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日本のインフレ予想カーブの推計

2019年4月9日
菅沼健司*1
丸山聡崇*2

要旨

本稿では、多様な経済主体を対象とした、インフレ予想データの情報を包括的に集約し、インフレ予想を年限別の期間構造で表した日本の「インフレ予想カーブ」の推計を行った。このカーブの推計においては、米国の先行研究を応用した状態空間モデルを用いており、年限間の整合性や、他の経済変数の予想との整合性が考慮されている。推計されたインフレ予想カーブは、1990年以降の概ね全ての期間において、右上がりの期間構造であった。また、インフレ予想を時系列でみると、全ての年限において、1990年代前半から2000年代初頭にかけて趨勢的に低下した後、2000年代央や、2012年後半から2013年にかけて上昇した。とくに短期インフレ予想については、輸入物価の変動の影響を受けつつも、量的・質的金融緩和の導入以降は趨勢的に水準が切り上がる傾向がみられる。さらに、推計されたインフレ予想の性質を構造VARにより分析すると、インフレ予想が実績インフレ率の影響を受けて適合的に形成される性格が強いことが窺われた。

キーワード
インフレ予想、期間構造、状態空間モデル

JEL分類番号
C32、D84、E31、E43、E52

本稿の作成に当たり、一上響氏、北村冨行氏、黒住卓司氏、白塚重典氏、新谷元嗣氏、須合智広氏、長野哲平氏、西崎健司氏、平田渉氏、渡部敏明氏、及び日本銀行のセミナー出席者から有益なコメントを頂いた。記して感謝の意を表したい。本稿のあり得べき誤りは筆者ら個人に帰する。なお、本稿の内容や意見は、筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行企画局 E-mail : kenji.suganuma@boj.or.jp
  2. *2日本銀行企画局 E-mail : toshitaka.maruyama@boj.or.jp

日本銀行から

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