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G7諸国の国債市場

----市場流動性の観点からみた日本市場の特徴点

1999年 5月21日
井上広隆

日本銀行から

日本銀行金融市場局ワーキングペーパーシリーズは、金融市場局スタッフ等による調査・研究成果をとりまとめたもので、金融市場参加者、学界、研究機関などの関連する方々から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融市場局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに対するお問合せは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kwp99j02.pdf 178KB) から入手できます。

要旨

 本稿は、BIS・グローバル金融システム委の市場流動性スタディ・グループが主要国の中央銀行に対して実施したアンケート調査の結果に基づき、日本市場に焦点を当てながら、G7諸国の国債市場の流動性の程度やその構造に関する特徴点を取り纏めたものである。
 調査の結果、日本の国債市場の流動性を他のG7諸国と比較した場合、(1)流動性の程度は全体として高いとは言えない、(2)10年債に流動性が集中している、(3)先物市場の方が相対的に流動性が高い、ことが分かった。
 これらをもたらした制度的要因としては、(1)発行量の大部分が10年債に集中していることから、他のキー・マチュリティーにベンチマークが存在しない、(2)定例リオープンを行わないため、発行サイズが小さくなりがち(特に10年債以外)、(3)入札日前取引やストリップ取引が行えない、(4)プライマリー・ディーラー制度が存在しない、(5)現物市場の透明性の程度が低い、(6)市場参加者の厚みが薄い(非居住者の参入度合いが小さい、政府・中央銀行の保有が大きい)、(7)税制(源泉徴収制度)により市場が分断されている、といった日本市場の特徴点が影響している可能性がある。

キーワード:
国債市場、市場流動性