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機械部門の貿易パターンの分析*1

2005年 7月
佐々木仁*2
古賀優子*3

日本銀行から

日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、執筆者までお寄せ下さい。
商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行情報サービス局までご相談ください。転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

以下には(要旨)を掲載しています。全文は、こちら(wp05j13.pdf 407KB) から入手できます。

  1. *1本稿の作成にあたっては、深尾京司教授(一橋大学)のほか、早川英男氏、肥後雅博氏をはじめとする日本銀行調査統計局のスタッフから有益なコメントを得た。この場を借りて感謝の意を表したい。ただし、あり得べき誤りは筆者に属する。なお、本稿で述べられている内容、意見は筆者個人に属するものであり、日本銀行および調査統計局の公式見解ではない。
  2. *2日本銀行調査統計局(e-mail: hitoshi.sasaki@boj.or.jp)
  3. *3日本銀行調査統計局

要旨

本稿では、詳細な輸出入品目のデータを用いて、わが国機械部門の貿易パターンを分析したところ、1990年代は、品質が異なる品目を双方向で取引する垂直型産業内貿易が、アジア諸国との間で拡大していることがわかった。実証分析の結果によると、それは、貿易国間の資本・労働比率の違い、およびわが国の対外直接投資と密接な関連を有することが明らかとなった。本稿での分析から、1990年代の機械部門貿易は、要素賦存面での違いが貿易パターンを決定するという従来型貿易理論の枠組みで整理されるとともに、わが国の対外直接投資が重要な役割を果たしてきたことが示唆される。