統計

ホーム > 統計 > 統計の概要および公表予定 > 統計に関する解説 > 物価関連統計に関する解説 > 企業物価指数(2000年基準)のFAQ

企業物価指数(2000年基準)のFAQ

2005年9月

目次

企業物価指数 (Corporate Goods Price Index

2−1. 企業物価指数とはどんな物価指数ですか。

企業物価指数(CGPI:Corporate Goods Price Index)は、企業間で取引される商品(モノ)の価格に焦点を当てた物価指数です。その主な目的は、商品の需給動向を敏感に反映する取引価格の動向を調査し、マクロ経済分析のための重要な材料の一つを提供することにあります。また、個々の品目・商品群など下位分類の指数については、金額ベースで表示される生産額を実質化し数量ベースにする際のデフレータのほか、個別取引の値決めをする際の参考指標としても利用されています。

企業物価指数は、指数の対象となっている商品の価格に、商品の重要度(ウエイト)を掛け合わせ、集計することにより作成しています。具体的には、商品の価格は、商品の代表的な価格を個別に調査することにより入手しており、商品のウエイトは、指数の対象となっている国内出荷額や輸出(輸入)額から算出しています。指数は、個別に調査した商品の代表的な価格をそれぞれ指数化し、国内出荷額や輸出(輸入)額から算出したウエイトで加重平均することにより作成しています。

この企業物価指数は、日本銀行が1887(明治20)年以降継続的に作成している物価指数です(1897<明治30>年に東京卸売物価指数という名称で公表開始)。当初、日本銀行が自ら物価指数を作成することとしたのは、日清戦争を契機とした物価の高騰が大きな社会問題となる中で、主要商品の需給動向を敏感に反映する取引価格を卸商から収集し、景気分析さらには政策判断の重要な材料として活用することが狙いでした。その後、1949(昭和24)年に東京卸売物価指数から卸売物価指数へ、2002年に卸売物価指数から企業物価指数へと統計名称を変更する中、わが国の経済の構造変化や統計作成手法の発展を背景に、価格の調査方法や指数の作成方法には改良が加えられていますが、「需給を反映する価格の調査」という企業物価指数の目的は今日に至るまで何ら変わるところはありません。

2−2. 生産者物価指数、消費者物価指数、商品市況指数とはどう違うのですか。

企業物価指数の主な特徴としては、(a)企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数であること、(b)予め価格調査段階を統一することなく、「生産者→1次卸→2次卸→・・・→小売」という商品の流れの中で、各商品の需給関係が最も集約的に反映される流通段階の価格を調査していること、が挙げられます。

諸外国で作成されている生産者物価指数は、企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数であるという点で企業物価指数と類似しています。しかし、金額ベースで表される出荷額を数量ベースに引きなおし、実質化するためのデフレータとしての機能を重視する立場から、価格調査段階を予め生産者からの出荷段階に限定しており、価格調査先の選定に対する考え方が、日本の企業物価指数とは異なります。

消費者物価指数は、消費者が日常的に購入している商品やサービスの価格に焦点を当てた物価指数であり、消費者の生計費の動きを測定することを主な狙いとしていますので、企業物価指数とは調査の目的や対象範囲が異なります。

商品市況指数とは、市場において大量に取引され、相場が需給関係に敏感に反応して変動するような商品(主に一次産品や素材製品)の価格に焦点を当てた価格指数です。企業物価指数に比べると採用品目が非常に少ないばかりでなく、各商品の相対的重要度(ウエイト)が考慮されないケースが多いなど、企業物価指数とは対象範囲や調査方法が異なります。

2−3. 企業物価指数はどのような目的に利用されていますか。

企業間で取引される国内品(国産かつ国内向けの商品)の価格動向を集約した国内企業物価指数の総平均は、生産・出荷・在庫の動きに示される需給動向を敏感に反映しており、また前月計数が翌月上旬(原則として第8営業日)に発表されるなど速報性も高いことから、マクロの経済指標の一つとして重視されています。また、内外の需給動向のほか、為替相場の動きにも左右される輸出品や輸入品の価格動向をみるときには、国内品とは別に作成されている輸出物価指数と輸入物価指数の総平均が役に立ちます。

他方、個別品目など下位集計段階の指数は、内閣府経済社会総合研究所が作成している『国民経済計算(GDP統計など)』や経済産業省が作成している『鉱工業生産指数』のデフレータ(金額ベースで表される値を数量ベースに引き戻すための基礎データ)として広く利用されています。また、民間企業の一部では、値決めの際の参考指標としても利用されています。

2−4. 卸売物価指数から企業物価指数へと統計名称が変更されましたが、全く異なる統計になってしまったのですか。

2002年12月公表時より、1995年基準卸売物価指数から2000年基準企業物価指数へと変更されました。この改定では「需給動向を敏感に反映する取引価格を調査する」という指数の大原則に反しない範囲内で、デフレータとしての機能向上を図ることを目的に、価格調査段階の選定基準を一部変更しました(詳細は項目2-13参照)。その結果、調査価格における生産者段階の割合がウエイトに占めるシェアでみて全体の68%(1995年基準)から85%(2000年基準)へと上昇し、「卸売物価指数」という名称と調査の実態(価格調査段階)との乖離がさらに拡大したことなどから、統計名称を「卸売物価指数」から「企業物価指数」へと変更しました。

また、5年ごとに行われる対象品目の変更(詳細は項目2-10参照)や、指数の基準年およびウエイト算定年次の更新など通常の基準改定作業に加えて、統計精度の向上のための新たな手法の導入・拡充、指数体系の変更、公表方式の変更など、1980年基準改定以来の大掛かりな基準改定となりました(詳細は項目2-9参照)。

しかしながら、指数の定義や作成方法の主たるものについて変更はなく、卸売物価指数と企業物価指数は統計として連続しているものです。

2−5. 企業物価指数ではどのような指数が公表されていますか。

2000年基準企業物価指数においては、基本分類指数として「国内企業物価指数」、「輸出物価指数」、「輸入物価指数」、参考指数として「需要段階別・用途別指数」、「連鎖方式による国内企業物価指数」、「消費税を除く国内企業物価指数」、「消費税を除く国内需要財指数」、「国内・輸出・輸入の平均指数」、「戦前基準指数」を公表しています。指数の概要は以下のとおりです。詳しい指数体系については、2000年基準企業物価指数 (CGPI)の関連資料「2000年基準企業物価指数 (CGPI)指数体系一覧」をご覧ください。

基本分類指数

国内企業物価指数:国内市場向けの国内生産品(国内市場を経由して最終的に輸出に向けられるものを除く)の企業間における取引価格を生産者段階、または卸売段階で調査した物価指数。ウエイトは2000年の経済産業省『工業統計表(品目編)』の生産者出荷額から2000年の財務省『日本貿易月表』の輸出額を差し引いた国内出荷額に依拠しています。

輸出物価指数:輸出品が本邦から積み出される段階(原則としてFOB建て)の取引価格を調査対象とした物価指数。円ベースと契約通貨ベースでの指数を公表しています。ウエイトは2000年の『日本貿易月表』の輸出額に依拠しています。

輸入物価指数:輸入品が本邦へ入着する段階(原則としてCIF建て)の取引価格を調査対象とした物価指数。円ベースと契約通貨ベースでの指数を公表しています。ウエイトは2000年の『日本貿易月表』の輸入額に依拠しています。

参考指数

需要段階別・用途別指数:国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数を商品の需要段階や用途に着目した分類に組み替えて集計した指数。価格の波及プロセスの把握など、価格動向の多面的な分析に利用されています(詳細は項目2-29参照)。

連鎖方式による国内企業物価指数:国内企業物価指数を、連鎖基準ラスパイレス指数算式で計算しなおした指数(連鎖指数)。ウエイトを毎年更新し、1年毎に基準化した指数を掛け合わせることにより作成しています(詳細は項目2-302-31参照)。

消費税を除く国内企業物価指数、消費税を除く国内需要財指数:国内企業物価指数と需要段階別・用途別指数のうち国内需要財について、消費税を除いて作成した指数(詳細は項目2-32参照)。

国内・輸出・輸入の平均指数:国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数を加重平均した指数。1995年基準卸売物価指数における基本分類指数「総合卸売物価指数」に当たりますが、2000年基準企業物価指数より統計名称を「国内・輸出・輸入の平均指数」に変更しました。

戦前基準指数:国内・輸出・輸入の平均指数および需要段階別・用途別指数について、1934~1936(昭和9~11)年を基準時(1934~1936年指数の平均を1)とし、戦前基準指数の分類(基本分類の12類別および特殊分類<用途別>の5分類)に組み戻して作成した指数(詳細は項目2-37参照)。

2−6. 基本分類指数である「国内企業物価指数」、「輸出物価指数」、「輸入物価指数」の違いは何ですか。

国内企業物価指数は、「国内で生産され、かつ国内で需要される商品」の企業間における取引価格を指数化したものです。したがって、「輸入品の国内出荷価格」は国内企業物価指数の対象範囲に含まれません。次に輸出物価指数は、「国内で生産されて海外に輸出される商品」の本邦から積み出される段階(原則としてFOB建て)の取引価格を指数化したものです。したがって、「本邦企業が海外工場で生産し、その他の国へ輸出する際の取引価格」は調査対象に該当しません。また、輸入物価指数は、「海外で生産されて国内に輸入される商品」の本邦へ入着する段階(原則としてCIF建て)の取引価格を指数化したものです。

各指数の利用に際しては、目的に応じて各指数を単独ないし組み合わせて使用することが必要です。

組み合わせの例としては、

  1. (a)製造業の生産活動や収益との関連を考える際に、国内企業物価指数と輸出物価指数を合わせて観察する
  2. (b)消費者物価指数への価格波及を考える際に、国内企業物価指数と輸入物価指数を合わせて観察する
  3. (c)為替相場変動が国内物価に及ぼす影響をみる場合、輸入物価指数、国内企業物価指数、消費者物価指数の動向を合わせて観察する

