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「全国短観」における定例の標本企業数の追加について

2000年 2月25日
日本銀行調査統計局

3月短観調査より、「全国短観(全国企業短期経済観測調査)」の標本企業数(調査対象企業数)を50社追加することとしましたので、お知らせします(この結果、3月短観の標本企業数は、9,205社となります)。

「全国短観」の標本企業数は倒産等により減少しますが、こうした標本企業数の減少に伴う統計精度の低下を防ぐため、定期的(年1回)に統計精度のチェック((1)売上高の母集団推計値の誤差率が目標の範囲内<製造業3%、非製造業5%>に収まっているか、(2)標本企業の分布が、母集団企業の分布から乖離していないか)を行ない、統計精度が低下している場合には、新たな標本企業(無作為に抽出)を追加することにしています(「全国短観の作成方法」<日本銀行調査月報1999年6月号>をご参照下さい)。

今回は、前回12月調査の標本について統計精度をチェックし、その結果、上記のとおり、標本企業数を50社追加することとしましたが、その詳細は以下のとおりです。

(1)母集団推計値の誤差率

母集団推計値の誤差率(売上高)(注1)は、業種別・規模別6区分いずれについても、目標の範囲内(製造業3%、非製造業5%)に収まっていました。

【1999年12月調査の誤差率<売上高>】 単位%
  大企業 中堅企業 中小企業
製造業 現状 2.3 2.4 2.5
目標 3.0 3.0 3.0
非製造業 現状 4.7 4.1 3.3
目標 5.0 5.0 5.0
  1. (注1)全国短観では、標本調査を行ない、それを基に母集団推計していますが、この母集団推計値には、推計誤差が存在するため、幅を持ってみる必要があります。全国短観では、真の値が、母集団推計値を中心に3〜5%の範囲に概ね含まれるように標本を設計しています。

(2)標本の分布

全国短観では、業種別および規模別(常用雇用者数で区分)に118の区分を設けていますが、これらの各区分について、標本企業の分布状況(常用雇用者数でみた分布状況)が母集団企業の分布状況を適切に反映しているか否かについてチェックしました。

今回のチェックの結果、8区分について標本企業の分布と母集団企業の分布に乖離がみられた(注2)ほか、今後標本企業の減少に伴い両者に乖離が発生する可能性が高い区分があることが判明しましたので、これらの区分については、標本企業数を追加(50社、別紙参照)することにより、補正しました。

  1. (注2)「標本企業の分布と母集団企業の分布は同一の形状である」という帰無仮説について、適合度のχ2検定を行ない、棄却あるいは検定に必要な標本数を満たさないことが判明した場合、標本企業の分布と母集団企業の分布に乖離があるとみなしています。

以上

(別紙)

追加標本企業数の業種別・規模別内訳 [PDF 152KB]