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金融サービスを巡る国際標準化の動向 -ISO 20022の利用拡大とFinTech関連の取組み-

2017年6月13日
金融研究所兼決済機構局 紅林孝彰

要旨

ISO 20022は、国際標準化機構(ISO)金融サービス専門委員会(TC68)が開発した金融通信メッセージの国際標準である。ISO 20022の長所は柔軟な構造にある。しかし、近年は、その柔軟性ゆえにメッセージ構造が複雑化してきており、かえって標準化のメリットが損なわれてしまうのではないかとの懸念があった。こうした中、ISO/TC68等では、メッセージ項目の利用方法を共通化する国際協調の取組みを進めている。また、FinTech企業の活動が国を跨いで活発化する中、同委員会では、国際的な標準化の可能性について検討を進めている。国際標準化が進展すれば、FinTechの発展を後押しすることとなろう。日本銀行は、ISO/TC68の国内委員会事務局を務めているほか、欧米に先駆けて日銀ネットでISO 20022を採用するなど、金融サービスの国際標準化に積極的に取り組んでいる。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
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