というようなことがよく行われます。

2−7. 企業物価指数を利用する際に、どんな点に気をつければよいですか。

企業物価指数を利用する際には「重複計算」と呼ばれるクセに注意する必要があります。

国内企業物価指数は、企業間で取引される国内品(国内市場向けの国内生産品)を対象としています。そのため「総平均」指数に反映される価格指数には原材料、中間製品、最終製品など多段階の製品が混在しています。したがって、原材料などの川上製品において価格変動が起きた時の、全体に対する影響を分析する際には、「総平均」指数が川上から川下に至る各段階の価格動向を加重平均している点に注意をしながら分析をする必要があります。例えば、原材料(例えば原油)の値上がりが川下の製品に転嫁されていく過程が、国内企業物価指数にどのように反映されるかを考えると、原材料に近い川上製品(重油、ナフサなど)の価格指数への影響は大きく、加工度が高く投入コストに占める原材料以外の要素の割合が大きい川下製品(プラスチック製品など)への影響は小さくなります。そのため、川上製品が大幅に上昇した際の「総平均」指数の上昇率は各段階での価格変動を織り込んでいるため、「最終財」の指数上昇率を上回っていることが多くなります。この「重複計算」と呼ばれる統計上のクセは、企業物価指数が、川上製品から川下製品にまで及ぶ全商品の生産者出荷額を指数のウエイトに用いていることから不可避的に生じるものであり、海外で作成されている生産者物価指数においても同様に見られます。

したがって、「重複計算」のクセを持たない消費者物価指数やGDPデフレータと変化幅を比較するような場合には、国内企業物価指数の「総平均」を用いずに、参考指数である「需要段階別・用途別指数」(採用品目を「素材原料」、「中間財」、「最終財」といった需要段階別や、「資本財」、「消費財」といった用途別に分類して集計した指数。詳細は項目2−29参照)を利用することが適当です。ただし、国内企業物価指数の時系列を需給指標などとして単独で利用する場合には、重複計算をそれほど気にする必要はありません。

2−8. 企業物価指数には、なぜサービスが含まれていないのですか。

確かに、諸外国においては、わが国の企業物価指数に近い概念である生産者物価指数等へサービス価格を取り込んでいる例があります。しかしながら、企業物価指数と企業向けサービス価格指数では、ウエイトを算定するための基礎となる統計が異なっており(前者が経済産業省『工業統計表』および財務省『日本貿易月表』、後者が総務省『産業連関表』)、両者の整合性をどう取っていくかという大きな問題があります。さらに『産業連関表』の公表が『工業統計表』より2年程度遅れるという問題もあります。

また、企業向けサービス価格指数には、サービス取引のなかで大きなウエイトを占める卸小売業の商業マージンや金融機関の利鞘(帰属利子)が、信頼性のある適当な価格データの入手が困難であるため含まれていない(項目3-12参照)など、カバレッジなどの面でも十分とは言えません。

日本銀行としては、指数の一貫性や精度を犠牲にして両者を統合するよりも、分析ニーズに応じた加工・組み替えはユーザーである皆様の手に委ねつつ、その材料となる個々の物価指数の精度や透明性を高めていくことの方が先決と考えています。

2−9. 1995年基準卸売物価指数と2000年基準企業物価指数では、何が違うのですか。

2002年12月公表時より、1995年基準卸売物価指数から2000年基準企業物価指数へと変更されました。この改定では、5年ごとに行われる調査対象品目の変更(詳細は項目2-10参照)や、指数の基準年およびウエイト算定年次の更新など通常の基準改定作業、統計名称を「卸売物価指数」から「企業物価指数」へと変更したこと(詳細は項目2-4参照)に加えて、統計精度の向上のための新たな手法の導入・拡充、指数体系の変更、公表方式の変更などを実施し、1980(昭和55)年基準改定以来の大掛かりなものとなりました。以下、主な変更点です。(詳細は、「2000年基準企業物価指数(CGPI)の解説」、「卸売物価指数の基準改定(2000年基準企業物価指数<CGPI>への移行)の結果」、「企業物価指数・2000年基準指数の特徴点」をご覧ください)。

(1)調査価格数の大幅な積み増し

実勢価格の動向をより的確に把握するため、調査価格数を大幅に積み増し、1995年基準では4,902あったものを、2000年基準では8,264と、69%増加させました。またこれに伴い、調査先数も1995年基準では2,236先から2000年基準では2,951先に増加しています(数字はいずれも2002年10月25日時点)。

(2)「平均価格」の導入

商品や取引の多様化が著しい場合、調査対象商品やその取引条件(取引の相手先や取引数量等)を細かく指定する従来型の価格調査方法では、該当する取引が極端に少なくなるため、調査価格数の積み増しが困難であったり、調査価格数の積み増しができたとしても、それによって精度面で十分な効果を期待することが困難なケースが増えてきました。そこで、こうした商品の実勢価格を把握するために、2000年基準改定より次善の策として、(a)商品の個別性が極めて強い商品(多品種少量生産の商品<衣料品など>や、オーダーメイド色が強い半導体製造装置等の機械類)および、(b)個々の商品ベースで取引価格の多様化(一物多価)が進んでいる商品(特売頻度の増加、特売価格の低下により価格低下が進んでいる消費財<食品や衣料品など>や、個別交渉による値引きが多様化している商品<汎用樹脂、集積回路など>)を対象に、品質一定の条件を損なわない範囲内で「平均価格(月間取引金額/月間取引数量)」を調査する方法を導入しました。この結果、国内企業物価指数の調査価格数全体に占める平均価格の割合は12%となりました。詳しくは項目2-232-242-25をご覧ください。

(3)「仮価格」を適用する品目拡充

契約期間が四半期・半期等の複数月にわたっており、かつ当該期間中の出荷価格が契約期間に入った後に決定される「価格後決め品目」については、「仮価格(価格が正式に決定するまでの間の取引に使用される暫定的決済価格)」の利用ができれば、(a)価格変動をいち早く指数に反映できるほか、(b)遡及訂正におけるリバイス幅を小さくできるメリットがあります。こうしたことから、1995年基準国内卸売物価指数では2001年10月より、「C重油」、「ベンゼン」、「エチレン」、「プロピレン」の4品目に限定して、(a)正式価格が決着するまでの間、仮価格を利用して指数を作成し、(b)定期的な遡及訂正(毎年4月、10月)のタイミングで、仮価格ベースの指数を決着価格ベースの指数にリバイスしていました。2000年基準国内企業物価指数では、上記4品目に「トルエン」、「キシレン」、「パラキシレン」、「自動車用内燃機関部品」を加えた計8品目、輸出物価指数では「パラキシレン」、「航空機部品」の2品目について、仮価格を適用することとしました。ただし、その後も取引実態の変更に合わせて、仮価格の採否を見直しており、輸入物価指数の「冷凍かに」について仮価格を適用する一方で、国内企業物価指数の「ベンゼン」及び輸出物価指数の「航空機部品」について仮価格の採用を中止しています。したがって、現時点<2005年8月>で仮価格を利用しているのは、国内企業物価指数の7品目(「自動車用内燃機関部品」、「エチレン」、「プロピレン」、「トルエン」、「キシレン」、「パラキシレン」、「C重油」)、輸出物価指数の1品目(「パラキシレン」)、輸入物価指数の1品目(「冷凍かに」)になります。

(4)参考指数「連鎖方式による国内企業物価指数」、「消費税を除く国内企業物価指数」、「消費税を除く国内需要財指数」の公表開始

企業物価指数は、ウエイトを基準時(2000年)に固定したラスパイレス指数算式により算出されていますが、これには(a)基準時から時間が経過するにつれて、指数計算に用いるウエイトが実際の取引シェアと乖離する、(b)商品(品目)の指数水準が大幅に低下(上昇)すると同商品(品目)の価格変動が総平均指数に与える影響度が低下(上昇)する、との弱点が存在します。そこで、こうした点を補完する目的で「連鎖方式による国内企業物価指数」(連鎖指数)を参考指数として公表しております(詳細は項目2-302-31参照)。

また、国内企業物価指数は「消費税等の間接税を含むベース」で作成していますが、マクロの需給動向を見るためには、消費税の変更の影響を受けないベースでの指数を利用したいとのニーズも少なくありません。そこで、企業物価指数では「消費税を除く国内企業物価指数」、「消費税を除く国内需要財指数」を1985(昭和60)年1月に遡って公表しております。

(5)「速報・確報」公表体制への移行

企業物価指数への改定に伴う上記のような見直しに伴い、従来と比較して価格調査に時間を要するものが増えてきたため、翌月の公表日(原則として第8営業日)に当月指数の「速報値」を公表し、翌々月の公表日に速報値をリバイスして「確報値」を公表する、「速報・確報」公表体制に移行しました。詳しくは項目2-35をご覧ください。

2−10. 1995年基準卸売物価指数から2000年基準企業物価指数で新しく調査対象となった品目は何ですか。

基準改定に伴い、経済構造の変化に対応するため、採用品目を見直しました。具体的には以下のようなものが挙げられます。

(1)IT化、デジタル化を踏まえた関連品目の充実

[新規採用]

  • 半導体製造装置(国内・輸出)
  • 携帯情報端末(国内)
  • 液晶デバイス(輸入)

[分割]

  • 電子計算機本体(国内)→ 汎用コンピュータ・サーバ、パーソナルコンピュータ
  • 入出力装置(国内・輸出・輸入)→ 印刷装置、表示装置、スキャナ・光学読取装置
  • ビデオカメラ(国内)→ デジタルカメラ、ビデオカメラ
  • 集積回路(国内・輸入)→ 線形回路、バイポーラ型集積回路(国内のみ)、モス型ロジック集積回路、モス型メモリ集積回路等

