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中国の中長期的な成長力―キャッチアップの持続可能性に関する考察―

2021年5月24日

  • 佐々木貴俊*1
  • 坂田智哉*2
  • 向山由依*3
  • 吉野功一*4

要旨

本稿では、中国経済が、先行きもフロンティア国へのキャッチアップを続けることを前提に2035年までの成長率を試算するとともに、その実現可能性を巡る論点を整理した。本稿の試算によると、中国経済は、過去の東アジア諸国・地域の経験等から示唆されるキャッチアップ過程を今後も辿れば、2035年までに経済規模が倍増することは可能と見込まれる。もっとも、農業の生産水準を維持する必要性や、輸出依存型の製造業の拡大の限界、少子高齢化の進展といった中国が抱える状況を踏まえると、キャッチアップ過程を辿るためのハードルは高い。こうしたハードルを越えキャッチアップを進めていくためには、イノベーションの促進に加え、制度面や資源配分面の課題への対応を着実に進め、TFP成長率を引き上げていくことが求められる。

JEL 分類番号
E21、E22、J11、O11、O47

キーワード
中国、キャッチアップ、少子高齢化、貯蓄率、TFP成長率

本稿の執筆に当たっては、大阪経済大学の福本智之氏、東善明氏、上野陽一氏、宇野洋輔氏、坂下栄人氏、長野哲平氏、濵田秀夫氏の各氏をはじめとする日本銀行のスタッフから有益なコメントを頂いた。記して感謝したい。松永美幸氏からは、中国語の文献調査等でご協力を頂いた。ただし、本稿で示されている内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではない。また、あり得べき誤りは全て筆者個人に帰する。

  1. *1日本銀行国際局 E-mail : takatoshi.sasaki@boj.or.jp
  2. *2日本銀行国際局 E-mail : tomoya.sakata@boj.or.jp
  3. *3日本銀行国際局 E-mail : yui.mukouyama@boj.or.jp
  4. *4日本銀行国際局 E-mail : kouichi.yoshino@boj.or.jp

日本銀行から

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