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米国の住宅政策について

−住宅金融および制度面を中心に−

1998年11月
中川忍

日本銀行から

日本銀行調査統計局ワーキングペーパーシリーズは、調査統計局スタッフおよび外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (cwp98j09.pdf 64KB) から入手できます。

要旨

  1.  米国では、わが国や欧州諸国とは異なり、戦禍による深刻な住宅不足という問題に直面しなかったこともあり、公的部門が住宅建設を積極的に主導することはなかった。換言すれば、公的部門は、低所得者に対する限定的な住宅供給を担っていたに過ぎず、むしろ、一般的に米国において住宅政策と位置付けられるのは、とくに持家取得促進を目的とした、住宅金融市場の整備・コントロールおよび税制面での各種優遇措置のことである。
  2.  米国の住宅金融についての公的関与は、時代毎に大別すると、(1)住宅ローンに対する公的保険・保証の供与、および住宅ローン債権の買い取りのみが行われた段階(70年代前半以前)、これに加え、(2)住宅ローン債権を担保とする証券(いわゆる、モーゲージ担保証券)が導入され、そして発達していった段階(70年代前半以降)、という2段階に分かれる。
  3.  住宅税制については、持家取得促進を目的とした、住宅ローンの支払利子の所得控除等の優遇措置が講じられている。米国の住宅優遇税制のレベルは、色々と制度、文化等が異なるため単純に国際比較は困難であるが、わが国と比べてはるかに手厚いほか、世界的にみても、相当高水準にあるとみられる。
  4.  借家政策としては、民間賃貸住宅に居住する低所得者層に対する家賃補助制度(サーティフィケート制度、バウチャー制度)等がある。