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貸出を通じた部門間資金再配分のマクロ的影響

2001年 9月
才田友美
関根敏隆

日本銀行から

日本銀行調査統計局ワーキングペーパーシリーズは、調査統計局スタッフおよび外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(概要)を掲載しています。全文は、こちら (cwp01j16.pdf 175KB) から入手できます。

概要

 本稿では、部門間の資金移動の活発度を貸出伸び率の分散で表わす資金再配分指標を作成し、その実体経済との関係を調べた。この結果、(i)貸出を通じた部門間の資金移動は90年代に大きく沈滞し、地価の下落、貸出の減少と並んで、実質成長率を下押ししたこと、また、(ii)90年代の部門間資金移動の沈滞は、部門間ショックの減少というよりも、金融仲介機能の低下を反映していること、がわかった。これらの結果は、バブル崩壊後、不良債権問題が深刻化し金融仲介機能が低下したため、より効率的なセクターへの資金移動が阻害されたという見方と整合的である。