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為替市場のボラティリティとカバー無し金利平価

2007年11月
一上 響*1
小山賢太郎*2

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

 低金利通貨が減価しやすいという現象は、多くの先行研究で確認されている。これは、「カバー無し金利平価」と呼ばれる理論と正反対の動きであり、経済学において最も注目されている謎の一つである。

 本稿では、4通貨(日本円、英ポンド、スイスフラン、ドイツマルク)の対米ドルレートに対してレジーム・スイッチング・モデルを適用し、為替レートとそのボラティリティ、および、内外金利差の関係について分析した。4通貨に共通してみられた主な結果は以下の通りである。

  1. (1)為替レート変動のかなりの部分は、金利差との関係の変化に起因する。
  2. (2)低金利通貨の増価は、減価と比べ、頻度が低いが、発生した場合の動きは速い。
  3. (3)低金利通貨の減価と低ボラティリティ環境の間には、相互依存関係がある。
  4. (4)上記(1)~(3)の結果は、為替レート変動の計測期間別にみると、6か月よりも3か月の方において、より明確である。

 これらの結果は、以下の様な市場参加者の見方と整合的である。すなわち、低金利通貨安の背後には、短期的な投資を中心としたキャリー・トレードの影響があり、特に低ボラティリティ環境下ではこうしたポジションが構築されやすいが、一旦巻き戻されると低金利通貨は急騰し、ボラティリティも高まり易いとの見方を裏付けるものとなっている。

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail: hibiki.ichiue@boj.or.jp
  2. *2日本銀行金融市場局 E-mail: kentarou.koyama@boj.or.jp

日本銀行から

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