(2)繊維品、食料品、家電製品等の安値輸入品の拡充

家電製品については上記(1)をご覧ください。

[新規採用]

  • 作業衣(輸入)
  • スカーフ・マフラー(輸入)
  • カーテン(輸入)

[分割]

  • 洋服(輸入)→ 背広服・ズボン類、女子用スーツ・スカート類、子供服
  • 下着類(輸入)→ 肌着、ファンデーション下着、パジャマ

(3)国際分業の更なる進展を受けた部品類の輸出・輸入品の充実

[新規採用]

  • 自動車用内燃機関・同部品(輸出)
  • 自動車用内燃機関部品(輸入)
  • 自動車部品(輸出・輸入)
  • 航空機部品(輸出・輸入)
  • フォークリフトトラック部品(輸出)

(4)規制緩和への対応

[分割]

  • 大口電力、業務用電力(国内)→ 業務用電力、高圧電力B、特定規模需要電力
  • 都市ガス(国内)→ 小口都市ガス、大口都市ガス
  • (国内)は国内企業物価指数、(輸出)は輸出物価指数、(輸入)は輸入物価指数を示します。

国内企業物価指数では、これらの品目の新規採用により58品目、分割により24品目増加となった一方、安値輸入品の増加に伴う国内関連品目の取引減少に対応し、廃止により85品目、統合により58品目減少となり、全体の採用品目数としては61品目減少となりました(下表参照)。詳しい変更品目については、「卸売物価指数の基準改定(2000年基準企業物価指数<CGPI>への移行)の結果」をご覧ください。

1995年基準卸売物価指数と2000年基準企業物価指数の品目数比較

2−11. 卸売物価指数から企業物価指数への変更後は、基本分類指数の「総合卸売物価指数」や輸出物価指数の「船舶」、参考指数の「食料品」、「機械器具」などが公表されていませんが、廃止されたのですか。

1995年基準卸売物価指数から2000年基準企業物価指数への基準改定の際に、卸売物価指数における基本分類指数「総合卸売物価指数」は、名称を「国内・輸出・輸入の平均指数」に変更し、位置付けを基本分類指数から参考指数に変更しました。この指数は、国内、輸出、輸入を一本の指数で捉えていた1975(昭和50)年基準指数以前の指数との連続性への配慮から作成しているものです。「総合」というと、いろいろな要素を加味した最も包括的な、あるいは最も標準的な指標であるとの印象をもたれる向きもあるかも知れませんが、こと「総合卸売物価指数」については、分析道具としての有用性は非常に限られたものである点に留意が必要です(そもそも、1980<昭和55>年基準指数への移行の際に、国内、輸出、輸入を別々の指数に分けたのも、変動相場制への移行、輸出入取引の拡大といった流れの中で、3種類の物価を一つの指数に纏めてみていくことに無理が出てきたためです)。

また、採用品目の改廃に伴い、指数系列の一部(参考指数・輸出物価指数「船舶」、「船舶を含む輸送用機器」、「船舶を含む総平均」)が廃止となりました。加えて、過去の分類編成変更の経緯から今まで作成し続けていた指数系列のうち、簡単な組替え計算によって作成が可能なもの(国内企業物価指数の「食料品」、「機械器具」、国内・輸出・輸入の平均指数の「食料品」、「機械器具」、「国産品」)を廃止したほか、「連鎖方式による国内企業物価指数」の公表に伴い、基準年以降のウエイト変化の影響をより直接的に把握することが可能となったため、「幾何平均を用いた国内卸売物価指数」の廃止などを実施しました。詳しい指数体系については、2000年基準企業物価指数 (CGPI)の関連資料「2000年基準企業物価指数 (CGPI)指数体系一覧」をご覧ください。

2−12. 企業物価指数で採用している品目やそのウエイトはどのように決めているのですか。

企業物価指数は「企業間で取引される商品」の物価指数ですので、品目の選定やウエイトの計算に際しては、企業間で取引されている商品の種類や取引量を知る必要があります。しかし、残念ながら、各商品の取引額を定期的かつ網羅的に把握できるような統計は存在しません。

そこで日本銀行では、企業物価指数が初めて加重平均型の指数を採用した1933(昭和8)年基準指数以降、主に経済産業省『工業統計表』の生産者出荷額や財務省『日本貿易月表(いわゆる貿易統計<通関統計>)』の輸出入額を品目の選定やウエイトの計算に利用しています。

具体的な選定基準は以下のとおりです。

  1. (a)国内企業物価指数では、原則として、基準年における国内市場向け国内生産品の生産者出荷額(2000年基準の場合は2,460,515億円)の1万分の1(246億円)を超える出荷額の商品を採用する。
  2. (b)輸出物価指数では、原則として、基準年における通関輸出額(2000年基準の場合は480,146億円)の1万分の5(240億円)を超える通関額の商品を採用する。
  3. (c)輸入物価指数では、原則として、基準年における通関輸入額(2000年基準の場合は376,234億円)の1万分の5(188億円)を超える通関額の商品を採用する。

ただし、上記はあくまでも原則で、実際には、(a)採用基準に満たない商品でも、先行き成長が見込まれるものや、分類編成上のバランスから重要と思われるもの(注)は採用する、(b)採用基準額以上の商品でも多品種少量生産のため品質を一定とした価格を継続的に調査することが極めて困難な場合や、同一企業内での内部取引(事業所間取引)が中心で、市場動向を直接反映した価格の調査が難しい場合は採用しない、といった取扱いも行っています。

  • 例えば、化学製品等では、個別商品毎の取引金額は採用基準(国内企業物価の場合は246億円)を満たしていませんが、類似の商品を幾つか合計した商品群レベルでみるとかなりの規模(例えば1,000億円超)の取引が行われている場合があります。こうした場合、採用基準を一律に適用し全ての商品を非採用とするより、一部の商品を(あるいは類似した複数の商品をまとめて)品目として指数に取り込み、その上に商品群を設定した方が、分類編成のバランスからみて好ましいと考えられます。

このようにして採用された品目の数は、2000年基準指数の場合、国内企業物価指数910品目、輸出物価指数222品目、輸入物価指数275品目、3物価指数の合計で1,407品目となっています。詳しくは、「2000年基準企業物価指数(CGPI)の解説」および2000年基準企業物価指数(CGPI)の関連資料「国内企業物価指数 (DCGPI)ウエイト計算指示書」をご覧ください。

2−13. 企業物価指数はどのような流通段階の企業から価格を調査しているのですか。

企業物価指数作成の最大の狙いは「需給を反映した価格を調査する」ことにありますので、「生産者→1次卸→2次卸→・・・→小売」という商品の流れのどの段階で価格を調査するかについては、予め決めておらず、各商品の需給関係が最も集約的に反映される流通段階の価格を調査しています。より具体的には、以下の3点を価格調査段階を決める際の基準としています。

  1. (a)1次卸が自らの在庫を持ち積極的に需給調整機能を果たしている場合は、1次卸段階の価格を調査する。
  2. (b)生産者から小売店ないしユーザーへの直売形態が一般的である(ないし卸売段階の企業の価格決定への影響力が低い)場合には、生産者段階の価格を調査する。
  3. (c)1次卸と生産者のどちらの段階でも需給を反映する価格が調査可能と思われる場合については、生産者段階の価格を調査する。

生産者段階の価格を調査している品目は、戦前までは全体のごく一部に限られていましたが、戦後は、(a)わが国の産業構造が高度化し、機械類の占めるウエイトが大きく高まったこと、(b)大型量販店の増加に伴い、消費財の流通構造に変化が生じ、メーカーと量販店が直接価格交渉を行うケースが増えてきたこと、などから生産者段階の価格を調査している品目の比率は上昇の一途を辿りました。

また、卸売物価指数では「1次卸と生産者のどちらの段階でも需給を反映する価格が調査可能と思われる場合については、1次卸の価格を調査する」としていましたが、企業物価指数では(c)のように変更いたしました。これは「需給を反映した価格を調査する」との大原則を損なわない範囲内で、デフレータとしての利用ニーズにより応えることを目的としています。この結果、前基準である1995年基準国内卸売物価指数ではウエイトに占めるシェアでみて全体の68%が生産者段階の価格でしたが、現行の2000年基準国内企業物価指数では、85%となっています。詳しくは、「2000年基準企業物価指数(CGPI)の解説」の「(別紙5)国内企業物価指数における価格の調査段階別シェア」、および関連資料の「2000年基準国内企業物価指数 (DCGPI)価格調査段階一覧」をご覧ください。

2−14. 企業物価指数の調査対象商品はどのように決めているのですか。

価格調査に協力していただいている企業の方々のご負担を考えますと、調査価格の数をむやみに増やすことはできません。こうした中で、精度の高い物価指数を作成するためには、各品目の「調査対象商品」を決める際に、当該品目全体の価格の動きを代表するような商品を選ぶこと(=代表性の確保)に細心の注意を払っています。

具体的には、「取引金額でみたシェアが高い製品(売れ筋商品)」を調査することを原則としています。企業物価指数では上位指数の算出に当たり、品目の価格をその取引金額から算出されたウエイトにより加重平均していることから、取引金額でみたシェアを代表性の判断基準としています。加えて、同一品目において、高級品・普及品別や用途別(例えば、自動車産業向けと家電産業向け)等の区分によって価格動向が大きく異なる可能性がある場合には、調査対象商品が一部(例えば高級品)に偏ることがないよう配慮しています。

また同時に、調査先のプライバシー保護にも重点を置いています。具体的には、特定の調査先の価格の変化がストレートに品目指数に反映されることのないよう、各品目について複数調査先から3調査価格以上を調査し、それらを合算する形で指数を作成することとしています(詳しくは項目2-38をご覧ください)。ちなみに、2005年3月時点での調査価格の数は、国内企業物価指数が5,518、輸出物価指数が1,159、輸入物価指数が1,631、3物価指数の合計で8,308、1品目あたり5.9となっています。

