このページの本文へ移動

金融・通貨危機が残した課題

-- 市場参加者の行動様式と取引情報の透明性 --

2000年 1月21日
副島豊

日本銀行から

日本銀行金融市場局ワーキングペーパーシリーズは、金融市場局スタッフ等による調査・研究成果をとりまとめたもので、金融市場参加者、学界、研究機関などの関連する方々から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、 論文の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融市場局の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに対するお問合せは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kwp00j01.pdf 165KB) から入手できます。

(要旨)

 本稿は、アジア通貨危機やロシア危機など一連の金融危機をめぐる理論・実証分析がどのような側面に注目し、どのような成果を挙げつつあるかを紹介し、資本移動規制やディスクロージャー規制など市場制度の設計に当たって配慮すべき点を指摘するものである。特に、投機と密接な関連がある群集行動やポジティブ・フィードバックに焦点を当てて解説するとともに、このような投資家の行動様式に影響を与える種々の要因について考察を試みている。これら要因のなかでもとりわけ重要な投資家間の情報格差については、規制による取引情報の透明性向上が市場機能の改善にどう係わってくるかという観点からの検証を試みている。

キーワード:
通貨危機、投機、市場取引の透明性、群集行動、ポジティブ・フィードバック

JEL分類:
F32, G15, G18, E58