日本銀行 にちぎんキッズ
お金のかち 物価の安定 ニチギンマンの“きんゆうせいさく” マトメ
1 物価の安定って何でしょう?
 これまでみてきたように、インフレ(モノのねだんが上がり続ける)でも、デフレ(モノのねだんが下がり続ける)でも、みんな安心してお金を使えなくなりますね。モノのねだんが安定している−言いかえると、お金の価値(かち)が安定している−ということは、私たちが安心してくらすためにとてもだいじなことです。
 それぞれのモノのねだんはいろいろですが、世の中のモノのねだん全体のことを、物価(ぶっか)といいます。モノのねだん、つまり物価の安定のために、日本銀行が行うしごとを金融政策(きんゆうせいさく)といいます。
2 インフレのとき
 景気がよいと、モノがよく売れて、お店や会社がもうかって、お給料もふえて買い物をするからさらにモノが売れて…よいことばかりのようにみえます。
 でも、景気がよくなりすぎると、買いたい人が多すぎて、どんどんモノのねだんが上がっていき、インフレになってしまいます。インフレになると、お金の価値(かち)が下がって、しょうらいの計画もたてられなくなり、人々は安心してお金を使えなくなるのでしたよね。
 インフレのときや、インフレになりそうなとき、日本銀行は、銀行などの手持ちのお金をへらすそうさをします。

銀行の手持ちのお金が少なくなると、金利が上がります。
 金利とは、お金の貸し借りのねだんのことです。お金を借りたときには借り賃(ちん)として利子をはらいますし、お金を銀行にあずけたときは、あずけ賃(ちん)として利子を受け取ります。
 たとえば、100万円借りるとすると、1年後にお金を返すとき、金利が3%のときは103万円ですが、もし金利が10%ならば110万円を返さなければなりません。
 金利が上がると、借り賃が高くなって返すのがたいへんになるので、お金を借りる人は少なくなります。お金を借りて工場を建てたり、家を建てたりするのをやめることもふえますね。

 また、金利が高くなれば、銀行にあずけておくと利子がたくさんつくので、お金を使わずに銀行にあずける人もふえます。

 このように金利が高くなると、モノの売り買いやお金の動きが少しずつ落ち着いて、モノのねだんが上がりにくくなるのです。
インフレのときの金融政策のイメージ図 上記の説明を図示したもの
3 デフレのとき
 景気がわるいときは、買いたい人が少ないので、モノのねだんは下がります。モノのねだんが下がると、同じ金額でたくさん買い物ができていいことのように思えますが、景気がますますわるくなって、お店や会社の経営がくるしくなり、そこではたらく人々のお給料もへって…よくないのでしたね。
 デフレのとき、日本銀行は、銀行などの手持ちのお金をふやすそうさをします。

 銀行の手持ちのお金がふえると、金利が下がります。

 金利が下がると、借り賃が安くなってお金を返すのが楽になるので、お金を借りる人はふえます。お金を借りて工場を建てたり、家を建てたりすることもふえますね。

 また、金利が低くなれば、銀行にあずけておいても利子が少ししかつかないので、お金をおろして使う人がふえるかもしれません。

 このように金利が低くなると、モノの売り買いやお金の動きが少しずつ活発になって、モノのねだんが下がりにくくなるのです。
デフレのときの金融政策のイメージ図 上記の説明を図示したもの
4 金融政策についてくわしく知りたい人へ オペレーションと公定歩合
 では、どうやって、日本銀行は銀行のお金をへらしたり、ふやしたりするのでしょうか。
オペレーション
 主な方法は、オペレーションという方法です。公開市場操作(こうかいしじょうそうさ)ともいいます。
1 モノのねだんが上がって、銀行の手持ちのお金をへらしたいとき
日本銀行は銀行に国債(こくさい)や手形などを売ります。略して売りオペなどといいます。
国債とは、国がお金を借りるために発行する証券のことです。国の信用があり、一定期間後にお金にかえることを約束した紙なので、銀行どうしの間では、お金とおなじようにやり取りされます。
手形は、発行した会社が、手形を受け取った人に一定の金額をしはらうことを約束した紙です。国債と同じように、お金にかえることを約束する紙なので、銀行どうしの間で、お金と同じようにやり取りされます。
2 モノのねだんが下がって、銀行の手持ちのお金をふやしたいとき
日本銀行は銀行から国債(こくさい)や手形などを買います。略して買いオペといいます。
 日本銀行はこのようなオペレーションによって、銀行の手持ちのお金をふやしたりへらしたりすることで、金利にはたらきかけているのです。

 日本銀行の仕事の重要なことがらは、日本銀行の政策委員会というところで話し合い、多数決で決められます。オペレーションも政策委員会で決まった方針にもとづいて、行われています。
 日本の物価の安定という大事なことを決めるため、日本銀行は景気や物価について、いろいろと調査をしたり、統計をとったりしています。
公定歩合から基準貸付利率へ
 以前は、公定歩合操作(こうていぶあいそうさ)という方法がもっともよく使われていました。
 公定歩合とは、日本銀行が銀行にお金を貸し出すときの金利のことで、日本銀行が決めます。そして、公定歩合を上げたり下げたりすると、世の中の金利も上がったり下がったりしていました。
 今では、金利は、金融市場(きんゆうしじょう)というところで、お金を必要とする人と、すぐには持ってるお金を使う予定がなく、だれかほかの人に提供するゆとりのある人との間で毎日決まっていきますから、公定歩合によって金利が決まるということは少なくなりました。
そこで、現在日本銀行では、公定歩合ということばではなく、基準貸付利率(きじゅんかしつけりりつ)ということばを使うようにしています。
5 物価の安定と日本銀行
 モノのねだんが上がり続けたり下がり続けたりすると、お金の価値(かち)が変わってしまい、みんなが安心してお金を使えなくなります。
 日本銀行は、お金の価値(かち)を守るために、はたらいています。
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