なお、調査価格の設定に際しては、調査先と相談したうえで、代表的な商品の名称だけでなく、型式番号、取引の相手先、取引単位、引渡・支払条件などを可能なかぎり特定し、同一条件の下で取引される同一商品の価格の推移を極力継続して調査するようにしています。

2−15. なぜ官庁や業界団体等が作成している統計を用いて物価指数を作成しないのですか。

官庁や業界団体等が作成している統計を利用して、例えばある商品の出荷額を出荷数量で割ることによって算出される平均単価から物価指数を作成すれば、価格調査先である各企業の負担を軽減できるのではないかという考え方があります。確かに、官庁や業界団体等が作成する統計から、調査対象商品が十分に絞られた情報が得られる場合は、調査先にお願いしている価格調査が不要となります。しかし実際には、物価指数を作成するのに適当なデータを入力することが困難なことが多く、例えば、出荷に関するデータの場合は、その対象が国内生産品か輸出品かを区別していないため、国内市場向け国内生産品を調査対象としている国内企業物価指数のデータとしては使用することができません。また、統計データの項目の範囲で調査対象商品を特定できない場合は、製品が新しくなる際の品質の差を考慮できない(品質調整については項目2-172-18を参照)」、各商品の相対的重要度(ウエイト)が考慮できないといった問題が発生してしまうため、企業物価指数の価格調査として採用することができません。物価指数では、純粋な価格変動を捉えるために、代表的な商品を特定し、取引条件・取引相手先などを一定とした実際の取引価格を継続的に調査することを原則としています。このため、調査先である各企業の方々に価格調査へのご協力をお願いしています。なお、2000年基準企業向けサービス価格指数においては、一部の品目について、外部有料データベースから作成した価格を調査価格として採用しています(項目3-13参照)。

2−16. 調査価格の変更状況等を知りたい場合は、どうすればよいですか。

日本銀行では、商品の世代交代等がおきた場合、遅滞なく調査価格を変更することとしており、その実績(調査価格の変更件数や主な品目名)についても、「企業物価指数における調査価格の変更実績」の形で、四半期毎に公表しています。また、その際に、どういった品質調整法を適用したかについても、同資料の中で公表しています。ちなみに、国内企業物価指数(2004年12月の調査価格数5,525)では、2004年中に延べ1,384件、調査価格を変更しており、そのうちコスト評価法を全体の約2割弱に、直接比較法を約2割強に、オーバーラップ法を約4%に、ヘドニック法を約5%に、単価比較法を約3.5%に、それぞれ適用しています(各種品質調整法の概要については項目2-18をご覧ください)。

また、「調査価格の変更」の中には、単に調査対象商品を変更するのではなく、例えば「卸売段階から生産者段階へ」といった形で、「価格調査段階」自体を変更するケースや調査価格内容を平均価格へ変更する場合などもあります。こうしたケースは、あまり多くありませんが、(a)流通構造が変化し、卸売段階ではなく生産者段階の方が(または生産者段階ではなく卸売段階の方が)、需給の動きをより反映した価格が調査可能となった場合、あるいは(b)技術革新による実質的な価格下落が激しく、生産者段階から調査した方が、その影響を含めた価格動向を的確に指数に反映できると判断される場合等には、弾力的に見直す扱いとしています。

ちなみに、2004年中の国内企業物価指数でみてみると、「化学」や「電気機器」、「その他工業製品」等の類別における28の調査価格において、一部商品の価格調査階を、卸売段階から生産者段階に、または生産者段階から卸売段階へ変更しています。また、「加工食品」や「窯業・土石製品」、「電気機器」等の70の調査価格において、取引価格から平均価格、または平均価格から取引価格への変更などが行われました。このため、厳密に言えば、これら品目については、価格調査段階の変更前後で指数の性格が変化しています。日本銀行としては、統計作成方法の透明性向上に向けて、こうした見直しに関する情報についても、できるだけ詳細に公表していきたいと考えています。なお、価格調査段階については、「2000年基準企業物価指数(CGPI)の解説」の「(別紙5)国内企業物価指数における価格の調査段階別シェア」、および関連資料の「2000年基準国内企業物価指数 (DCGPI)価格調査段階一覧」を、平均価格採用状況については「2000年基準企業物価指数(CGPI)の解説」の「(別紙4)平均価格の採用基準別内訳数」および関連資料の「2000年基準企業物価指数 (CGPI)調査価格の性質一覧」をご覧ください。

2−17. 消費財などでは商品の世代交代が頻繁に生じていますが、新商品の価格は調査されているのですか。

精度の高い物価指数を作成するためには、各品目において、常に取引額が大きな代表的商品(売れ筋商品)の価格を調査していく必要があります。こうした観点から、企業物価指数では、新しい商品が登場し、それがこれまで調査してきた商品に代わる主力商品に成長してきた段階で、速やかに調査対象商品を変更することとしています。例えば、2004年中の調査価格の変更実績は、企業物価指数全体で延べ2,232回となっております(調査価格数は2004年12月時点で8,316)。詳しい調査価格の変更実績については、参考資料の「企業物価指数における調査価格の変更実績」をご覧ください。

また、携帯電話、カーナビゲーションシステムのように従来の商品と大きく異なった新しい種類の商品が登場した場合には、5年毎の基準改定に併せてウエイトを見直す際に新たな品目を設けて、指数に取り込むようにしています。ちなみに、「携帯電話機」、「カーナビゲーションシステム」は1995年基準から企業物価指数に採用しています。

2−18. 調査対象商品を変更する際に、新旧商品に質的な差がある場合、両者の価格差を、企業物価指数上でどのように処理しているのですか。

技術進歩が著しい商品の場合、新しく登場した商品の方が旧来の商品よりも機能的に優れているのが一般的です。その場合、新旧商品の価格差の中には、(a)機能(品質)向上に伴う価格上昇部分と、(b)品質変化の影響を除いた実質的な価格変動部分という2つの要素が含まれています。一方、物価指数は、「同じ機能(品質)の商品が同じ条件で取引された場合の価格の動きを把握する」ことを目的としているため、両商品の表面上の価格差から、(b)の実質的な価格変動部分のみを取り出して、指数に反映させる必要があります(こうした作業を一般的に「品質調整」と呼びます)。企業物価指数では、技術革新等の効果を可能な限り指数に反映させるため、各種手法のメリット・デメリットを見定めながら、積極的に品質調整を行っています。

具体的には、(a)調査先より聴取した新旧両商品の生産コストの差を品質変化に見合う部分とみなす「コスト評価法」、(b)新旧商品が一定期間並行販売され、その間に両者の市場価格の差が安定的に推移している場合に、これを両商品の品質差に見合う部分とみなす「オーバーラップ法」などを用いています。また、パソコンやデジタルカメラのように、商品の価格や性能を表すデータが、市販の雑誌やPOSデータなどから豊富に入手できる場合には、(c)「ヘドニック法」という計量分析的な手法も用いています(項目2-192-202-212-22参照)。これは、既存商品の価格と性能データの関係を推計した式を用いて、新商品が発売された際に新旧両商品の性能に見合う理論価格を試算し、理論価格の差と実際の価格差との乖離幅を値上げ(または値下げ)とみなすというもので、技術革新による品質向上が著しく、プロダクト・サイクルの短い商品に対して使用するメリットの大きい手法です。

新旧商品の価格を接続する手法としては、これ以外に、(d)新旧商品間で品質面での違いがない場合に、両者の価格を直接比較した上で指数に反映させる「直接比較法」、(e)商品の品質自体には変化がないものの、取引数量が変化した場合に、取引数量を合わせたうえで両者の価格を比較する「単価比較法」も用いています。

もっとも、ブラウン管テレビと液晶テレビのように新旧商品が著しく異なる場合や、価格調査先の事業撤退などにより調査対象商品を変更しなければならない場合などには、同一の調査先から新旧商品の生産コストの差や新旧商品の価格差の推移を調査することは困難です。こうしたケースは、調査価格の変更全体の4~5割程度あり、指数上はやむを得ず横這いとして処理するケースが多くなっています。品質調整についてより詳しくお知りになりたい方は、「物価指数の品質調整を巡って —卸売物価指数、企業向けサービス価格指数における現状と課題—」および「国内企業物価指数における品質調整効果」、「卸売物価指数におけるヘドニック・アプローチ —現状と課題—」をご覧ください。また、各種品質調整法の適用実績については、四半期毎に公表している「企業物価指数における調査価格の変更実績」をご覧ください。

2−19. 企業物価指数の中で、ヘドニック法による品質調整を行っている商品には何がありますか。

ヘドニック法は、「商品の品質の差は、両者を構成する諸特性(性能)の数値の差に現れる」との考え方に基づいて、価格と特性値の関係(ヘドニック回帰式)を計量的に推計し、その関係式を用いることで品質変化分による価格変動を分離し、品質変化以外の実質的な価格変動を抽出する方法です。

ヘドニック法を用いる最大のメリットは、品質を評価する際、主観的な判断や恣意性を排し、機能や性能を表すデータと統計的手法に判断基準を求める点にあり、客観性や透明性の面で優れています。また、データさえ収集できれば、比較的容易に品質調整を行えるため、パソコンのように品質変化が激しく、プロダクト・サイクルが短い等の理由で、コスト評価法やオーバーラップ法といった従来型の品質調整法の適用が困難な商品にも活用できるメリットがあります。こうした観点から、企業物価指数では、以下の表にある品目においてヘドニック法による品質調整を適用しています(2005年6月時点)。

