
TOP > 対外説明・広報 > 日本銀行を知る・楽しむ > 教えて!にちぎん > 国際業務 > アジア・ボンド・ファンド(ABF)とは何ですか?
アジア通貨危機の原因としては、いくつかの点が指摘されていますが、その一つとして、アジア諸国の企業が設備投資のような長期間にわたる支出を行う際、資金調達の面で、海外の金融機関が貸し出す外貨建ての短期資金に傾斜していたこと(「(期間と通貨の)ダブル・ミスマッチ」と呼ばれます)が挙げられます。もし、これらの企業が、直接金融を通じて、自国通貨建ての長期資金を調達できていれば、混乱の度合いは、より軽微なものにとどまっていた可能性があります。つまり、自国通貨での債券市場が発達すれば、企業にとって資金調達手段の選択肢が広がり、「ダブル・ミスマッチ」の解消に繋がる環境整備が進むことになります。
このほか、債券市場が重要な理由として、(1)幅広い金融資産の価格形成における基礎(ベンチマーク)としての役割を果たす(特に国債市場)こと、(2)民間の市場参加者に対し、資金運用や金利リスクのヘッジ手段を提供すること、(3)中央銀行に対し、金融調節を円滑に実行する場や、先行きの経済・金融情勢に関する市場参加者の期待が映し出される場を提供すること、などが挙げられます。
アジア・ボンド・ファンドには、「ABF1」と「ABF2」の2つの枠組みが用意されています。いずれも予め定めたインデックスに沿って運用する債券投資信託で、その投資対象は、オーストラリア、日本、ニュージーランドを除くEMEAP加盟8か国・地域の政府および政府系機関が発行する債券です。
両者の異なる点として、ABF1の対象となる債券が米ドル建てであるのに対し、ABF2は現地通貨建てとなっています。また、ABF1では、参加者はEMEAPメンバーの中央銀行のみに限定されていましたが、ABF2では、各国・地域の債券市場の整備状況を踏まえて、民間投資家にも開放することが企図されていました。その狙いどおり、2011年(平成23年)5月には、ABF2のすべてのファンドが民間投資家に開放されました。
・ アジアの債券市場育成とアジア・ボンド・ファンド(2005年10月)