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景気ウォッチャー調査のテキスト分析からみた企業の短期インフレ予想

2021年10月15日

  • 中島上智*1
  • 山縣広晃*2
  • 奥田達志*3
  • 香月信之輔*4
  • 篠原武史*5

要旨

本稿では、内閣府が実施する「景気ウォッチャー調査」の回答者のコメントから、テキスト分析の手法を用いて、物価の先行きに関する企業の声を抽出し、大高・菅(2018)によって「物価センチメント指数(Price Sentiment Index、PSI)」として定量化された指標を紹介する。また、新型コロナウイルス感染症の拡大時におけるPSIの推移から明らかとなった、テキスト分析手法の留意点について対応するとともに、PSIの変動要因やマクロ経済変数との関係について定量的な分析を行う。分析の結果、PSIには、消費者物価に数か月間先行するという性質があり、物価変動に影響を与える諸要因のうち、景気循環に伴う需要要因に加えて、原材料価格や為替レートの変動などのコスト要因も捉えていることがわかった。PSIは、短期的な振れが大きいという留意点はあるが、景気に敏感な景気ウォッチャーの価格設定スタンスを捉えた月次のインフレ予想指標のひとつとして、需給ギャップや従来のインフレ予想指標、各種のヒアリング情報などと補完的に活用していくことが考えられる。

JEL 分類番号
C53、C55、E31、E37

キーワード
インフレ予想、機械学習、テキスト分析、ビッグデータ

本稿の作成に当たり、青木浩介氏、神山一成氏、亀田制作氏、川本卓司氏、陣内了氏、高橋耕史氏、長野哲平氏、永幡崇氏、中村康治氏、武藤一郎氏、および日本銀行のスタッフから有益なコメントを頂いた。ただし、残された誤りは筆者らに帰する。なお、本稿の内容や意見は、筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail : jouchi.nakajima@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局 E-mail : hiroaki.yamagata@boj.or.jp
  3. *3日本銀行調査統計局(現・金融機構局) E-mail : tatsushi.okuda@boj.or.jp
  4. *4日本銀行調査統計局(現・金融研究所) E-mail : shinnosuke.katsuki@boj.or.jp
  5. *5日本銀行調査統計局(現・金融研究所) E-mail : takeshi.shinohara@boj.or.jp

日本銀行から

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