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マクロ経済に関する不確実性指標の特性について

2020年10月7日
篠原武史*1
奥田達志*2
中島上智*3

要旨

マクロ経済学の分野では、不確実性の動向を定量的に把握するにあたり、多くの具体的な指標が提案されている。本稿では、その中で代表的な指標である、(1)マクロ経済不確実性指数、(2)エコノミック・サプライズ指数、(3)株式ボラティリティ指数、(4)経済政策不確実性指数の4つについて、日米両国を対象として、それぞれの指標の変動の特徴点や、マクロ経済変動との関係を実証的に分析した。その結果、米国については、経済政策不確実性指数以外の3つの指標が概ね似通った変動を示しているほか、景気循環における設備投資、耐久財消費、銀行の貸出スタンスの変動に対し相応の説明力を有することがわかった。一方、日本については、4つの指標間で大きな違いがみられた。すなわち、(1)マクロ経済不確実性指数は、様々なイベントに反応し、景気変動における設備投資や耐久財消費に対し説明力を有することがわかった。これに対し、(2)エコノミック・サプライズ指数は、各種イベントに殆ど反応せず、景気変動に対する説明力も低い結果となった。また、(3)株式ボラティリティ指数は、金融システムにストレスのかかった局面で相応に上昇しやすいこと、(4)経済政策不確実性指数は、海外発のイベントに反応しやすいこと、かつ両者は設備投資や銀行の貸出スタンスに対する説明力を有することがわかった。

JEL 分類番号
E32、E52

キーワード
不確実性、景気変動

本稿の作成に当たり、青木浩介氏、上野陽一氏、神山一成氏、亀田制作氏、川本卓司氏、陣内了氏、高橋耕史氏、長野哲平氏、永幡崇氏、Francesco Zanetti氏、および日本銀行のスタッフから有益なコメントを頂いた。ただし、残された誤りは筆者らに帰する。なお、本稿の内容や意見は、筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail : takeshi.shinohara@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局(現・金融機構局) E-mail : tatsushi.okuda@boj.or.jp
  3. *3日本銀行調査統計局 E-mail : jouchi.nakajima@boj.or.jp

日本銀行から

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