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「時系列統計データの提供方法等の見直しについて」に対して頂いたご意見について

2006年7月12日
日本銀行調査統計局

 日本銀行では、本年5月に「時系列統計データの提供方法等の見直しについて」を公表し、同案についてユーザーの皆様から広くご意見(パブリックコメント)を募集しました。

 まず、時系列統計データの対外提供方式については、今般皆様から様々な角度から多岐にわたるご意見をいただきました。皆様から寄せられた具体的なご意見の概要を別紙1に取り纏めましたのでご参照ください。日本銀行調査統計局では、今回皆様からいただいたご意見・ご要望を踏まえ、経営資源の効率的な活用の点にも配慮しつつ、時系列統計データの新たな対外提供スキームについて、仕組みや運用面でさらに具体的に検討する方針です。その上で、後日改めて最終方針を公表したいと考えております。

 他機関作成統計の時系列データの掲載中止については、掲載継続を要望するご意見が1名の方から寄せられたものの、「他機関作成統計の転載に力を注ぐよりは、日本銀行でなければできないことに経営資源を優先的に配分すべき」として掲載中止を支持されるご意見も3名の方からお寄せいただきました。日本銀行といたしましては、「時代の流れに応じたデータ提供の高度化のためには経営資源の制約がある中で今回の掲載中止は止むを得ない」という本行の考え方に対し、ある程度皆様方のご理解が得られたと判断し、原案通り掲載を中止とすることとします(別紙2【PDF、26KB】に掲載した統計については、本日掲載分が最終更新となります。なお既掲載分は引き続き掲載します)。これらの統計につきましては、それぞれ原データの入手元(原統計作成機関のホームページ等)を掲載しておりますので、ご不便をおかけして恐縮ですが、そちらをご利用いただきますようお願いします。

 ご多忙中にもかかわらずご意見をお寄せいただいた皆様には、厚くお礼申し上げます。

——— ご意見を頂戴した方々のご芳名は、別紙3に一括して掲載させていただきました。

以上

(別紙1)

統計の対外提供方式の見直しに関して寄せられた具体的なご意見

(1)見直し全体に対するコメント

▽ 現状の仕組みでも、膨大なデータが十分体系的に整理されており、使い勝手も決して悪くないと思いますが、敢えて不便な点を挙げると、必要でない周辺データも一旦手元に取り込む必要があることかと思います。その点、財務省財務総合研究所の「法人企業統計時系列データベース」は、ユーザーPCへの負荷をほとんどかけることなく、かつオーダーメードの形でスムーズにダウンロードできる仕組みになっており(業種・規模・項目の組み合わせが自在にできる)、法人企業統計の分析では、民間業者のデータベースが不要になっているほどです。御社の新システム構築時に、ぜひ参考にしていただきたい事例かと考えます。

▽ データの利用者とはどの階層のことか、どの階層に重点をおいた開発を行うのか
 実は、これがもっとも難しい問題のように思います。日頃から統計データに触れているものにとっては当然のことでも、たまにしかデータを扱わないものにとっては、全く勝手が異なるように思います。学生に対して、統計データを利用した課題を出すと、やはりデータを探し出すことが難しい。データを見つけても、どれを利用すれば良いのか、といった質問を受ける場合があります。もちろん、多くは、利用者側の責任でもあると思います。しかし、初心者でも容易にデータにアクセスできる仕組みをもつことは重要ではないかと思います。また、そうした視点にWeb上でデータを公表する際のヒントも隠されているのではと思います。

▽ 今回の見直しは、ユーザーがサイト検索画面上で検索したい系列の時系列データを選択・抽出し、当該時系列データのみをダウンロード可能とする試みと理解しております。こうした検索機能の提供は、海外でも徐々に広がってきており、できるだけ統計をあるがままの姿で最終エンドユーザーに提供することが潮流となりつつあることが背景にあると認識しています。日本でも、幅広い統計を扱う公的機関がこのような検索機能を装備し、最終エンドユーザーの使い勝手を高める動きは、前向きに評価できると考えられます。

▽ 統計処理のユーザーにとって、時系列データを整備するというのは非常にユーザーフレンドリーな対応だと感じます。クロスセクションデータを提供されるより、はじめからタイムシリーズデータが充実している方が有意義です。

(2)データの接続についてのご要望

▽ 時系列データの断層の扱い
 たとえば、マネー・サプライ統計です。マネーサプライ統計は、捕捉範囲、定義の変更などから、現在は、「1999年3月まで」と「1998年4月以降」に分けて掲載されています。もちろん、定義が異なっているのですから、正確な掲載は現在の方法に拠らざるを得ません。しかし、これはどの程度の利用者であれば対応が可能でしょうか。つまり、断層のあるデータをつなぐ手段、知識を持ち合わせていない者は利用できないと言っているのと同じです。もちろん、公式統計ですから、その扱いは難しいのは分かりますが、「参考」系列として、リンクさせた長期の時系列データも同時に掲載される方が、初歩的な利用者のニーズに適っているのではないでしょうか。

▽ 改廃項目には金利データが含まれていましたが、そうした二次加工データを廃止することは仕方がないとして、預貯金金利の長期時系列データがないことが不便です。もちろん、金利自由化で連続性は確保できないのでしょうが、ユーザーとしては「日本銀行ならば金利の長期時系列データがあるだろう」と思って、BOJ・HPを検索します。現状、不連続が多く使いづらいので、何かの処理をして長期時系列データを整備していただきたいと思います。

