDSプレミアムが上昇した。さらに、欧州財政問題への懸念が高まった2010年4月以降は、政府部門の信認低下に伴う欧州周辺国の国債価格の下落が、こうした債券を多く保有していた欧州系金融機関に対する市場の見方を厳しいものにし、欧州周辺国では、銀行とソブリン両方のCDSプレミアムが上昇した。

本稿では、ソブリンおよび銀行に対するリスク認識が、金融危機、各種政策対応、欧州財政問題、などから、どのような影響を受けて変化してきたか、そして、これらが相互にどのように連関してきたのかについて、日本・米国・欧州のCDSプレミアムを用いて分析する。分析結果からは、(1)欧州周辺国を中心に、民間と政府の間でリスクが移転している様子が観察されること、(2)欧州財政問題の影響を、政府部門ないし銀行部門に対するリスク認識の変化という観点からみると、米国や日本といった他地域への影響は、比較的限られていたこと、などがわかった。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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