なお、ヘドニック法は、米国、カナダ、オーストラリアのほか、ドイツやオランダなどのEU諸国においても、推計手法の研究や実際に生産者物価指数への適用が進んでいます。また、総務省が作成する「消費者物価指数」でも、2000年基準指数においてパソコンを新規に採用するにあたり、同法の適用を開始しています。同法について詳しくお知りになりたい方は、項目2-202-212-22や、「物価指数の品質調整を巡って —卸売物価指数、企業向けサービス価格指数における現状と課題—」、「卸売物価指数におけるヘドニック・アプローチ —現状と課題—」をご覧ください。また、実際に使用しているヘドニック推計式の内容は、年に1~2回の更新の都度、「ヘドニック法の適用実績」として公表しています。

  • 国内品、輸出品、輸入品では、価格調査段階や販売される市場が異なるため、本来であれば、各々について回帰式を推計すべきである。しかし、(a)輸入品と国内品に関しては、代替性が強く、価格裁定関係が働いていると考えられる、(b)輸出品に関しては、サンプル数が少ないため、輸出先別の推計が不可能である一方、商品の特性自体は国内品や輸入品と共通する部分が大きい、などの理由からこれらを区別せず、データ入手が比較的容易な国内品及び輸入品の国内販売価格を基に推計した式を、国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数に一律に適用している。

2−20. 「パーソナルコンピュ—タ」における品質調整方法について教えてください。

企業物価指数では、国内企業物価指数の品目「パーソナルコンピュータ」、輸出物価指数および輸入物価指数の品目「電子計算機本体」におけるパーソナルコンピュ−タの品質調整の際に、ヘドニック法を適用しています(ヘドニック法全般については項目2-19参照)。

例えば、2005年3月公表のパーソナルコンピュータのヘドニック回帰式(2000年基準企業物価指数 (CGPI)の参考資料「ヘドニック法の適用実績(パーソナルコンピュータ)」)では、「CPUのクロック周波数」、「2次キャッシュ容量」、「搭載メモリ容量」、「HDD容量」、「画面サイズ」、「光学ドライブの記録速度」等がパーソナルコンピュータの特性として用いられています。このような特性を変数とするヘドニック回帰式を推計し、推計された回帰式を用いて、諸特性の変化による「品質変化に見合う価格変化」を定量的に把握し、品質調整を行っております。

パーソナルコンピュータに対するヘドニック法の適用は、1990年基準卸売物価指数から始めております(注)。当初は、原則1年に1回の間隔で過去2年間に発売されたパーソナルコンピュータ(デスクトップ型およびノート型)をサンプルとして、ヘドニック回帰式の推計を行っていました(データ収集の都合上2年に1回程度となることもありました)。その後、発売されるモデル数の増加に伴い、2000年以降はヘドニック回帰式を推計する際に使用するサンプルを過去1年間に発売されたものに変更し、同時にデスクトップ型とノート型に推計対象サンプルを分けて推計を行うこととしました。また、パーソナルコンピュータの技術革新のスピードが速くなっていることを考慮して、2000年下期からは推計を年に2回(原則として2月・8月指数分より更新)行うこととしました。

  • 「パーソナルコンピュータ」は、1990年基準卸売物価指数、1995年基準卸売物価指数では、2000年基準国内企業物価指数と品目構成が異なっているため、国内卸売物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数の品目「電子計算機本体」の調査対象に含まれておりました。

2−21. 「汎用コンピュータ・サーバ」における品質調整方法について教えてください。

企業物価指数では、国内企業物価指数の品目「汎用コンピュータ・サーバ」、輸出物価指数および輸入物価指数の品目「電子計算機本体」におけるサーバの品質調整の際に、ヘドニック法を適用しています(ヘドニック法全般については項目2-19参照)。

例えば、サーバのヘドニック回帰式(2000年基準企業物価指数 (CGPI)の参考資料「ヘドニック法の適用実績(汎用コンピュータ・サーバ<うち、サーバ>)」)では、「CPUクロック周波数」、「最大キャッシュメモリ容量」、「最大搭載ハードディスク容量」、「最大搭載メモリ容量」、等がサーバの特性として用いられています。このような特性を変数とするヘドニック回帰式を推計し、推計された回帰式を用いて、諸特性の変化による「品質変化に見合う価格変化」を定量的に把握し、品質調整を行っております。なお、2005年6月公表の再推計では、性能に応じて用途やユーザー、価格帯が大きく異なることから、CPUの最大搭載個数4個以上の機種(上位機種)と2個以下の機種(下位機種)に分けて推計を行っています。

「汎用コンピュータ」に対するヘドニック法の適用は(注1)、1990年基準卸売物価指数から始めました。過去2年間に発売された汎用コンピュータをサンプルとして、原則1年に1回の間隔でヘドニック回帰式の再推計を行っていましたが(データ収集の都合上2年に1回程度となることもありました)、各商品の品質をあらわす主要な特性が数値により把握可能である、そうした特性と価格に関する大量のデータを収集できる、という条件が満たされなくなったため、2001年にヘドニック法による品質調整を止め、コスト評価による品質調整に切り替えました。しかし、その後、パソコンに近い仕様であるPCサーバが普及し、推計に使用可能なデータが入手可能になったため、2000年基準企業物価指数(注2)から国内企業物価指数の品目「汎用コンピュータ・サーバ」、輸出物価指数および輸入物価指数の品目「電子計算機本体」におけるPCサーバおよびUNIXサーバに対するヘドニック法の適用を開始しました。

ただ、推計に用いるサンプルとしてはPCサーバのみを用いています。これは、UNIXサーバのみを推計対象サンプルとして推計を行うには十分なデータが収集できないこと、UNIXサーバについてもPCサーバと製品の使用目的がほぼ同一であり、ユーザーが要求する品質は共通していることなどから、PCサーバのヘドニック回帰式の推計結果をUNIXサーバに代用しております。

  1. (注1)「汎用コンピュータ」は、1990年基準卸売物価指数、1995年基準卸売物価指数では、2000年基準企業物価指数と品目構成が異なっているため、国内卸売物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数の品目「電子計算機本体」の調査対象に含まれておりました。
  2. (注2)2000年基準企業物価指数については、2002年12月に改定結果と2000年1月以降の指数を併せて公表しました。

2−22. ヘドニック法による品質調整を行うと、指数の値下がりを実態以上に反映してしまうことはありませんか。

企業物価指数では調査価格を変更する際に品質調整を行っており(詳しくは項目2-18参照)、ヘドニック法はその手法の一つです。品質調整に用いるヘドニック回帰式は、ある時点において市場に出回っている商品の特性と価格情報から、統計的に有意と判定されて得られた回帰式ですので、これをもって、品質調整が過大になるとは言えません。また、ヘドニック法による品質調整によって、パーソナルコンピュータなどの指数が、表面価格の動きに比べ、大きく下落してきたことは事実ですが、この間の品質向上分が、他の品質調整法に比べて過大評価されていると言うこともできません。ただし、推計に用いるデータが得られないため、ヘドニック回帰式に含めることができないような特性があること、技術革新の速度が速いため、ヘドニック回帰式のパラメータが陳腐化してしまう可能性があることなど、ヘドニック法にも一定の限界があることには留意する必要があります。

2−23. 商品の多様化や個々の商品における価格の多様化(一物多価)が一段と進んでいますが、企業物価指数では、これにどのように対処しているのですか。

企業物価指数では、品質変化の影響を除いた純粋な価格変動を把握するため、予め商品やその取引条件(取引の相手先、取引数量等)を指定したうえで、値引きなどを含めた実勢価格を調査することを原則としています。

しかし、需要家サイドにおけるニーズの多様化や情報通信技術の発展に伴い、生産者側が自社製品の差別化や取引先毎の特徴に応じたきめ細かい価格設定に努めた結果、商品の多様化や企業の価格設定の多様化(一物多価)が一段と進んでいます。このため、品目によっては、商品やその取引条件を細かく指定する従来型の価格調査方法によっては、実勢価格を的確に把握することが難しいケースが増えてきています。

日本銀行では、1995年基準卸売物価指数から2000年基準企業物価指数への改定の際に、調査価格数を大幅に増加させることで、こうした状況に対処しました(詳しくは、「卸売物価指数の基準改定(2000年基準企業物価指数<CGPI>への移行)の結果」、「企業物価指数・2000年基準指数の特徴点」をご覧ください)。もっとも、商品の多様化や企業の価格設定の多様化が急速に進んでいる一部商品については、調査対象を細かく指定すると同一条件での取引事例がかなり少なくなってしまい、調査価格数を増やすだけでは精度面で十分な効果を期待し難いのが実情です。具体的には、以下のような商品の場合です。

(a)商品の個別性が高まっている商品

  • 多品種少量生産型の消費財の一部(衣料品等)
  • オーダーメイド型の機械類の一部(半導体製造装置、工作機械等)

(b)個別交渉における値引きが多様化している商品

  • 化学製品、電気機器、一般機器、金属製品等の一部

(c)特売頻度が増加する等の形で価格下落が進んでいる商品

  • 加工食品、衣料品、パルプ・紙・同等品等の一部

そこで、企業物価指数ではこうした場合に限り、価格動向を把握するための次善的対応として、「平均価格(月間取引金額/月間取引数量)」の調査を行っております。その際には、物価指数の大前提である「品質一定の条件」を損なうことがないよう、(a)できる限り商品を特定する、(b)取引の相手先による価格の違いが無視し得ない場合は取引の相手先を固定するなどの制限を設け、個々の商品の取引実態を見極めるなど、慎重に平均価格の採否を検討したうえで、価格動向の把握に努めております(項目2-242-25参照)。

2−24. 平均価格は、「品質一定の価格を調査する」という物価指数の原則に反することはありませんか。

項目2-23でみたように、商品の多様化や個々の商品における価格の多様化(一物多価)が一段と進む中で、商品やその取引条件(取引の相手先や取引数量等)を細かく指定する従来型の調査方法では、実勢価格の動向を的確に把握することが難しいケースが増えてきています。こうした状況に対処するため、企業物価指数では一部の商品について、品質一定の条件を損なわない範囲内で平均価格(月間取引金額/月間取引数量)による価格調査を導入しております。

