このページの本文へ移動

国際資本移動の活発化と経済成長― 国別パネルデータ(1974から2007年)を用いた実証分析 ―

2010年4月
長田充弘 *1
齋藤雅士 *2

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

本稿では、国際資本移動の活発化が経済成長に及ぼす影響について、世界83か国のパネルデータを用いて実証分析を行った。分析からは、経済成長に対する資本移動の影響が、資本移動の種類や国の特徴によって大きく異なることがわかった。具体的には、(1)対内直接投資・株式投資は経済成長を押し上げる効果をもつ一方で、対内債券投資・借入(特に公的借入)はマイナスの影響を及ぼすこと、(2)法制度や金融市場などの制度基盤がしっかりとした国(主に欧米や東アジアの国々)では、資本移動の活発化のもたらす便益が相対的に大きくなること、などが確認できた。このほか、本稿では、こうした資本移動の活発化の影響が、時間を通じて変化している可能性や、資本移動の活発化が、貿易量の拡大や国内金融市場の深化を通じて間接的に経済成長に影響を与える可能性についても検討した。

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail : mitsuhiro.osada@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局 E-mail : masashi.saitou@boj.or.jp

日本銀行から

日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、執筆者までお寄せ下さい。
商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行情報サービス局までご相談下さい。転載・複製を行う場合は、出所を明記して下さい。