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受注データに基づく構造型信用リスク評価モデル

2018年4月9日
山中卓*1
木下美咲*2

要旨

本論文では、企業のキャッシュフローの主要な源泉であり、事業の状態をリアルタイムに反映する受注情報を利用して信用リスクを計測するモデルを提案し、事例研究を通してその特徴を確認する。具体的には、構造型の信用リスク評価の枠組みのもとで、受注情報を利用してデフォルト確率を算出するモデルを構築する。すなわち、受注額の変動を受注発生時点と受注額に分けてモデル化し、受注から利益および資産価値を算出する仕組みを組み合わせることで将来の資産価値の分布を推計する。そして、資産価値が負債額を下回った債務超過の状態をデフォルトとみなすことで、デフォルト確率を推定する。事例研究として、実企業の受注データに基づいて構築されたモデル例と、モデルを用いた信用リスク評価結果を示す。得られた結果から、発注元毎の受注額の変化や発注元の信用力変化といった受注状況の変化が即時に評価対象企業のデフォルト確率に反映されることが確認された。また、特定の発注元への集中リスクをとらえることが可能であることを示す数値結果を得た。

キーワード:受注データ、信用リスク、構造型モデル

  1. *1武蔵野大学工学部 E-mail : syamana@musashino-u.ac.jp
  2. *2日本銀行金融機構局 E-mail : misaki.kinoshita@boj.or.jp

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