ただし、物価指数の大前提である「品質一定」の条件を損なわないためには、平均価格の採用基準を厳格に定義しておく必要があります。例えば、価格水準が違う複数の商品を平均した場合、今月はたまたま価格水準が高い商品の取扱いが多かった(少なかった)という技術的な要因によって、平均価格が上昇(下落)してしまいます。また、同じ商品であっても、価格水準が違う複数の取引先向けの価格を平均した場合には、同様の問題が発生します。

こうした問題(品質<商品や取引先>の違いによる価格の振れ)を回避するため、以下のような基準に従って、個々の調査価格毎に平均価格の導入の是非を判断しております。

(a)取引相手先の違いによる価格の違いが存在する場合。

  • 「商品」と「取引相手先」の双方を固定した平均価格

(b)取引相手先の違いによる価格の違いを無視し得る場合。

  • 「商品」を固定した平均価格

(c)商品の個別性が強いため代表的商品の特定が困難で、かつ取引相手先の違いによる価格の違いが存在する場合。

  • 「機能・用途が類似した幾つかの商品(商品群)」と「取引相手先」の双方を固定した平均価格

(d)商品の個別性が強いため代表的商品の特定が困難で、かつ取引相手先の違いによる価格の違いを無視し得る場合。

  • 「機能・用途が類似した幾つかの商品(商品群)」を固定した平均価格

2002年10月25日時点の国内企業物価指数における平均価格のタイプ別割合を見ると、(a)「商品・取引相手先固定平均価格」は47%、(b)「商品固定平均価格」は31%、(c)「商品群・取引相手先固定平均価格」は6%、(d)「商品群固定平均価格」は8%となっています(詳細は、「2000年基準企業物価指数 (CGPI)調査価格の性質一覧」をご覧ください)。

2−25. 平均価格による調査は、具体的には、どのような商品で導入されていますか。

2002年10月25日時点の国内企業物価指数における調査価格数全体に占める平均価格(項目2-24参照)の割合は12%となっています。国内企業物価指数における平均価格の割合が高い類別を見てみると、「加工食品」が50%、「パルプ・紙・同製品」が22%、「繊維製品」が20%となっています。具体的には以下のような品目において、平均価格による価格調査が行われております(詳細は、「2000年基準企業物価指数 (CGPI)調査価格の性質一覧」をご覧ください)。

(a)商品の個別性が高まっている商品

  • 多品種少量生産型の消費財の一部
    類別「繊維製品」の品目「女子用スーツ・スカート類」、「背広服・ズボン類」、「セーター」等
  • オーダーメイド型の機械類の一部
    類別「一般機器」の品目「エレベータ」、「半導体製造装置」等

(b)個別交渉における値引きが多様化している商品
類別「化学製品」の品目「ポリプロピレン」、類別「電気機器」の品目「モス型ロジック集積回路」、類別「プラスチック製品」の品目「プラスチックフィルムシート」等

(c)特売頻度が増加する等の形で価格下落が進んでいる商品
類別「加工食品」の品目「ベーコン」、「ルウ」、「炭酸飲料」、類別「繊維製品」の品目「ブラウス」、類別「パルプ・紙・同製品」の品目「紙製衛生用品」等

また、2002年10月25日時点の輸出物価指数、輸入物価指数における調査価格数全体に占める平均価格の割合はそれぞれ2%程度となっております。

なお、平均価格による調査を行った方が(または一旦採用した平均価格であっても、その後の状況変化により平均価格による調査を取り止めた方が)、的確に価格動向を把握できるという場合には、価格調査方法を適宜変更しております。四半期毎の変更状況につきましては「企業物価指数における調査価格の変更実績」において公表しております。

2−26. 円ベースの輸出入物価指数を作成する際にどのような為替相場を用いているのですか。

円ベースの輸出入物価指数を作成する際には、契約通貨建て価格を銀行の対顧客電信直物相場(仲値(注1))の月間平均値により、調査価格ごとに円価格に換算のうえ指数化しています。その際、契約の有無にかかわらず、その月の為替相場の動きを一律に反映させるかたちで、円換算を行っております(したがって、その月に契約がなく、契約通貨建て価格<指数>が横這いの時でも、為替相場が変化すれば、円ベース価格<指数>は変動します)ので(注2)、輸出入物価指数、需要段階別・用途別指数などをご利用になる際にはご注意ください。

  1. (注1)2000年基準企業物価指数の2004年12月指数までは、輸出=外貨の買相場、輸入=外貨の売相場を使用していました。
  2. (注2)1995年基準卸売物価指数の2000年1月指数より、この為替相場の反映方法に変更しました。1995年基準卸売物価指数の1999年12月分指数までは、その月に契約がなかった場合には契約通貨建て価格(指数)だけでなく、円換算に用いる為替相場についても前回調査比横這い(従って円換算価格<指数>も横這い)としていました。

2−27. 輸出入物価指数における契約通貨別の構成比はどのようになっていますか。

2004年12月指数では、輸出物価指数の場合、円建てが32.3%、外貨建てが67.7%(米ドル建てが53.8%)、また、輸入物価指数の場合は、円建てが23.6%、外貨建てが76.4%(米ドル建てが71.1%)となっています。

なお、1999年12月指数からは総平均ベースだけでなく類別ごとの内訳についても、2000年基準企業物価指数 (CGPI)の関連資料「輸出入物価指数の契約通貨別構成比」および『物価指数月報』で公表(原則として各年12月指数での構成比を掲載)しています。

2−28. 貿易指数の価格指数と輸出物価指数・輸入物価指数はどのような点が異なりますか。

貿易指数は財務省『日本貿易月表(いわゆる貿易統計<通関統計>)』のデータを指数化したもので、主に金額指数、価格指数、数量指数で構成されております。そのうちの価格指数は、通関ベースの輸出入金額を輸出入数量で割り込んで求めた品目ごとの輸出入1単位あたりの平均単価を価格データとして利用しているため、商品の品質・性能の変化、取引条件の違いが価格に反映されています。さらに、指数算式についても、貿易価格指数は基準時ウエイトと各時(比較時)ウエイトの両方を用いたフィッシャー指数算式(注)を採用しているのに対し、輸出入物価指数では『日本貿易月表』により計算された基準時ウエイトを用いたラスパイレス指数算式を採用している点で異なっています。

  • フィッシャー指数は、ラスパイレス指数とパーシェ指数を幾何平均したものです(項目1-9参照)。

2−29. 参考指数の「需要段階別・用途別指数」とはどのような指数なのですか。

企業物価指数の参考指数「需要段階別・用途別指数」は、基本分類指数である国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数を、商品の需要段階や用途に着目した分類に組み替えて集計した指数です。まず、当該品目が内需にあてられるか、輸出に向けられるかによって、「国内需要財」(国内品+輸入品)と「輸出品」に分類し、さらに「国内需要財」については、総務省『産業連関表』を参考に、生産活動のため使用、消費されるもの(『産業連関表』の中間需要に相当)を「素原材料」(未加工のもの)と「中間財」(加工過程を経たもの)に、最終需要にあてられるものを「最終財」と、需要段階別に分類します。さらに「国内需要財」については、当該品目がいかなる用途に使用されるかによって経済産業省『鉱工業指数』の財別分類などを参考に用途別に分類、「輸出品」については、海外での用途を把握するのが困難なため、やむを得ず同種商品の国内での用途に準じて用途別に分類しています。

なお、需要段階ないし用途が2つ以上の分類項目に該当する品目(たとえば、「鶏卵」はそのまま食用となるほか、一部はケーキなどの原材料ともなる)については、できる限り需要段階ないし用途に応じてウエイトを分割しています(ただし、データの制約などからウエイト分割比率の算出が困難な場合は、やむを得ず主たる分類項目に品目ウエイトを一括割り当てています)。また、輸出品のウエイト分割比率は、国内品に準じて算出しています。

この「需要段階別・用途別指数」を用いて、素原材料(例えば原油などが含まれる加工用素原材料)の価格動向と、中間財(例えばナフサなどが含まれる製品原材料)、最終財(例えばプラスチック製日用品などが含まれる)の価格動向を比べることによって、素材原料から最終財への価格に対する波及効果を分析することや、最終財における資本財(例えば重電機器などが含まれる)と耐久消費財(例えばテレビやデジタルカメラなどの家電などが含まれる)と非耐久消費財(例えば食品や衣料などが含まれる)を比べることにより、最終財の中での価格動向の違いを分析することなどが可能となります。

また、「消費者物価指数」との関係では、国内需要財の「消費財」が最終消費財の企業間取引価格の動向を示していることを考えると、最終消費財が最終消費者へ販売される際の価格動向を示す「消費者物価指数」の価格動向の、先行きを考える上での参考材料となると考えられます(下図のグレー部分)。ただし、輸入財が国内需要財に含まれていますが、輸入物価指数が契約通貨による取引価格に単純に為替を掛け合わせて作成されている(詳細は項目2-26を参照)ため、為替予約等によって為替の影響を軽減するような実際の商慣行などとの乖離があることは注意が必要です。

需要段階別・用途別指数(国内需要財)の分類編成

品目の分類やウエイトに関しては「2000年基準企業物価指数 (CGPI)の関連資料」の「2000年基準企業物価指数 (CGPI)需要段階別・用途別指数 品目・分類編成・ウエイト一覧」をご覧ください。

2−30. 参考指数の「連鎖方式による国内企業物価指数」(連鎖指数)とはどのような指数なのですか。

現行のラスパイレス指数は、「基準時以外のウエイトデータ収集が不要である」、「毎月の指数計算が比較的容易である」、「経済統計で重視される速報性に富んでいる」、などの様々なメリットがある一方、ウエイトを基準時に固定しているため、(a)基準時から時間が経過するにつれ、各商品のウエイトと実際の取引シェアが乖離し、指数の精度が低下するという弱点を抱えています(詳細は項目1-51-91-11参照)。また、(b)個々の商品の総平均指数への影響度は、その商品の指数に基準時ウエイトを乗じた「加重指数」の大きさで決まってくるため、ある商品の指数水準が大幅に低下(上昇)した場合、同商品の価格変動が総平均指数に与える影響度が低下(上昇)する、といった問題もあります。 このため、企業物価指数では5年に一度、指数の基準年およびウエイトの算定年次を更新する基準改定を行うことにより、これらの問題について対処しています。