▽ 現在の提供の状況の詳細を把握しないままの発言になるが、データの定義や区分が変更された時期を含む時系列データの検索結果については、どのようにされるのであろうか。検索結果の中に、変更の時期と内容の説明も付加されると、利便性が非常に高くなると思う。

(3)データ期種に関するご要望

▽ 今回のご計画では、利用者によるオンディマンドな検索が可能とのことですが、その際、月次統計であれば、四半期で取り出すことも可能(自動的に、平均、加算などの処理ができる)機能があると便利と思います。

▽ 月次データに加えて、四半期・年次などのデータも提供していただければ一層有難いと考えております。具体的には、経済産業省・鉱工業生産指数のように、それぞれの期種のデータをエクセルで提供していただくか、もしくは、財務省・法人企業統計のように、期種を選択できるような形式にしていただくことが出来れば、と存じます。

(4)一覧性の確保についてのご要望

▽ 主要統計が一覧できるようなページの作成
 利用者のニーズは多様で、その全てに応えることは無理なのでしょうが、たとえば、これまでの統計のサイトで、どの統計へのアクセスが多いかはご存知のことかと思います。ちょうど、日本経済新聞の月曜日に掲載される「景気指標」のような、特に、注目を集める統計データばかりを集めたページがあると、初心者には利用しやすいのではないでしょうか。たとえば、短観であれば業況判断DIが最も重視されるでしょうし、外国為替であれば東京市場のSpotの為替(中心もしくは終値)が注目されると思います。そのページに掲載された統計名から、詳細な統計ページへジャンプできるような仕組み、つまり「大⇒小」に至る検索が可能な設計があると良いように思います。
 オンディマンドな検索機能が搭載されることのようですが、この検索機能を使えるのは初心者ではないと思います。ですから、一覧できるページがあると良いように思います。

▽ サイトの検索画面では、利用可能なデータが一覧できるように最初の画面が整備されていることが望まれます。現在では、日銀統計で有用なものが多くあるにもかかわらず、死蔵されているものが少なくありません。細かい指標を使い慣れた人だけのデータベースではなく、初めての来訪者に細部まで手が届くようにそうしたデータが表示される「一覧性の確保」が理想です。

(5)その他のご要望

▽(1) 統計表形式での公表は存続させて欲しいこと

 従来から公表されている「表形式」の統計については、それぞれの統計のクロスセクションでの全体感を把握するためには有用ですので、引続き存続を希望します(存続をお考えかとは思いますが、念のため)。

  1. (2)主要統計の主要系列の一括ダウンロード機能の要望
     ユーザー側が、時系列分析をしていく際、系列1つ1つを指定してダウンロードしていくとなると、相当の手間がかかり非効率となります。このため、オペレーション負担をできるだけ削減するために、日本銀行の中でも代表的な統計を1セットにして、1クリックでダウンロードできるような機能を装備していただくことを要望いたします。また、こうした検索機能は、日本ではあまり馴染みがないため、簡易な操作マニュアルもあわせて掲載していただくと、利用者利便に資すると思います。
  2. (3)最新データの速やかな反映を要望
     最新のデータが公表された場合には、当該時系列データの検索機能でも速やかに利用可能な形で反映していただくことを要望いたします。
  3. (4)英語表記の要望
     統計分析を行ううえでは、海外統計との比較は必須といえますし、海外への情報発信の観点からも有用だと考えます。海外の統計では、ほとんどの場合、英語表記でも提供しておりますが、統計本体のみならず、注釈も含めて、日本語表記に加えて、英語表記バージョンも装備することが望ましいと思います。

▽ 個別に申し上げると、資金循環勘定の時系列データは、金融資産・負債種類別に保有主体の内訳がわかるようになっていれば、好ましいと感じます。
 日銀短観はもっとも利用頻度の高い統計です。さらに利用度を上げるには、業種割でのダウンロードができれば、企業財務に関心のある人に対してもさらに利用促進が図れるのではないでしょうか。
 外為データは、ドル円だけでなく各国の時系列(裁定相場以外のマーケット相場)が使えれば便利でしょう。日時があるととても有用です。なお、現状ではFRBのHPの為替データが便利なのでそちらを使っていますが、日本銀行のHPにもそうした系列があれば有用です。

▽ 日銀の扱うデータには項目の定義を知る必要があるものが多い。新たに作成される統計データ検索サイトにおいては、項目毎の定義や類似項目との差について簡単に説明がされていればありがたい。(現状のサイトでは解説ページにかなり詳細な説明がなされているが、検索サイトにシンプルにまとめていただければと思います。)
 定義の変更についてはより詳細な説明(使う際の留意点等)が必要だと思う。
 逆に言うと、利用者側が用語の定義さえ分かっていれば、現在日銀により提供されている時系列データが必ずしも利用しにくいとは思わない。(基本的にCSVで提供されており、使い勝手も悪くない。)
 日銀短観のページではグラフも提供されている。そのようなサービスは持続していただければありがたい。

▽ 「ユーザーの指定による利用系列データの検索・ダウンロード」の機能については、個別ニーズに対応いただける反面、検索・ダウンロードの操作性や所要時間は、サービス水準が低下する可能性もあるので、開発に際しては、その辺りへの配慮もいただければありがたい。「現在の提供方法も残す」という選択肢も考えられるのではないか。
 できれば、政府の取組とも連携を図って、可能な範囲で、共通化・標準化していただけると利用者の負担が小さくなってありがたい。

以上

(別紙3)

(ご意見・ご提案を頂戴した方々、敬称略、五十音順)

  • 石川誠(日本総合研究所)
  • 熊野英生(第一生命経済研究所)
  • 小巻泰之(日本大学)
  • 匿名希望 5名

以上