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可変NAIRUによるわが国の潜在成長率*1

2002年11月
廣瀬康生
鎌田康一郎

日本銀行から

日本銀行調査統計局ワーキングペーパーシリーズは、調査統計局スタッフおよび外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (cwp02j08.pdf 210KB) から入手できます。

(要旨)

 本稿では、可変NAIRUの考え方を用いて、インフレ率を加速も減速もさせない潜在成長率を推計する。理論的には、そうしたインフレ中立的な潜在成長率は、技術進歩率、生産要素の成長率、NAIRUの変化、という3つの要素で規定される。80年代後半以降のわが国のデータを用いて実証分析を行ったところ、90年代初頭以降、これら3つのいずれもが、潜在成長率を引き下げる方向に作用していたことが分かった。とりわけ、90年代央は、NAIRUの変化が持続的に潜在成長率を押し下げる要因となってきた。さらに、2000年以降、東アジアを中心とした国際競争圧力が高まる中、わが国経済は大規模な構造調整を余儀なくされており、NAIRUの変化が加速している可能性が示された。ただし、NAIRUの推計値やそのインフレ率との関係には、様々な不確実性がつきまとっているので、推計値を評価する際には、十分な注意が必要である。

JEL code:
E3, N1, O1;

keywords:
GDPギャップ、潜在成長率、NAIRU

  1. *1本稿の作成過程で、松林洋一 和歌山大学助教授、また、日本銀行の多くのスタッフから有益なコメントを頂戴した。この場を借りて、深く感謝の意を表したい。もちろん、あり得べき誤りは筆者に属する。なお、本論文の内容や意見は筆者個人に属するものであり、日本銀行および調査統計局の公式見解を示すものではない。