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グローバルな為替スワップ市場の動向について

2016年7月22日
金融市場局 荒井史彦、眞壁祥史、大河原康典、長野哲平

要旨

為替スワップ市場におけるドル資金調達プレミアム――円やユーロを担保に為替スワップでドルを調達する際にドルLIBORに上乗せされる幅――は、2014年初頭から、グローバルに拡大している。この背景としては、(1)米国と他の先進国との金融政策の方向性の違いを背景としたドル資金需要の強まり、(2)金融規制を受けたグローバル金融機関の取引スタンスの変化(マーケットメイク活動等の抑制、対価として求めるプレミアムの拡大)、(3)資源価格・新興国通貨下落を受けた外貨準備等のドルの出し手のドル資金供給の慎重化、が指摘できる。先行きについては、先進国の金融政策運営や今後導入が予定されている金融規制の影響に加え、こうした市場構造の変化を受けて新たなドルの出し手の参入が進展するのか、が注目される。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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