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アジア為替市場の取引状況

2008年6月
露口洋介*1
フィリップ・ウールドリッジ*2

要約

 近年、アジアの外国為替市場は急速に発展している。国際決済銀行(BIS)が3年に1度実施している「外国為替およびデリバティブに関する中央銀行サーベイ」によると、アジア通貨の取引高は2004年から2007年の間に大幅に増加している。金融機関顧客が取引相手としての重要性を増し、非居住者を相手とする取引も増加した。このような発展にもかかわらず、アジアの為替市場の流動性は依然として為替管理規制によって阻害されている。香港ドル、シンガポール・ドル以外のアジア通貨の取引においては、非居住者は相対的に小さな比率しか占めておらず、為替スワップ市場はいまだに揺籃期にある。また、為替管理規制への対応としてオフショアのノンデリバラブル市場が発展し、オンショア市場とオフショア市場の分断が生じている。さらに、アジア通貨の取引においては、大きなヘルシュタット・リスクが依然として存在する。アジア通貨の取引は大部分米ドルを媒介として行われており、CLS 銀行を利用して決済される取引を除いて、アジア通貨の取引は取引双方の通貨が異なる時間帯で決済されている。

本稿は日本銀行国際局アジア金融センターと国際決済銀行(BIS)アジア・太平洋事務所のエコノミストが共同で執筆した論文“The evolution of trading activity in Asian foreign exchange markets”(日本銀行ホームページおよびBISホームページ(http//www.bis.org)に掲載)の日本語仮訳である。

  1. *1日本銀行国際局
  2. *2国際決済銀行

日本銀行から

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