一方、一般的に連鎖指数は、毎期ウエイトを更新したうえで、前期に対する今期の指数(前期=100とした指数)を作成し、基準時以降、そのようにして作成された指数を掛け合わせることによって作成される指数です。言い換えれば、連鎖指数を用いれば、基準時以降のウエイトの変化を指数に反映することができます。また、個々の指数水準の違いにより、総平均指数への影響度が変わるという問題も回避できます(この点については、簡単な仮説例を後述します)。

このため、企業物価指数への移行の際に、現行のラスパイレス指数を補完する参考指数として、国内企業物価指数についてウエイトを毎年更新する「連鎖方式による国内企業物価指数」(連鎖指数)を、参考指数として月次で公表することとしました。これは、できるだけ最近時に近いウエイトで月々の物価変動を捉えることが、急速に変化している経済の実態を推し測るうえでの一つの材料になり得るとの考え方によるものです。

下表は、上記(b)の問題を簡単な数値例でみたものです((a)については項目1-5でみた基準改定の効果と同様です)。

仮説例(簡単化のため商品A、Bのウエイトは等しいと仮定)

例えば、商品Aと商品Bの2つから成る物価指数において、商品Aの価格が横ばい、商品Bが毎年20%ずつ低下するケース(簡単化のため両商品のウエイトは等しいとする)を考えてみましょう。ラスパイレス指数の場合は、個々の商品の変化率が変わらないにもかかわらず、(a)全体の価格下落率が、1年目10.0%、2年目8.9%、3年目7.8%といった形で次第に縮小する一方、(b)基準改定が行われると、各指数の水準が100に戻ることで再び下落率が10.0%に拡大する、という特徴があります。これは、商品Bの指数レベルが低下するにつれ、指数全体に対する影響度が小さくなっていくためです。

一方、連鎖指数の場合は、何年目になっても、商品Bの前期に対する今期の指数は80、両商品のウエイトは等しい(かつ不変)としているため、全体でみた前期に対する今期の指数も90で不変です。従って、基準年を100とした全体の指数は、1年目が90.0(=100.0×90.0/100.0)、2年目が81.0(=90.0×90.0/100.0)、3年目が72.9(=81.0×90.0/100.0)となり、商品Bの指数レベルが基準年から離れるにつれ低下したとしても(また基準改定により指数レベルが100に戻ったとしても)、各年の下落率は10.0%で変わりません。

なお、ラスパイレス指数との違いについては、項目2-31にも記述してあります。また、連鎖指数に関する詳細な資料は、「『連鎖方式による国内企業物価指数』の公表 —『連鎖指数』導入の意義とその特徴点—」、「2002年ウエイトを反映した『連鎖方式による国内企業物価指数』の公表」、日銀レビュー「連鎖方式による国内企業物価指数」をご参照ください。

2−31. 現在の基本分類指数である「国内企業物価指数」(ラスパイレス指数)と「連鎖方式による国内企業物価指数」(連鎖指数)の違いは何ですか。

ラスパイレス指数には(a)基準時から時間が経過するにつれ、各商品のウエイトと実際の取引シェアが乖離し、指数の精度が低下する、(b)個々の商品の総平均指数への影響度は、その商品の指数に基準時ウエイトを乗じた「加重指数」の大きさで決まってくるため、ある商品の指数水準が大幅に低下(上昇)した場合、同商品の価格変動が総平均指数に与える影響度が低下(上昇)する、という二つの弱点があります(詳しくは項目2-30参照)。そこで、企業物価指数の参考指数として公表している「連鎖方式による国内企業物価指数」(連鎖指数)では、「1年毎にウエイトを更新する(注1)」ことで(a)の影響を、「1年ごとに指数水準を100に基準化して求めた指数を順次掛け合わせて指数を作成」することにより(b)の影響を極力回避しております。さらに、調査価格指数を品目指数に集計する段階における指数算式も両指数では異なっています(注2)

基準時からの時間経過に伴うウエイトの変化の度合いを測るパーシェ・チェック(注3)を国内企業物価指数について行った結果は、1990~1995年:-1.2%、1995年~2000年:-3.5%となっています。このことからラスパイレス指数とパーシェ指数の乖離率は近年拡大傾向にあり、ウエイトの変化が加速していることが窺われます。次に、個別品目のラスパイレス指数水準(2005年7月時点)をみてみますと、品目「パーソナルコンピュータ」、「汎用コンピュータ・サーバ」、「モス型メモリ集積回路」等の指数水準が50以下である一方、品目「大豆」、「銅くず」、「小型棒鋼」等の指数水準は200以上となっています。

こうした時間経過によるウエイトの変化や指数水準の大幅低下(上昇)に伴う総平均指数など上位指数へ与える影響の違いによって、2000年1月から2005年7月までの「国内企業物価指数」(ラスパイレス指数)と「連鎖方式による国内企業物価指数(2000~2002年ウエイト)」(連鎖指数)は、下図のように乖離しております。

したがって、できるだけ最近のウエイトを用いて物価変動を捉える「連鎖方式による国内企業物価指数」(連鎖指数)は、急速に変化している経済の実態を推し測る上で有用であり、速報性の代償として発生するラスパイレス指数の欠点を補完するという意味で重要であると考えています。ただし、「連鎖指数」にも、価格が大きく上下動する場合には、連鎖指数がラスパイレス指数よりも上方に乖離してしまうという特有のバイアスがあるなどの課題があるため、参考指数にとどめています。

「国内企業物価指数」(ラスパイレス指数)と「連鎖方式による国内企業物価指数(2000~2002年ウエイト)」(連鎖指数)の推移

  • 国内企業物価指数について、2000年~2002年ウエイトの連鎖指数と、2000年基準の通常のラスパイレス指数を比較したグラフ。時間が経過して基準年の2000年から離れるに連れ、連鎖指数対比でラスパイレス指数は上方に乖離している。
  1. (注1)「連鎖方式による国内企業物価指数」(連鎖指数)では品目以上のウエイトについて1年に一度(原則として10月)更新しております。ただし、例えばt年の指数公表時にはt-1年のウエイトデータは利用可能ではないため、その時点で利用可能な最新(t-2年またはt-3年)のウエイトデータを利用して暫定値を公表し、t-1年のウエイトが利用可能となった時点で暫定値から確定値へリバイスしています。
  2. (注2)「国内企業物価指数」(ラスパイレス指数)では「調査価格レベルから総平均レベルにいたる集計段階」において、「算術平均算式」を用いています。一方で、「連鎖方式による国内企業物価指数」(連鎖指数)ではウエイトを更新する「品目レベルから総平均レベルにいたる集計段階」までは「算術平均算式」を用いていますが、ウエイトを更新しない「調査価格レベルから品目レベルにいたる集計段階」では「幾何平均算式」を用いています。
  3. (注3)パーシェ・チェックとは「ラスパイレス指数とパーシェ指数との差」を「ラスパイレス指数」で割った乖離率を求め、ラスパイレス指数がパーシェ指数とどの程度乖離しているかを検証するものです。この乖離率が大きいほど、期間中のウエイト変化のインパクトが大きかったと評価できます。

2−32. 消費税等の間接税は指数を作成する上でどのように扱われていますか。

国内企業物価指数は、消費税を含むベースで作成しています。より正確に言うと、消費税を含まないベースで調査した価格に機械的に消費税率を乗じている場合と、消費税を含むベースの価格を直接調査している場合があります(前者のケースが多くなっています)。また、国内企業物価指数には、消費税のほか、酒税、揮発油税、たばこ税、石油ガス税等の個別間接税も、原則として含まれています。

一方、(a)輸出物価指数は、原則として本邦からの船積み段階の価格を、また、(b)輸入物価指数は、原則として本邦への入着段階の価格を調査しており、いずれも消費税を含まないベースで作成しています。

もっとも、国内企業物価指数については、商品の需給動向の分析や国民経済計算等の算定に利用する観点から、「消費税を除くベース」で作成して欲しいとのニーズも少なくありませんでした。このため、2000年基準企業物価指数より「消費税を除く国内企業物価指数」および「消費税を除く国内需要財指数」を作成し、参考指数として公表することとしました。

2−33. 企業物価指数は季節調整されていますか。

企業物価指数の中には、比較的はっきりした季節変動を示す品目があります。しかし、こうした品目は全体からみればごく僅かであり、「総平均」のレベルでは季節性が観察されないことから、企業物価指数に対する季節調整は実施していません。

なお、電力料金については、夏季割り増し電力料金 (7~9月に適用)という特別料金が課せられることによる季節性が観察されるため、影響のある月の公表資料 (7~10月速報指数の公表資料)において夏季電力料金を除くベースによる国内企業物価指数総平均の騰落率 (前月比・前年比)について、参考までに言及しています。ちなみに、2000年基準国内企業物価指数の総平均についてみると、国内企業物価指数の総平均と夏季電力料金を除くベースでの国内企業物価指数の総平均の前月比の差は約0.2%となっております。

なお、季節調整のプログラム(X-12-ARIMA)は、米国商務省センサス局(外部サイトへのリンク)のホームページから入手することができます。

2−34. 価格調査から指数公表までの事務の流れについて教えてください。

企業物価指数は、統計法第8条に基づき、総務大臣に届出を行ったうえで実施している「届出統計調査」の1つであり、届出た書面によって毎月行っています。具体的には、毎月中旬に所定の「価格調査表」(2000年基準企業物価指数 (CGPI)の関連資料「価格調査表の雛型」参照)を価格調査先に送付し、予め特定された商品のその月における代表的な取引価格を記入していただいたうえで、翌月初に回収しています。その際、価格調査先に対しては、その月に契約が行われた主要取引先への販売価格をご報告いただくことを原則として依頼しています。回収された「価格調査表」(調査価格)は、調査統計局物価統計担当部署の約20名の担当者によって精査されたうえで集計システムに入力され、企業物価指数が作成されます。作成された指数は、速報は翌月の、確報は翌々月の第8営業日(定例的な遡及結果が反映される4月、10月の公表日は第9営業日)の午前8時50分に対外公表することを原則としています。なお、最新データの公表時間などについては、項目2-39および2-40をご覧ください。

2−35. 速報と確報について教えてください。

企業物価指数への移行に伴う調査価格数の大幅な積み増しや平均価格による調査の一部導入といった調査方法の変更・多様化などにより、従来よりも価格調査に時間を要するものが増えてきました。このため、公表の速報性に対するユーザーニーズとともに、統計精度の維持・向上を両立させる目的から、翌月の公表日(原則として第8営業日)に当月指数の「速報値」を公表し、翌々月の公表日に速報値をリバイスして「確報値」を公表するという、「速報・確報」公表体制に移行しました。

速報時点ではその時点までに調査された価格については、全て指数に反映させ、未回収の調査価格については、原則として前月指数レベルで横這いとして処理しています。その後、確報時点までに調査された価格について、確報のタイミングで指数に反映しています。ただし、速報段階で調査先から回答が得られなかった調査価格のうち、その時系列の変動に明確な季節性がみられるものについては、その季節性を考慮した補完を実施しています。

現時点では、平均価格による調査の多い類別「加工食品」等では、当月の調査価格が速報時点よりも確報時点で反映されるものが多いため、速報の数値の取り扱いについては注意が必要です。

2−36. 企業物価指数は、時折、過去の計数が訂正されていますが、どういう場合にリバイスを行っているのですか。何かルールはあるのですか。また、何を見ればそれがわかりますか。

企業物価指数における遡及訂正には(1)定期遡及訂正と、(2)即時遡及訂正があります。

(1)定期遡及訂正

企業物価指数では、年2回、4・10月の3・9月速報(2・8月確報)公表時に、遡及訂正を実施しています(注1)。原則として直近1年分を対象にして実施することとしています。遡及訂正の対象となるのは、以下のようなケースです(注2)

  1. (a)指数公表後に計数に誤りが判明した場合
  2. (b)調査先からの価格報告がその月の指数作成期限に間に合わなかった場合
  3. (c)当該四半期等の価格が後決めされる場合(注3)
  1. (注1)指数精度をより高めるために、1995年基準卸売物価指数において2001年10月から新たに開始しました。
  2. (注2)このほか、(d)割引を含めた実勢価格等、指数公表後により適切な計数が判明した場合についても、遡及訂正を実施することとしています(例えば、企業向けサービス価格指数における通信のケース。項目3-29参照)。
  3. (注3)C重油、エチレンといった石油化学製品等では、例えば「4~6月分の出荷価格が6月に決まる(正式な価格が後決めされる)」といった商慣行が一般的な場合があります。こうした商品の一部では、価格が正式に決まる前にメーカーが提示する仮価格(コスト変動を見込んだ暫定的決済価格)によって取引が行われるケースがみられるため、正式価格が決着するまでの間、仮価格を利用して指数を作成し、定期遡及訂正のタイミングで仮価格ベースの指数を決着価格ベースの指数にリバイスしています(項目2-9(3)参照)。

(2)即時遡及訂正

上記(a)(b)のうち、「影響度が大きいもの」(それにより総平均指数に影響が及ぶ場合か、総平均に影響が及ばなくとも、個別の品目、商品群、小類別、類別などにおいて騰落率が大幅に変化し、利用者の分析に支障をきたすと思われる場合)については、より迅速な対応が望ましいと思われるため、上記とは別に、要訂正の事実が判明した段階で「速やかに」訂正を実施することとしています。

訂正を行った場合には、「企業物価指数の遡及訂正について」で公表しています。

なお、これ以外にも、5年に一度の基準改定の際には、全ての指数が過去に遡ってリバイスされますのでご注意ください。

2−37. 企業物価指数は5年毎に基準改定されていますが、企業物価の動きを長期的な時系列で眺めたい場合はどうすればよいのですか。

企業物価指数の長期時系列データには以下の2種類がありますので、用途に応じてご利用ください(詳細は、2000年基準企業物価指数 (CGPI)の関連資料「2000年基準企業物価指数(CGPI)指数体系一覧」参照)。ただし、これら指数は、各基準年毎の指数を長期にわたって繋いだものであるため、5年毎の基準改定によって、(a)採用品目やウエイトが見直されていること、(b)基準年の変更により個々の指数レベルが一旦基準年=100.0に戻るため、品目指数の変化率が変らなくても、総平均等の上位分類指数へ及ぼす影響度が変わっていること(項目2-30参照)から、厳密には、基準年が切り替わる時点で指数の性格が変化している点にご注意ください。

(a)「2000年基準接続指数」

これは、現行基準(2000年基準)指数のベースで、過去に遡って計算した指数です。2000年基準接続指数の場合、基本分類指数および参考指数のうち「需要段階別・用途別指数」、「国内・輸出・輸入の平均指数」については、原則として、1960(昭和35)年1月まで、「消費税を除く国内企業物価指数」、「消費税を除く国内需要財指数」については1985(昭和60)年1月まで、「連鎖方式による国内企業物価指数」については1995年1月まで、「類別」以上、ないしはそれに準ずる上位の指数系列を遡及して作成しています。 なお、指数の接続にあたっては、過去の基準指数の分類を2000年基準の基本分類指数または参考指数に組み替えて(採用品目、ウエイトは各基準指数のものを使用)計算しています。

具体的な、2000年基準接続指数の算出式は以下のとおりです。

なお、品目指数などの低い集計レベルの指数に関しては、接続指数を作成・公表しておりませんので、ユーザーの皆様ご自身で、系列ごとに各基準年の新・旧指数からリンク係数を求め、それを旧基準指数に乗じていただく必要があります。

(b)「戦前基準指数」

これは、現行基準(2000年基準)の「国内・輸出・輸入の平均指数」および「需要段階別・用途別指数」を、戦前基準指数の分類(基本分類の12類別および特殊分類<用途別>の5分類)に組み戻して計算したもので、1934~1936(昭和9~11)年平均を1とした指数です。なお、総平均指数は、1900(明治33)年10月、類別指数および特殊分類(用途別)は、概ね1931(昭和6)年まで遡ることができます。

具体的な、戦前基準指数の算出式は以下のとおりです。

2−38. 公表されるのは基準年を100.0とする指数だけで、実際の価格が公表されないのはなぜですか。

企業物価指数で調査している商品の価格は、個々の企業間における値引きなどを含めた実際の取引価格であり、企業のトップシークレットに当たるという点で、消費者向けの小売価格のように誰の目にも明らかになっている「価格」とは性格が全く異なっています。そのような情報を扱う企業物価指数の価格調査は、統計法第8条に基づき総務大臣に届出を行ったうえで実施する「届出統計調査」として、調査実施者に厳格な守秘義務が課せられています。

このため、価格調査に当たっては、調査した価格を対外厳秘とすることが大前提となっており、調査先企業も非公表扱いとしています。さらに、調査先のプライバシー保護の観点から、1品目ごとに複数調査先から3調査価格以上を調査することを原則としています。複数調査先から3調査価格以上を調査することができなかった場合でも、品目として指数動向が適切に把握できた場合は品目として採用し、その品目の指数を非公表扱いとすることを原則としています。なお、現時点<2005年8月>で、非公表の扱いとしている品目指数は、国内企業物価指数の2品目(「アニリン」、「アルキルベンゼン」)、輸出物価指数の2品目(「スイッチング電源」、「テレビジョン・ビデオ用チューナ」)になります。

また、日本銀行において指数作成を担当しております物価統計担当部署では、物価統計担当部署に属する担当者以外の作業エリアへの立入りを禁じるほか、物価統計担当部署に属する担当者であっても業務上の必要がある者以外は、当該情報にアクセスできない扱いにするなどの方法により、回収された価格調査表(調査価格)や対外公表前の集計値等の機密情報を厳格に管理しています。

2−39. 企業物価指数のデータはどこから入手すればよいですか。

毎月の公表資料(「月次公表資料」)は、日本銀行ウェブサイトの「統計・データ」コーナーで、公表時間と同時に閲覧できます。なお、公表日程については同「公表日程」コーナーをご参照ください。

また、「統計・データ」の中の「時系列データ」コーナーをご利用いただけば、企業物価指数、企業向けサービス価格指数などの品目以上の全ての長期時系列データを、電子ベースで入手することが可能です(物価統計だけでなく、マネーサプライや短観など、日本銀行が作成している他の主要統計についてもご利用になれます)。「時系列データ」コーナーへの最新データの掲載時間は、月次公表資料と同じ公表日の午前8時50分です。

また、インターネット以外のデータ入手先としては、以下のものがありますので、あわせてご活用ください。

公表している殆どの系列を掲載しているもの

  • 「物価指数月報」(原則として企業向けサービス価格指数公表日の7営業日後に発刊)
  • 「日本銀行統計」(2月<冬号>、5月<春号>、8月<夏号>、11月<秋号>の第9営業日に発刊)

主要な系列のみを掲載しているもの

  • 「金融経済統計月報」(毎月第18営業日に発刊)

2−40. 指数の内容についての照会はどこにすればよいですか。

日本銀行が作成している物価指数に関するお問い合わせは、下記のいずれかにお願いします。

調査統計局物価統計担当

Tel : 03-3279-1111(内線 4060)

情報サービス局統計照会窓口

Tel : 03-3279-1111